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レイラ男爵の処分その2
私は、王家の兵士に、大きな屋敷に連れていかれた。
そこの女主人から灰色の染料をかけられると、目に入り恐ろしく痛かった。この染料は臭くて、ネバネバしていて、気持ち悪いものだった。これは、ヘイズリーがグレイスにかけたものと同じなのだろうか? なんで、こんなものを、かけられなければならないんだ!
「これを、グレイスにかけたのはヘイズリーだ! 私は、かけていない!」
「止めようと思えば止めれたはずのお前は、なにもしなかった。同罪だろう? お前は、しばらくは庭師の手伝いでもしておくれ!」
押し込められた部屋は薄暗くて寒い。薄い布団の他はなにもない部屋は牢獄のようだ。髪は、まだらな灰色となり、右目は染料が入ってチクチクと痛んだ。なぜ、こんな所に入らされるのだろうか?
朝早く起こされ、パンとスープだけが与えられた。なんて、味のないスープなんだ! 私はなぜ、こんな目にあっている?
広大な敷地の庭園を、庭師達と一緒に手入れをする。朝から晩までしゃがみ込んで雑草を手でむしり取り、竹箒で庭掃除をする。腰が痛み、膝がガクガクになった。
「こんなことも、まともにできないとは! 歳だけくって、なんて残念なじじぃだ!」
同じ年代と思われるじじぃにじじぃ呼ばわりされ、からかわれ、庭園の木に登らされて枝を切り落とす作業をさせられた。重いノコギリを落としそうになりながら、必死に作業をした。私が、高所恐怖症だと知っての嫌がらせに違いない! 私を木の上から突き落とそうとしているのかもしれない。
全てが、嫌になって、死のうと思った時に、かつての恋人の面影が浮かんだ。泣いている彼女の顔が、グレイスの顔に変わった時に・・・・・・私は・・・・・・考えた。
あのかつての恋人に、私達がグレイスにしてきたようなことをした者がいたら、私はどうしただろうか? 間違いなく、そんな者達は皆殺しにしたいと思ったはずだ。それでも、私はこうして生かされている。
次の日、やはり高い木に登り、剪定ばさみで枝を切っていると、庭師のじじぃ達がやって来て言った。
「だいぶ、慣れたじゃねーーか? その木から、山の方を見てみ? 絶景だぜ?」
私は言われた通りに山の方角を見つめた。山頂に霧のような薄雲が緩く流れていく様は、確かに綺麗だなと思った。
休憩の時には、茶が配られた。思わず『ありがとう』と言うと、相手はびっくりしたような顔をしていた。
「お前は、礼が言えないじじぃと思っていたよ?」
そう、言われてからかわれたが、確かに『ありがとう』と人に最後に言ったのはいつだったかな・・・・・・もう、思い出せないほど遠い昔かもしれない・・・・・・
「そうだな。ずっと、こんな言葉があることすら忘れていたよ・・・・・・」
私は、ポツリと呟いたのだった。
そこの女主人から灰色の染料をかけられると、目に入り恐ろしく痛かった。この染料は臭くて、ネバネバしていて、気持ち悪いものだった。これは、ヘイズリーがグレイスにかけたものと同じなのだろうか? なんで、こんなものを、かけられなければならないんだ!
「これを、グレイスにかけたのはヘイズリーだ! 私は、かけていない!」
「止めようと思えば止めれたはずのお前は、なにもしなかった。同罪だろう? お前は、しばらくは庭師の手伝いでもしておくれ!」
押し込められた部屋は薄暗くて寒い。薄い布団の他はなにもない部屋は牢獄のようだ。髪は、まだらな灰色となり、右目は染料が入ってチクチクと痛んだ。なぜ、こんな所に入らされるのだろうか?
朝早く起こされ、パンとスープだけが与えられた。なんて、味のないスープなんだ! 私はなぜ、こんな目にあっている?
広大な敷地の庭園を、庭師達と一緒に手入れをする。朝から晩までしゃがみ込んで雑草を手でむしり取り、竹箒で庭掃除をする。腰が痛み、膝がガクガクになった。
「こんなことも、まともにできないとは! 歳だけくって、なんて残念なじじぃだ!」
同じ年代と思われるじじぃにじじぃ呼ばわりされ、からかわれ、庭園の木に登らされて枝を切り落とす作業をさせられた。重いノコギリを落としそうになりながら、必死に作業をした。私が、高所恐怖症だと知っての嫌がらせに違いない! 私を木の上から突き落とそうとしているのかもしれない。
全てが、嫌になって、死のうと思った時に、かつての恋人の面影が浮かんだ。泣いている彼女の顔が、グレイスの顔に変わった時に・・・・・・私は・・・・・・考えた。
あのかつての恋人に、私達がグレイスにしてきたようなことをした者がいたら、私はどうしただろうか? 間違いなく、そんな者達は皆殺しにしたいと思ったはずだ。それでも、私はこうして生かされている。
次の日、やはり高い木に登り、剪定ばさみで枝を切っていると、庭師のじじぃ達がやって来て言った。
「だいぶ、慣れたじゃねーーか? その木から、山の方を見てみ? 絶景だぜ?」
私は言われた通りに山の方角を見つめた。山頂に霧のような薄雲が緩く流れていく様は、確かに綺麗だなと思った。
休憩の時には、茶が配られた。思わず『ありがとう』と言うと、相手はびっくりしたような顔をしていた。
「お前は、礼が言えないじじぃと思っていたよ?」
そう、言われてからかわれたが、確かに『ありがとう』と人に最後に言ったのはいつだったかな・・・・・・もう、思い出せないほど遠い昔かもしれない・・・・・・
「そうだな。ずっと、こんな言葉があることすら忘れていたよ・・・・・・」
私は、ポツリと呟いたのだった。
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