(完)妹の婚約者を誘惑したと言うけれど、その彼にそんな価値がありますか?

青空一夏

文字の大きさ
16 / 43

王太子と夜会に参加するジョセフィーヌ

しおりを挟む
 さて、今日は私は、王太子様にエスコートされて夜会に行くのです。お母様の親友の筆頭公爵夫人のグレイス・ブレイ様のお屋敷で夜会が開かれるのですよ。すごく、楽しみです。

 お母様も、楽しそうにはしていらっしゃいますがどこか憂鬱そうです。

「ジョセちゃんは、今日はレモン色のドレスにしましょう。私もそうするわ。淡いレモン色はとてもロマンチックな色よね?」

「えぇ、そうですね。お母様と私の金髪にこの色は、とても合っていると思いますわ」

「あぁ、全くだわ。私達は美人親子ね? さぁ、もうすぐ来るかしら?」

 ルドレア侯爵家に王太子様と王弟様がいらっしゃいました。

 お母様は、途端に不機嫌になりましたよ。最近、とてもよく王弟のイーストン・ライダー公爵様がいらっしゃって困っているようです。

「なぜ、またイーストン様がいらっしゃったのですか?」


「それは、決まっているよ。貴女の顔が見たいからさ。さぁ、私がエスコートするから一緒に行こうね」

「はぁーー。私はね、もう男性とつきあう気持ちは全くないのですよ」

 お母様はそうおっしゃるけれど、このイーストン様が嫌いではないと思うのです。だって、この方がいらっしゃるようになってから外出用のドレスの色が明るくなったのですよ。

 だから、私はキューピッドになれるといいなと思っているのです。私は、それを王太子様にこのあいだ申し上げたのです。


「うん。ルドレア女侯爵はまだ若いし綺麗だから、再婚して幸せになってほしいよね? だとすれば、僕たちも仲良くする必要があるよね? だって、ルドレア女侯爵が再婚したらあの二人は新婚でしょ? そんな甘い生活を邪魔したくないジョセは私の妻になるために王宮に来たいでしょう?」


「はい? おっしゃってる意味がまるでわからないです。正確に申し上げれば、最後の文だけが解読不能ですね」

「ふふふ。これは契約だ。愛とか恋じゃぁない。でも、私はいずれ妃を迎えるのならジョセがいいな」

 そこも、全く、わからないですね。なにも、気に入られることなどした覚えはありませんしね。

 とにかく、私達は仲良く、ブレイ公爵家へ向かいましたよ。


*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*


 ブレイ公爵家はとても壮麗なお屋敷でした。そして、お屋敷のそこかしこに薔薇が飾られていてとても優雅でした。家具も優美な曲線を描いたもので統一されていて素敵です。

 私が、うっとりとしていると王太子様は舌打ちをなさいました。

「いいか? 王家の方が価値のある家具が多いのだぞ。そんなに羨ましそうにするな」

 そんなつもりはなかったのですがね。綺麗なものを見てうっとりするのは女性ならみんな、そうですよね?私は綺麗な男性は苦手ですが綺麗な家具や絵画は大好きです。

私と王太子様が、そうやって他愛もないお話をしていたときですよ。庭園の方から男性二人の声が聞こえて来ましたよ。

「なぁ、高級娼館の『悦楽の館』にこのあいだ入ったばかりの娘がもう頭角を現したそうだ」

「あぁ、知ってる。けれど、まだ若いだろう?」

「あぁ、それが実は、あの娼館では一人前の娼婦とセットで・・・・・・」

 いきなり、王太子様が私の耳を両手で覆いました。どうしたのでしょう?

「さぁ、ジョセ。お母様のところに行こうね」

 とても、急いで私を連れていこうとしましたよ。セットってなんでしょう? 

 私は、それから綺麗さっぱりそのことは忘れたのでした。







*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*

次回は、妹のエラに焦点をあわせます。
|ェ)・`)チラックマ♡よろしくお願いします(❀ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾ᵖᵉᵏᵒ


しおりを挟む
感想 159

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

小石だと思っていた妻が、実は宝石だった。〜ある伯爵夫の自滅

みこと。
恋愛
アーノルド・ロッキムは裕福な伯爵家の当主だ。我が世の春を楽しみ、憂いなく遊び暮らしていたところ、引退中の親から子爵家の娘を嫁にと勧められる。 美人だと伝え聞く子爵の娘を娶ってみれば、田舎臭い冴えない女。 アーノルドは妻を離れに押し込み、顧みることなく、大切な約束も無視してしまった。 この縁談に秘められた、真の意味にも気づかずに──。 ※全7話で完結。「小説家になろう」様でも掲載しています。

聖女の魔力を失い国が崩壊。婚約破棄したら、彼と幼馴染が事故死した。

佐藤 美奈
恋愛
聖女のクロエ公爵令嬢はガブリエル王太子殿下と婚約していた。しかしガブリエルはマリアという幼馴染に夢中になり、隠れて密会していた。 二人が人目を避けて会っている事をクロエに知られてしまい、ガブリエルは謝罪して「マリアとは距離を置く」と約束してくれる。 クロエはその言葉を信じていましたが、実は二人はこっそり関係を続けていました。 その事をガブリエルに厳しく抗議するとあり得ない反論をされる。 「クロエとは婚約破棄して聖女の地位を剥奪する!そして僕は愛するマリアと結婚して彼女を聖女にする!」 「ガブリエル考え直してください。私が聖女を辞めればこの国は大変なことになります!」 「僕を騙すつもりか?」 「どういう事でしょう?」 「クロエには聖女の魔力なんて最初から無い。マリアが言っていた。それにマリアのことを随分といじめて嫌がらせをしているようだな」 「心から誓ってそんなことはしておりません!」 「黙れ!偽聖女が!」 クロエは婚約破棄されて聖女の地位を剥奪されました。ところが二人に天罰が下る。デート中にガブリエルとマリアは事故死したと知らせを受けます。 信頼していた婚約者に裏切られ、涙を流し悲痛な思いで身体を震わせるクロエは、急に頭痛がして倒れてしまう。 ――目覚めたら一年前に戻っていた――

【完結】瑠璃色の薬草師

シマセイ
恋愛
瑠璃色の瞳を持つ公爵夫人アリアドネは、信じていた夫と親友の裏切りによって全てを奪われ、雨の夜に屋敷を追放される。 絶望の淵で彼女が見出したのは、忘れかけていた薬草への深い知識と、薬師としての秘めたる才能だった。 持ち前の気丈さと聡明さで困難を乗り越え、新たな街で薬草師として人々の信頼を得ていくアリアドネ。 しかし、胸に刻まれた裏切りの傷と復讐の誓いは消えない。 これは、偽りの愛に裁きを下し、真実の幸福と自らの手で築き上げる未来を掴むため、一人の女性が力強く再生していく物語。

居候と婚約者が手を組んでいた!

すみ 小桜(sumitan)
恋愛
 グリンマトル伯爵家の一人娘のレネットは、前世の記憶を持っていた。前世は体が弱く入院しそのまま亡くなった。その為、病気に苦しむ人を助けたいと思い薬師になる事に。幸いの事に、家業は薬師だったので、いざ学校へ。本来は17歳から通う学校へ7歳から行く事に。ほらそこは、転生者だから!  って、王都の学校だったので寮生活で、数年後に帰ってみると居候がいるではないですか!  父親の妹家族のウルミーシュ子爵家だった。同じ年の従姉妹アンナがこれまたわがまま。  アンアの母親で父親の妹のエルダがこれまたくせ者で。  最悪な事態が起き、レネットの思い描いていた未来は消え去った。家族と末永く幸せと願った未来が――。

【完結80万pt感謝】不貞をしても婚約破棄されたくない美男子たちはどうするべきなのか?

宇水涼麻
恋愛
高位貴族令息である三人の美男子たちは学園内で一人の男爵令嬢に侍っている。 そんな彼らが卒業式の前日に家に戻ると父親から衝撃的な話をされた。 婚約者から婚約を破棄され、第一後継者から降ろされるというのだ。 彼らは慌てて学園へ戻り、学生寮の食堂内で各々の婚約者を探す。 婚約者を前に彼らはどうするのだろうか? 短編になる予定です。 たくさんのご感想をいただきましてありがとうございます! 【ネタバレ】マークをつけ忘れているものがあります。 ご感想をお読みになる時にはお気をつけください。すみません。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

せっかく家の借金を返したのに、妹に婚約者を奪われて追放されました。でも、気にしなくていいみたいです。私には頼れる公爵様がいらっしゃいますから

甘海そら
恋愛
ヤルス伯爵家の長女、セリアには商才があった。 であれば、ヤルス家の借金を見事に返済し、いよいよ婚礼を間近にする。 だが、 「セリア。君には悪いと思っているが、私は運命の人を見つけたのだよ」  婚約者であるはずのクワイフからそう告げられる。  そのクワイフの隣には、妹であるヨカが目を細めて笑っていた。    気がつけば、セリアは全てを失っていた。  今までの功績は何故か妹のものになり、婚約者もまた妹のものとなった。  さらには、あらぬ悪名を着せられ、屋敷から追放される憂き目にも会う。  失意のどん底に陥ることになる。  ただ、そんな時だった。  セリアの目の前に、かつての親友が現れた。    大国シュリナの雄。  ユーガルド公爵家が当主、ケネス・トルゴー。  彼が仏頂面で手を差し伸べてくれば、彼女の運命は大きく変化していく。

処理中です...