(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏

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1 妹の子供を養女にしたら暴言を吐く反抗的な子供になりました

私はダーシー・オークリー女伯爵。少し繊細すぎる美貌の夫マイクは優しく誠実。やり甲斐のあるオークリー伯爵家の事業はきわめて順調だった。ただ人生とは全てが揃うとは限らないもので私達夫婦には子供ができなかった。

「もう私達の間には子供はできないと思うし、遠縁からでも養子をもらおうと思うのだけれど・・・・・・」
私は悩んだ末に夫に相談した。
「そうだね! それがいいと思うよ。でも次期伯爵ならば血は濃い方がいいから、遠縁ではなくダーシーの妹のアイリスの子供をもらうのはどうかな?」
「あぁ、そうね。ポピーはまだ2才よね? 今から引き取れば懐いてくれるわ。アイリスのお腹には二人目がいるし、アイリスの旦那様のロジャーは貴族だけれど次男だから家督を継げないものね」
「そうさ。ロジャーは爵位がないからただの文官だし、子供達はそれほどいい暮らしはできない。養子に迎えてやればきっと嬉しがるはずさ。だけど、お腹の子供のほうがいいな。もちろん性別は産まれてみないとわからないけれど・・・・・・赤子から育てた方が懐くんじゃないかな?」
夫は私に満面の笑みで提案したのだった。

妹夫婦はとても喜び承諾してくれた。まもなく可愛い女の子が生まれ、私はその子にシャーロットと名づけ正式に養女として迎え入れた。それからというもの頻繁にオークリー伯爵家に訪れるようになったアイリスは泊まっていく日も多くなった。

「ロジャーが寂しがるわよ? そんなにオークリー伯爵家に入り浸っていてはいけないわ」
「いいのよ、そんなの。だってシャーロットが心配なのですもの。お姉様は事業で忙しいし昼間は侍女が世話することが多いでしょう? だから私が侍女の代わりにお世話をしたいのよ。私を雇ってもらえないかしら? 文官のお給料だけだときついのよ」

「あぁ、そういうことならわかったわ。この子の子守として雇ってあげるから上の娘のポピーも連れていらっしゃい」
私はそう言いながらロジャーに申し訳ない気がしてたまらなかった。妹の子どもを養女にしたばかりに夫婦仲が悪くなることを危惧していた。

それは案の定的中しアイリスは私の屋敷に居着いてしまうのだった。
「私、離婚したいの。ここに住まわせてほしいわ。シャーロットのお世話をちゃんとしたいから引っ越してきてもいいかしら?」
アイリスは私に懇願し私は隣の敷地にある離れを与えたのだった。

実際アイリスはシャーロットの世話をとても良くしており懐かれていた。シャーロットはアイリスをママと呼び私をお母様と呼ぶようになった。私よりアイリスと一緒に過ごす時間が多いシャーロットは、次第に私に反抗するようになっていった。

「ママは大好きだけれどお母様は厳しすぎるから大嫌い! いちいちうるさすぎだもん」
「あら、まぁ。ふふふ。お姉様、ごめんなさい。子どもって正直よねぇ?」
シャーロットがどんどん我が儘になるので躾けようとしても、アイリスがすぐに口を挟んできて夫と一緒になって私を阻止するので困ってしまう。

「お姉様はシャーロットの本当の母親じゃないからわからないのですわ。だって、この子は私が産んだのですもの!」
そう言われてしまえば、強く言い返すこともできず頭を悩ませていた。

ある日、シャーロットがメイドの子どもに怪我を負わせ少しも反省しないことがあった。厳しくお説教をした私にシャーロットは泣きながら悪態をついた。
「なによ、あんたなんか本当の母親じゃないくせに! ママはあんたを追い出してマイク伯父様と一緒に家族としてこの屋敷に住めればいいのにっていつも言ってるわ! 私が次期女伯爵なんだから、さっさと出て行けばいいのに!」
このように信じられない言葉を私に投げつけたのだった。





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