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天使のような

平凡な日常

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俺は西野李白。
珍しい名前だが、純粋な日本人だ。
それなりに毎日を過ごしている。

「西野、お前三組の中原に告られたんだって?」

この野次馬たらしいのは佐倉。
中学時代からの友達だ。
やたら情報が早い。

「……さぁ」
「その反応は…まさかまた振った?!マジ?」
「なんだよ、お前には関係ないだろ」
「関係はねぇけどさ、中原結構可愛いよなって話してただろ!」
「話してたのはお前だよ!」
「そうだっけ?けどなんで中原もお前なんだろうなー。確かに顔はいいけどさー」

失礼だなこいつ。
貶すか褒めるかどっちかにしろ。

「俺、もう帰るからな」
「マジ?あ、明日空いてる?ミック行こうぜ」
「いいよ。じゃあな」

俺は友人に手を振り、学校を後にした。

「なんで振ったのか…か」

帰り道、ふと佐倉に言われた言葉を思い出した。
確かに、中原さんは男子の間ではよく聞く名前だけど、俺はその話に興味がなくて聞き流してしまっていた。

昔から恋愛というものに興味がわかなかった。
可愛いと思う異性も、性的に興奮を覚える女性も今までいたことがなかった。

健全な男子高校生としては少し問題かもしれないが、それも俺にはどうでもよかった。
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