18 / 50
前レイラ男爵夫人(グレイスの元姑)の処分その1(前レイラ男爵夫人side)
しおりを挟む
はぁ? グレイスの手のひらにホクロ? そんなものは知らない・・・・・・リリィを見るとガクガクと身を震わせている。まずいわ。このリリィが偽物だとバレたら、私も必ず処罰される。ここは・・・・・・知らなかったことにしよう。
「えぇーー! なんですってぇーー? グレイスさんには、ホクロがあったのですか? ちょっと、待ってくださいね」
そう言いながら、リリィの右手を掴んで手のひらを大げさに見るふりをした。
「ない! この女にはホクロがないわ! なんてこと! 私達はこの女に騙されていたのです。アイザック、いつから、この女がグレイスさんに入れ替わったのかしら? 私は、年寄りで目も弱ってしまい、よく人の顔が確認できないのです」
私は、目をショボショボさせて、涙を流すふりもした。リリィだけの罪として、なんとかこの場を収めなければならない。
「そ、そうだ。そうだ! この女が私達を騙していたんだ! おい、お前は一体誰なんだ? 王様、申し上げます。この女はいつのまにか、屋敷に忍び込みグレイスのふりをしていたようです。こいつが極悪人だ!」
アイザックも私に足並みを揃える発言を始めた。うん、うん。これで、なんとか、この罪をこの女一人に被せてしまえば私達は安泰なはずだ。
「おい、ババァ! ふざけんなよ。お前が『グレイスになりすませばいいわ』って言ったんだろうがよっ! 都合よく目が弱ったふりなんかしやがって。オペラを見て、はしゃいで、高級料理を吐くぐらい食ってたお前の目が見えないわけがないだろう?」
リリィが、顔を真っ赤にし激しく私を罵ってきたのだ。ちっ、黙っていればいいものを。
「まぁ、下品な言葉遣いですこと! こんな嘘つき女は舌を引っこ抜き八つ裂きにしたうえ、野犬にでも食われればいい!」
「おい、ババァ! お前がグレイスさんに灰色の染料をぶっかけて喜んでいたことも全部話してやるよ。このババァは、グレイスさんに、ご飯もろくに与えず、雑用女にしてこき使っていたんだ。理由は、子供が産めないからだって言ってさぁーー。あっははは。笑っちゃうよ! 子供が産めないのはきっとこのアイザックのせいだろう? クソ男はプライドだけ高い能なし、種なしのクズじゃないか」
「なんだと? どういう意味だ? お前の子供は私の子だろう? お前はそう言ったじゃないか!」
「あっははは。言ったさ。でも、真っ赤な嘘だよ。あの子の父親は誰だかわかんないなぁ。だって、あたしはあんたの屋敷に住むまでは金をくれれば誰とでもしてたからね」
「・・・・・・なんて女だ。最低の女だ!」
「あっはは! 最低の男に言われたくないね! あんたは、グレイスさんをいじめ抜いている自分の母親を止めようともしなかったじゃないか! それどころか、もっと虐めるように仕向けたくせに。あんたはグレイスさんに『不妊症のくせに!とんだ不良品を買わされた』ってよく言ってたね? あれは、最高におかしかったよ。不良品はあんたなのにさぁ。あっははは」
「くそっ! おまえなんか、殺してやる」
アイザックはリリィの首を絞めだした。王家の騎士が割って入ってとめる。周囲の貴族達の呆れる声があがった。
「「「実に見苦しい! この者達は、自らが言った方法で処刑されればいいと思います!」」」
「「「賛成ですわ」」」
「「「グレイス様がされたことを全部してあげてから処刑されたら良いと思いますわ」」」
そこに居合わせた貴族達の全てがそんな恐ろしいことを言い出した。冗談じゃぁない! 死ぬのは嫌だ!
「うるさい! うるさい! 黙れぇーー! 私は少しも悪くないんだ! 嫁を虐めてなにが悪い。借金を背負って身内一人いなかったグレイスを誰が助けた? ここにいる貴族のお前らの誰一人としてレイラ男爵家にいるグレイスを心配して訪ねてきたことなどなかったじゃないか! 綺麗ごとを言うな! 私は無罪だぁーー!」
「このやかましい女を連れていけ」
王の厳しい声が聞こえた。あぁ、ダメだ・・・・・・もはや、助かる道はなさそうだった。
私は、ガクンと膝から崩れ、力が抜けていく。地獄だ・・・・・・私を待つのはそれしかない。
なぜ、こうなった?そうか、リリィのせいだ・・・・・・
子供ができないのはアイザックのせいだったなんて思わなかった。リリィの子供がアイザックの子供じゃなかったことも、初めて知った。だから、全てリリィが悪い! あの性悪女のリリィが、レイラ男爵家に乗り込んできたからこうなったんだ!
*
:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
私は、大貴族の大きな屋敷に連れていかれた。
「お前は、ここで雑用女としてしばらく働け!」
そう言い残して王家の兵士が去っていくと、早速その家の女主人がこう言った。
「ねぇ、その髪は気にくわないわぁ。私が、もっと良い色にしてあげましょう」
灰色の染料を頭からバシャリとかけられたのだった。
「えぇーー! なんですってぇーー? グレイスさんには、ホクロがあったのですか? ちょっと、待ってくださいね」
そう言いながら、リリィの右手を掴んで手のひらを大げさに見るふりをした。
「ない! この女にはホクロがないわ! なんてこと! 私達はこの女に騙されていたのです。アイザック、いつから、この女がグレイスさんに入れ替わったのかしら? 私は、年寄りで目も弱ってしまい、よく人の顔が確認できないのです」
私は、目をショボショボさせて、涙を流すふりもした。リリィだけの罪として、なんとかこの場を収めなければならない。
「そ、そうだ。そうだ! この女が私達を騙していたんだ! おい、お前は一体誰なんだ? 王様、申し上げます。この女はいつのまにか、屋敷に忍び込みグレイスのふりをしていたようです。こいつが極悪人だ!」
アイザックも私に足並みを揃える発言を始めた。うん、うん。これで、なんとか、この罪をこの女一人に被せてしまえば私達は安泰なはずだ。
「おい、ババァ! ふざけんなよ。お前が『グレイスになりすませばいいわ』って言ったんだろうがよっ! 都合よく目が弱ったふりなんかしやがって。オペラを見て、はしゃいで、高級料理を吐くぐらい食ってたお前の目が見えないわけがないだろう?」
リリィが、顔を真っ赤にし激しく私を罵ってきたのだ。ちっ、黙っていればいいものを。
「まぁ、下品な言葉遣いですこと! こんな嘘つき女は舌を引っこ抜き八つ裂きにしたうえ、野犬にでも食われればいい!」
「おい、ババァ! お前がグレイスさんに灰色の染料をぶっかけて喜んでいたことも全部話してやるよ。このババァは、グレイスさんに、ご飯もろくに与えず、雑用女にしてこき使っていたんだ。理由は、子供が産めないからだって言ってさぁーー。あっははは。笑っちゃうよ! 子供が産めないのはきっとこのアイザックのせいだろう? クソ男はプライドだけ高い能なし、種なしのクズじゃないか」
「なんだと? どういう意味だ? お前の子供は私の子だろう? お前はそう言ったじゃないか!」
「あっははは。言ったさ。でも、真っ赤な嘘だよ。あの子の父親は誰だかわかんないなぁ。だって、あたしはあんたの屋敷に住むまでは金をくれれば誰とでもしてたからね」
「・・・・・・なんて女だ。最低の女だ!」
「あっはは! 最低の男に言われたくないね! あんたは、グレイスさんをいじめ抜いている自分の母親を止めようともしなかったじゃないか! それどころか、もっと虐めるように仕向けたくせに。あんたはグレイスさんに『不妊症のくせに!とんだ不良品を買わされた』ってよく言ってたね? あれは、最高におかしかったよ。不良品はあんたなのにさぁ。あっははは」
「くそっ! おまえなんか、殺してやる」
アイザックはリリィの首を絞めだした。王家の騎士が割って入ってとめる。周囲の貴族達の呆れる声があがった。
「「「実に見苦しい! この者達は、自らが言った方法で処刑されればいいと思います!」」」
「「「賛成ですわ」」」
「「「グレイス様がされたことを全部してあげてから処刑されたら良いと思いますわ」」」
そこに居合わせた貴族達の全てがそんな恐ろしいことを言い出した。冗談じゃぁない! 死ぬのは嫌だ!
「うるさい! うるさい! 黙れぇーー! 私は少しも悪くないんだ! 嫁を虐めてなにが悪い。借金を背負って身内一人いなかったグレイスを誰が助けた? ここにいる貴族のお前らの誰一人としてレイラ男爵家にいるグレイスを心配して訪ねてきたことなどなかったじゃないか! 綺麗ごとを言うな! 私は無罪だぁーー!」
「このやかましい女を連れていけ」
王の厳しい声が聞こえた。あぁ、ダメだ・・・・・・もはや、助かる道はなさそうだった。
私は、ガクンと膝から崩れ、力が抜けていく。地獄だ・・・・・・私を待つのはそれしかない。
なぜ、こうなった?そうか、リリィのせいだ・・・・・・
子供ができないのはアイザックのせいだったなんて思わなかった。リリィの子供がアイザックの子供じゃなかったことも、初めて知った。だから、全てリリィが悪い! あの性悪女のリリィが、レイラ男爵家に乗り込んできたからこうなったんだ!
*
:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
私は、大貴族の大きな屋敷に連れていかれた。
「お前は、ここで雑用女としてしばらく働け!」
そう言い残して王家の兵士が去っていくと、早速その家の女主人がこう言った。
「ねぇ、その髪は気にくわないわぁ。私が、もっと良い色にしてあげましょう」
灰色の染料を頭からバシャリとかけられたのだった。
88
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
いいえ、望んでいません
わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」
結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。
だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。
なぜなら彼女は―――
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
だから言ったでしょう?
わらびもち
恋愛
ロザリンドの夫は職場で若い女性から手製の菓子を貰っている。
その行為がどれだけ妻を傷つけるのか、そしてどれだけ危険なのかを理解しない夫。
ロザリンドはそんな夫に失望したーーー。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる