(完結)お姉様、嫁ぎ先を交換しませんこと?

青空一夏

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妹編

プロローグ 

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 あたしは、とっても、皆から愛されている。ブルネットの髪はつやつやで、瞳はよく晴れた日の青空のよう。唇は、紅をささなくても、自然に赤く白い肌とのコントラストで人目をひくほどだ。

 お勉強や、難しいことは、大嫌いだけれど、着飾ることは大好きだし、美味しい物をたくさん食べるのも大好き。食べても太らない体質って最高だ。特に、チョコとかクッキーなんて、あればあるだけ、食べられちゃうもん!

 私は、幼い頃から、自由で、なにをするのも許された。お父様とお母様は、私をとても可愛がってくれたけれど、いつも一番良い物は、お姉様のものなんだ!

 ドレスを作る時も、まずはお姉様の色合わせから始まるし、宝石も大きい物や高価なものは、常にお姉様のものだ。こんな、不公平ってないよ!

 だから、あたしは、お姉様に嫌がらせもした。お気に入りの宝石を隠したり、大事にしている本の大事な部分を破いたり・・・そんな些細な意地悪なんて誰でもするよね?

 お姉様は、いつも穏やかで喜怒哀楽が、あまりない。常に”聖女さま”のように穏やかに微笑んでいた。
いつも、家庭教師や護衛侍女と一緒に、勉強ばかりしているけれど、定期的に別荘に行っていないことも多い。
きっと、別荘で、自分だけ面白おかしく遊んでいるんだわ!

 ずるいよ!

 怒る顔が見たくて、お姉様の髪を、寝ている間に一房だけ切ったこともあった。でも、翌朝にはお姉様の金髪は長いままで、少しも短くなっていなかった。

 あれは、今でも不思議だ。絶対に、お姉様の金髪を切ったのに。そのかわり、お姉様の部屋にあった金髪のお人形の髪の毛が短くなっていたことに、私は気がつかなかったのだった。
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