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33 ルコント国王視点ーざまぁそのいち(32話の続き)
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儂は逃げる。牢の中で腹筋をして鍛えたことは無駄ではなかった。儂は力の限りに泳ぎ、ワニ達から逃れようとしていた。
頼む、こっちに来るな、来るな!
だが、その願いも虚しくワニはこちらにやって来る。
「こんなところで儂は死ぬのか? こんなワニに食われて?」
がぶりっと足を噛みつかれ、もう絶体絶命だった。ところが、そのワニの鋭い歯はそれ以上は食い込まず、ふぃっと離れていった。周りにいたワニ達も去って行く。
いったいどうしたというのだ? よくわからないが助かった。
岸にたどり着き、噛まれた足を確認する。かなりの傷だし出血も多い。しかし、ここには薬も医者も、なにもかもないことに今更ながらに気づく。
「待てよ。これは助かったというより、少しも助かっていないではないか!」
儂は血が流れ出る足を、着ている服を切り裂き、強めにしばり止血を試みた。しかし、医者もいなければ消毒薬さえもここにはない。ワニの口内には多数の細菌が存在しているはずだからこれは良い状況ではない。案の定、感染症が傷口周辺で発生し膿がでて、日にちが経つとともに足が腐ったようになってきた。
生きてはいるが限りなく死に近い状態になっていく。凄絶な足の痛みと空腹に悩まされ、ギラギラと照りつける太陽が肌を真っ赤に炎症させた。日陰に移動することも、もはやできそうにないのだ。
最悪だ・・・・・・儂の周りを今飛んでいるのはハゲタカだ。弱って死んでいくのを待ち望むあいつらは、たまに舞い降りては儂の様子をうかがう。
くっそ! あんなハゲタカの餌になるのか?
意識は遠のき、いよいよ最期の瞬間が訪れた。弱った儂の腕をついばむハゲタカは「うげっ」と、奇妙な鳴き声をたて飛び立ち去って行く。
待てよ、儂の肉はそんなにまずいのか? なんか、腹立つなぁ・・・・・・
儂は最期まで動物達の餌になることはなかった。ハゲタカにまでまずいと思われる儂っていったい・・・・・・
頼む、こっちに来るな、来るな!
だが、その願いも虚しくワニはこちらにやって来る。
「こんなところで儂は死ぬのか? こんなワニに食われて?」
がぶりっと足を噛みつかれ、もう絶体絶命だった。ところが、そのワニの鋭い歯はそれ以上は食い込まず、ふぃっと離れていった。周りにいたワニ達も去って行く。
いったいどうしたというのだ? よくわからないが助かった。
岸にたどり着き、噛まれた足を確認する。かなりの傷だし出血も多い。しかし、ここには薬も医者も、なにもかもないことに今更ながらに気づく。
「待てよ。これは助かったというより、少しも助かっていないではないか!」
儂は血が流れ出る足を、着ている服を切り裂き、強めにしばり止血を試みた。しかし、医者もいなければ消毒薬さえもここにはない。ワニの口内には多数の細菌が存在しているはずだからこれは良い状況ではない。案の定、感染症が傷口周辺で発生し膿がでて、日にちが経つとともに足が腐ったようになってきた。
生きてはいるが限りなく死に近い状態になっていく。凄絶な足の痛みと空腹に悩まされ、ギラギラと照りつける太陽が肌を真っ赤に炎症させた。日陰に移動することも、もはやできそうにないのだ。
最悪だ・・・・・・儂の周りを今飛んでいるのはハゲタカだ。弱って死んでいくのを待ち望むあいつらは、たまに舞い降りては儂の様子をうかがう。
くっそ! あんなハゲタカの餌になるのか?
意識は遠のき、いよいよ最期の瞬間が訪れた。弱った儂の腕をついばむハゲタカは「うげっ」と、奇妙な鳴き声をたて飛び立ち去って行く。
待てよ、儂の肉はそんなにまずいのか? なんか、腹立つなぁ・・・・・・
儂は最期まで動物達の餌になることはなかった。ハゲタカにまでまずいと思われる儂っていったい・・・・・・
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