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妹に彼を奪われました、でもおあいこだから気にしません!
しおりを挟む「ちょっと今月は忙しくてね、会えそうもないよ」
恋人の蓮からきたラインに軽く舌打ちをした私は傍らにいる妹の芽依を見た。
芽依もラインを開いていて、沈んだ顔でため息をついている。
「どうしたのよ?湊君がなんだって?」
「来週は会えないって‥‥もう2週間も会ってないのに」
「あらぁーー、こっちはひと月よ?もうだめね‥‥」
「‥‥悲しいね‥‥」
「悲しくなんかないわ!腹がたつだけよ。ったく、あの遊び人め!浮気男のろくでなし。それが蓮よ」
「ふーーん。湊君は草食系男子よ。デートしてても、手も繋がないし‥‥でも、このあいだ見ちゃったんだ。派手な女の子と渋谷で歩いてた‥‥手を繋いで!!」
芽依はぱっちりした可愛い目に涙を溜めていた。
おのれ、私のかわいい妹を泣かすとは、許さん!!
☆
派手な女ですって?
私は米○涼子に似て派手で勝ち気なタイプなのよ。
私が誘惑して派手に捨ててやろうじゃないの!
「芽依、今度の湊君のデートは私が行くわ」
「え?わかった!交換するのね?」
「え?なにそれ?」
「恋人交換よ」
清楚なかわいい芽依が言うと、子供の悪戯みたいに無邪気に聞こえた。
☆
「あの‥‥芽依は?」
「ん?芽依はね、風邪ひいちゃってさぁー映画のチケット無駄にするのもなんだし、私がピンチヒッターよ」
湊君は、私を眩しそうに見ていた。
礼儀正しいし、よく見ると整った顔立ちで私のタイプだった。
なかなかいい男ねぇーー
一所懸命に4歳年上の私の話題にあわせようとしている。
なんだろう、このかわいい生き物は?
目をキラキラさせて嬉しそうに私の話を聞いている様子は、私に忘れかけていた恋の始まりの高揚感を思い出させた。
映画を一緒に見て、私から手を繋ぐと顔を赤く染めて初々しいったらないわ。
うーーん、これって食べちゃっていい?
☆
「お姉ちゃん、お帰り!どうだった?あれ?背中に葉っぱがたくさんついてるよ?」
「あぁーそう?おほほーーちょっとシャワーを浴びてくるわねー」
私は芽依の言葉を無視して浴室に向かった。
シャワーを浴びながら、さっきまで年下の子をくわえ込んでいた部分を丁寧に洗った。
若いっていいわよねぇー堅さと体力がまるで違うもの。
ケータイを見ると湊君からラインがきていた。
「すごく気持ち良かったです。大好きです」
このストレートなところがかわいいったらないわ!
思わず顔をほころばせてしまう。
でも、私は湊君を夢中にさせて、コテンパンに振ろうとしているはずじゃぁーなかったっけ?
☆
「ただいまぁー楽しかったぁー」
妹の芽依が蓮とのデートから帰ってくるまで、私は心配でしょうがなかった。
「なんか、されなかった?」
「うん、なんにも‥‥」
芽依は頬をそめて俯いているけど、大丈夫なのか?これは‥‥
☆
半年後
「お姉ちゃん、私、プロポーズされたよ。蓮さんに」
「マジか‥‥」
「お姉ちゃんは?」
「うーーん、それは、あいつ次第よ」
☆
私は湊君に組み敷かれて、彼は必死で私の上で腰を振っていた。
「あっ、あっ、いくかも、ねぇ、いい?中にだしていい?」
答える間もなく、湊君はいっそう深くねじりこんで精を吐き出した。
「あぁーもぉ、君は私と結婚する気もないくせに、なんで‥‥」
「え?あるよ?全然あるから、ずっと中にだしているんだけど‥‥」
こいつは、可愛い顔して確信犯かい!
「あ、そう。では、嬉しいお知らせがあります!私、妊娠したわ」
「うん、嬉しい!!僕、すぐに凜さんのご両親に挨拶しに行くね?」
うーーん、なにかがおかしい気がするのは気のせいよね?
☆
私は、夜中に喉が渇いて起きて芽依が電話で話をしている声を聞いてしまった。
「ねぇ、うまくいったでしょう?みんなが幸せになったもの。湊はお姉ちゃんがずっと好きだったでしょ?私はお姉ちゃんの彼がずっと好きだった‥‥恋人交換は大成功よ」
はぁーーそういうことね!
まぁ、いいか‥‥
気持ち良かったし、子供も出来たし‥‥
結果、良ければ、すべて良しだわ!
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