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大けがをしたワイアット
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コルトン王から頂いた宝石を、質屋の鑑定士はまじまじと見つめた。一瞬、驚きの声をあげて、すぐに表情を固くする。そして、あらゆる方向から宝石を鑑定しケチをつけるのだった。
「これは色が良くない。それに傷がある。偽物かもしれない」
私は、この鑑定士が嘘を言っているのがわかったけれど、このような場合なので仕方がなかった。
「いくらでもいいです。お金を融通してください」
「それなら、これで妥当でしょうね」
札束を三つ、無造作に投げてよこした。
「まぁ、こんな価値でしょう。いいですか? これ以上は出せません」
そう嘯く鑑定士に頷いて、私は急いで屋敷に戻った。札束の一つをアデリーに握らせ医者にかかるように言った。
アデリーは泣きながら礼を言い、私に跪いたのだった。
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
それからは、アデリーはなにかと私の側にいるようになった。
私が、ジャガイモの皮を剥いていて手を切った時も、真っ先に来て絆創膏を貼る。
「いいですか。貴女様はジャガイモは剥かなくていいです。ニンジンだけ切ってください」
洗濯物のシーツを干していて転びそうになった時も、すぐにやって来てシーツを取りあげられた。
「あぶなっかしくて見ていられません! シーツはいいです。小さい洗濯物だけ干してください」
そうこうしているうちに、ワイアットが帰ってきて私は執務室に呼ばれたのだった。
「私の屋敷の宝石を質屋に持っていった女は貴女か?」
「なんのことでしょう?」
「質屋に行っただろう? とても高価な宝石を持ってきた女がうちの使用人の服を着ていたと店主が報告しに来た」
あぁ、そういうことか。この家の宝石がどこにあるのかも私は知らないのに。
「私は、自分の宝石を売っただけです」
「質屋に? 嘘をつくのも大概に・・・・・・」
「お待ちください! もしや、あの時のお金が・・・・・・そうなのですか?」
私は、小さくため息をついた。
「コルトン王は私を娘のようにかわいがってくださったわ。死ぬ間際にくださったのがこの宝石ともうひとつの質屋に預けた宝石です。これ一つで城がいくつも買えるとおっしゃいました。亡くなる間際に逃がしてくれたのです。あの国では王が亡くなると殉死しなければならないから。これで生きていくようにと言われました」
ワイアットは、血相を変えて飛び出していった。アデリーは神妙な顔つきでいたが、私を急に抱きしめた。
「今、私は気がつきましたよ。貴女はお金のためにワイアット様を捨てたのではないですね。なぜ、おっしゃらないのです? あの方は誤解したままです」
「もう、終わったことなのよ。私とワイアットはもう少しも思い合ってはいないわ」
飛び出していったワイアットが質屋で大けがをして医者のもとに運ばれたと知らせが来たのはその1時間後だった。
「これは色が良くない。それに傷がある。偽物かもしれない」
私は、この鑑定士が嘘を言っているのがわかったけれど、このような場合なので仕方がなかった。
「いくらでもいいです。お金を融通してください」
「それなら、これで妥当でしょうね」
札束を三つ、無造作に投げてよこした。
「まぁ、こんな価値でしょう。いいですか? これ以上は出せません」
そう嘯く鑑定士に頷いて、私は急いで屋敷に戻った。札束の一つをアデリーに握らせ医者にかかるように言った。
アデリーは泣きながら礼を言い、私に跪いたのだった。
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
それからは、アデリーはなにかと私の側にいるようになった。
私が、ジャガイモの皮を剥いていて手を切った時も、真っ先に来て絆創膏を貼る。
「いいですか。貴女様はジャガイモは剥かなくていいです。ニンジンだけ切ってください」
洗濯物のシーツを干していて転びそうになった時も、すぐにやって来てシーツを取りあげられた。
「あぶなっかしくて見ていられません! シーツはいいです。小さい洗濯物だけ干してください」
そうこうしているうちに、ワイアットが帰ってきて私は執務室に呼ばれたのだった。
「私の屋敷の宝石を質屋に持っていった女は貴女か?」
「なんのことでしょう?」
「質屋に行っただろう? とても高価な宝石を持ってきた女がうちの使用人の服を着ていたと店主が報告しに来た」
あぁ、そういうことか。この家の宝石がどこにあるのかも私は知らないのに。
「私は、自分の宝石を売っただけです」
「質屋に? 嘘をつくのも大概に・・・・・・」
「お待ちください! もしや、あの時のお金が・・・・・・そうなのですか?」
私は、小さくため息をついた。
「コルトン王は私を娘のようにかわいがってくださったわ。死ぬ間際にくださったのがこの宝石ともうひとつの質屋に預けた宝石です。これ一つで城がいくつも買えるとおっしゃいました。亡くなる間際に逃がしてくれたのです。あの国では王が亡くなると殉死しなければならないから。これで生きていくようにと言われました」
ワイアットは、血相を変えて飛び出していった。アデリーは神妙な顔つきでいたが、私を急に抱きしめた。
「今、私は気がつきましたよ。貴女はお金のためにワイアット様を捨てたのではないですね。なぜ、おっしゃらないのです? あの方は誤解したままです」
「もう、終わったことなのよ。私とワイアットはもう少しも思い合ってはいないわ」
飛び出していったワイアットが質屋で大けがをして医者のもとに運ばれたと知らせが来たのはその1時間後だった。
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