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月の女神様は魔王様の妻になる
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月の女神様のアリーシャは銀髪にアメジストの瞳をもつ絶世の美女だった。
彼女は天界の生活に飽きると、下界に降りていき村娘の格好で遊ぶのが好きだった。
ある日、下界に遊びに行くと、王宮の庭でウサギを追って遊んでいる子どもを見つけた。
その子はアリーシャを誘って庭園を散歩し、薔薇の花を摘んでくれた。
「この薔薇の花をあなたに捧げます。あなたの前では薔薇の花も色あせて見えますね」
アリーシャは嬉しくて、時間が経つのも忘れるほどだった。
「世界一美しい貴方。僕はいずれ王になるカークです。僕の妃になっていただけたら、この国の全てをあなたにあげましょう」
綺麗な顔立ちの少年はひざまずいて求婚をした。
アリーシャは何も言わずに天界に帰っていった。
☆
その様子を天界から眺めていた太陽神の息子は翌日、アリーシャのもとを訪ねた。
太陽神の息子はまばゆい金髪にブルーサファイアの瞳の天界いちモテる男神様だ。
アリーシャのもとに来たときも、取り巻きの女性を数人つれていた。
「地上、天界、魔界の全ての女性いち美しいアリーシャ。私の妃になってくれたら、この世の全てを貴女にあげよう」
アリーシャは首を横に振った。
☆
アリーシャが天界と魔界の狭間に落ちたとき魔王が来て助けてくれた。
魔王は醜い顔と角を生やしている大男だった。
「魔界にようこそ。月の女神。しばらくここにいて、魔界を照らしてくれると助かる」
アリーシャはしばらく魔界を照らし、魔王は別れ際にアリーシャが最も欲しい言葉を言った。
「俺が知っている女のなかで一番美しい人、俺は魔界の王だから太陽のもとで駆け回ることや、天界で美しい景色を楽しませることも出来ない。この闇の世界で君にあげられるものはなにもないが、俺の心を永遠に捧げよう」
アリーシャはなにも言わず天界に帰った。
頬をピンクに染めて目を輝かせながら‥‥
☆
天界に戻ったアリーシャは侍女とメイドと従者に言った。
「さぁ、お引っ越しよ!これから私は魔界に住むわ」
たくさんのドレスと宝石はペガサスがひく馬車に積まれ魔界へと降りていく。
☆
「帰ってきましたわ。私の旦那様」
魔王のもとに降り立った月の女神様はにっこりとして魔王の膝の上に座った。
「嬉しいけれど、俺でいいのかい?」
「もちろんよ!」
そう、月の女神様は夜の世界を支配する女王様だ。
すでに彼女はこの世の半分は持っているのだから、欲しいものはただ一つ。
永遠に変わらない愛をもつ男の心。
閑話
「女神様、本当にあの恐ろしい顔の男でいいのですか?」
長年仕えている侍女やメイドが顔を曇らせて不安げに問うた。
月の女神は笑っただけでなにも言わなかった。
一年もすると魔王の醜い顔が驚いたことに、それほど不細工には見えなくなってきた。
それどころか、好ましい容姿にさえ見えてきたのだ。
「女神様!魔法でも使ったのですか?それとも、私たちの目がどうかしてしまったのでしょうか?」
今まで、恐ろしい、醜いと怖がっていた侍女やメイドが首を傾げていた。
「魔法なんて使わないわ。魔王様の優しい心がそう見せてくれるだけよ」
彼女は天界の生活に飽きると、下界に降りていき村娘の格好で遊ぶのが好きだった。
ある日、下界に遊びに行くと、王宮の庭でウサギを追って遊んでいる子どもを見つけた。
その子はアリーシャを誘って庭園を散歩し、薔薇の花を摘んでくれた。
「この薔薇の花をあなたに捧げます。あなたの前では薔薇の花も色あせて見えますね」
アリーシャは嬉しくて、時間が経つのも忘れるほどだった。
「世界一美しい貴方。僕はいずれ王になるカークです。僕の妃になっていただけたら、この国の全てをあなたにあげましょう」
綺麗な顔立ちの少年はひざまずいて求婚をした。
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アリーシャは首を横に振った。
☆
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「魔界にようこそ。月の女神。しばらくここにいて、魔界を照らしてくれると助かる」
アリーシャはしばらく魔界を照らし、魔王は別れ際にアリーシャが最も欲しい言葉を言った。
「俺が知っている女のなかで一番美しい人、俺は魔界の王だから太陽のもとで駆け回ることや、天界で美しい景色を楽しませることも出来ない。この闇の世界で君にあげられるものはなにもないが、俺の心を永遠に捧げよう」
アリーシャはなにも言わず天界に帰った。
頬をピンクに染めて目を輝かせながら‥‥
☆
天界に戻ったアリーシャは侍女とメイドと従者に言った。
「さぁ、お引っ越しよ!これから私は魔界に住むわ」
たくさんのドレスと宝石はペガサスがひく馬車に積まれ魔界へと降りていく。
☆
「帰ってきましたわ。私の旦那様」
魔王のもとに降り立った月の女神様はにっこりとして魔王の膝の上に座った。
「嬉しいけれど、俺でいいのかい?」
「もちろんよ!」
そう、月の女神様は夜の世界を支配する女王様だ。
すでに彼女はこの世の半分は持っているのだから、欲しいものはただ一つ。
永遠に変わらない愛をもつ男の心。
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「女神様、本当にあの恐ろしい顔の男でいいのですか?」
長年仕えている侍女やメイドが顔を曇らせて不安げに問うた。
月の女神は笑っただけでなにも言わなかった。
一年もすると魔王の醜い顔が驚いたことに、それほど不細工には見えなくなってきた。
それどころか、好ましい容姿にさえ見えてきたのだ。
「女神様!魔法でも使ったのですか?それとも、私たちの目がどうかしてしまったのでしょうか?」
今まで、恐ろしい、醜いと怖がっていた侍女やメイドが首を傾げていた。
「魔法なんて使わないわ。魔王様の優しい心がそう見せてくれるだけよ」
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