1 / 12
1 エヴァリン視点 イラ伯爵家は切り捨てられる
しおりを挟む
「イラ家の取引先が、なぜかみんな、手を引いたのよ? なぜかしら?」
従姉妹のレイテ・イラ伯爵令嬢が、突然、やって来て、私に泣きついてきた。彼女は私とは幼馴染みで、とても仲が良かった。
そして、レイテは、まるで自分の家のように、気ままにシャー子爵家にやって来ては、私の部屋にあるものを借りていったり、断りもなく持ち出すことも多かった。
「まぁ、大変ねぇ。お父様に頼んでみるわ」
私は、お父様の執務室に行ってレイテの家にお金を融通できないか、レイテの目の前で聞いた。
「あぁ、それは、無理だなぁ。すまないね、レイテちゃん。いくら、親戚でも、お金の貸し借りは他人だ」
「酷すぎるわ。エヴァリンの亡くなったお母様は、私のお母様の妹でしょう? 姉の家の窮地を助けるのは当然ですよね?」
泣きながら、抗議するレイテの唇は、怒りで震えていた。
「助けてもらうのが当然? 実に、面白いことを言うね! 私は、忙しいのだよ。借金をしたいなら、金貸しのところに行けばいい。帰ってくれないかね?」
お父様は、不快そうに顔を歪めた。
「お父様。それは、冷たくすぎませんか? レイテは幼い頃から仲良くしていた従姉妹ですよ?」
私は、遠慮がちにお父様に言った。
「エヴァリン。お金は安易に貸してはいけない。また、借りてもいけないよ」
私に、優しくおっしゃったお父様は、レイテに向かって冷たい眼差しを向けた。
「あぁ、レイテ! レイテの家とは縁を切ろうと思っているから、今後は、自分の家のようにして気軽にここに来ることは禁じる。エヴァリンの物も勝手に持ち出すことは禁じる。つまりは、人の物を盗むなということだ!」
「え? あぁ、叔父様はどこまでも、冷たいのですね? 借金だらけになったイラ家が疎ましいのですね? なんて、汚い大人なの? こっちから、願い下げだわ」
泣きながら駆けだしたレイテを、私は追おうとしたがお父様に止められた。
「借金だらけのイラ家は、もう親戚でもなんでもない・・・・・・・レイテとは、仲良くしてはいけないよ」
お父様はそうおっしゃった。私は、頷いた。
セント・バーナードのアレクは、私の側に来て私とお父様の間に座った。
私とお父様は、アレクが大好きで自慢なのだった。
「この子は、とても良い子だな」
お父様はしみじみと、おっしゃって私も頷いた。
「この子が選んだ男性なら、安心かもしれません」
私が言うと、お父様は愉快そうに笑った。
「そうだな。間違いないな」
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
イラ家は、大借金を背負って、債権者から追いかけ回されたらしい。レイテと伯母様は、人づてに聞けば、どこかの工場で朝から晩まで働いているらしかったし、伯父様は船乗りになったそうだ。
船乗りって、ロマンがあっていいと思う。私は海が好きだわ。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
セント・バーナード・・・・・・シャー家のペットの犬です。読者の方の中に犬だとわからなくて子供だと思ったという感想がありましたので、注記しました。
他に、誤解なさった方がいらっしゃいましたら、この場を借りましてお詫びさせていただきます。
すみませんでした。
従姉妹のレイテ・イラ伯爵令嬢が、突然、やって来て、私に泣きついてきた。彼女は私とは幼馴染みで、とても仲が良かった。
そして、レイテは、まるで自分の家のように、気ままにシャー子爵家にやって来ては、私の部屋にあるものを借りていったり、断りもなく持ち出すことも多かった。
「まぁ、大変ねぇ。お父様に頼んでみるわ」
私は、お父様の執務室に行ってレイテの家にお金を融通できないか、レイテの目の前で聞いた。
「あぁ、それは、無理だなぁ。すまないね、レイテちゃん。いくら、親戚でも、お金の貸し借りは他人だ」
「酷すぎるわ。エヴァリンの亡くなったお母様は、私のお母様の妹でしょう? 姉の家の窮地を助けるのは当然ですよね?」
泣きながら、抗議するレイテの唇は、怒りで震えていた。
「助けてもらうのが当然? 実に、面白いことを言うね! 私は、忙しいのだよ。借金をしたいなら、金貸しのところに行けばいい。帰ってくれないかね?」
お父様は、不快そうに顔を歪めた。
「お父様。それは、冷たくすぎませんか? レイテは幼い頃から仲良くしていた従姉妹ですよ?」
私は、遠慮がちにお父様に言った。
「エヴァリン。お金は安易に貸してはいけない。また、借りてもいけないよ」
私に、優しくおっしゃったお父様は、レイテに向かって冷たい眼差しを向けた。
「あぁ、レイテ! レイテの家とは縁を切ろうと思っているから、今後は、自分の家のようにして気軽にここに来ることは禁じる。エヴァリンの物も勝手に持ち出すことは禁じる。つまりは、人の物を盗むなということだ!」
「え? あぁ、叔父様はどこまでも、冷たいのですね? 借金だらけになったイラ家が疎ましいのですね? なんて、汚い大人なの? こっちから、願い下げだわ」
泣きながら駆けだしたレイテを、私は追おうとしたがお父様に止められた。
「借金だらけのイラ家は、もう親戚でもなんでもない・・・・・・・レイテとは、仲良くしてはいけないよ」
お父様はそうおっしゃった。私は、頷いた。
セント・バーナードのアレクは、私の側に来て私とお父様の間に座った。
私とお父様は、アレクが大好きで自慢なのだった。
「この子は、とても良い子だな」
お父様はしみじみと、おっしゃって私も頷いた。
「この子が選んだ男性なら、安心かもしれません」
私が言うと、お父様は愉快そうに笑った。
「そうだな。間違いないな」
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
イラ家は、大借金を背負って、債権者から追いかけ回されたらしい。レイテと伯母様は、人づてに聞けば、どこかの工場で朝から晩まで働いているらしかったし、伯父様は船乗りになったそうだ。
船乗りって、ロマンがあっていいと思う。私は海が好きだわ。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
セント・バーナード・・・・・・シャー家のペットの犬です。読者の方の中に犬だとわからなくて子供だと思ったという感想がありましたので、注記しました。
他に、誤解なさった方がいらっしゃいましたら、この場を借りましてお詫びさせていただきます。
すみませんでした。
366
あなたにおすすめの小説
愛のない貴方からの婚約破棄は受け入れますが、その不貞の代償は大きいですよ?
日々埋没。
恋愛
公爵令嬢アズールサは隣国の男爵令嬢による嘘のイジメ被害告発のせいで、婚約者の王太子から婚約破棄を告げられる。
「どうぞご自由に。私なら傲慢な殿下にも王太子妃の地位にも未練はございませんので」
しかし愛のない政略結婚でこれまで冷遇されてきたアズールサは二つ返事で了承し、晴れて邪魔な婚約者を男爵令嬢に押し付けることに成功する。
「――ああそうそう、殿下が入れ込んでいるそちらの彼女って実は〇〇ですよ? まあ独り言ですが」
嘘つき男爵令嬢に騙された王太子は取り返しのつかない最期を迎えることになり……。
※この作品は過去に公開したことのある作品に修正を加えたものです。
またこの作品とは別に、他サイトでも本作を元にしたリメイク作を別のペンネー厶で公開していますがそのことをあらかじめご了承ください。
公爵令嬢は愛に生きたい
拓海のり
恋愛
公爵令嬢シビラは王太子エルンストの婚約者であった。しかし学園に男爵家の養女アメリアが編入して来てエルンストの興味はアメリアに移る。
一万字位の短編です。他サイトにも投稿しています。
新しい人生を貴方と
緑谷めい
恋愛
私は公爵家令嬢ジェンマ・アマート。17歳。
突然、マリウス王太子殿下との婚約が白紙になった。あちらから婚約解消の申し入れをされたのだ。理由は王太子殿下にリリアという想い人ができたこと。
2ヵ月後、父は私に縁談を持って来た。お相手は有能なイケメン財務大臣コルトー侯爵。ただし、私より13歳年上で婚姻歴があり8歳の息子もいるという。
* 主人公は寛容です。王太子殿下に仕返しを考えたりはしません。
元婚約者のあなたへ どうか幸せに
石里 唯
恋愛
公爵令嬢ローラは王太子ケネスの婚約者だったが、家が困窮したことから、婚約破棄をされることになる。破棄だけでなく、相愛と信じていたケネスの冷酷な態度に傷つき、最後の挨拶もできず別れる。失意を抱いたローラは、国を出て隣国の大学の奨学生となることを決意する。
隣国は3年前、疫病が広がり大打撃を受け、国全体が復興への熱意に満ち、ローラもその熱意に染まり勉学に勤しむ日々を送っていたところ、ある日、一人の「学生」がローラに声をかけてきて―――。
王子様への置き手紙
あおた卵
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
ハイパー王太子殿下の隣はツライよ! ~突然の婚約解消~
緑谷めい
恋愛
私は公爵令嬢ナタリー・ランシス。17歳。
4歳年上の婚約者アルベルト王太子殿下は、超優秀で超絶イケメン!
一応美人の私だけれど、ハイパー王太子殿下の隣はツライものがある。
あれれ、おかしいぞ? ついに自分がゴミに思えてきましたわ!?
王太子殿下の弟、第2王子のロベルト殿下と私は、仲の良い幼馴染。
そのロベルト様の婚約者である隣国のエリーゼ王女と、私の婚約者のアルベルト王太子殿下が、結婚することになった!? よって、私と王太子殿下は、婚約解消してお別れ!? えっ!? 決定ですか? はっ? 一体どういうこと!?
* ハッピーエンドです。
悪役令嬢の涙
拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。
悪女の私を愛さないと言ったのはあなたでしょう?今さら口説かれても困るので、さっさと離縁して頂けますか?
輝く魔法
恋愛
システィーナ・エヴァンスは王太子のキース・ジルベルトの婚約者として日々王妃教育に勤しみ努力していた。だがある日、妹のリリーナに嵌められ身に覚えの無い罪で婚約破棄を申し込まれる。だが、あまりにも無能な王太子のおかげで(?)冤罪は晴れ、正式に婚約も破棄される。そんな時隣国の皇太子、ユージン・ステライトから縁談が申し込まれる。もしかしたら彼に愛されるかもしれないー。そんな淡い期待を抱いて嫁いだが、ユージンもシスティーナの悪い噂を信じているようでー?
「今さら口説かれても困るんですけど…。」
後半はがっつり口説いてくる皇太子ですが結ばれません⭐︎でも一応恋愛要素はあります!ざまぁメインのラブコメって感じかなぁ。そういうのはちょっと…とか嫌だなって人はブラウザバックをお願いします(o^^o)更新も遅めかもなので続きが気になるって方は気長に待っててください。なお、これが初作品ですエヘヘ(о´∀`о)
優しい感想待ってます♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる