【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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本編

俺の魔力の話

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翌深夜、今日も遅くまで清掃をしていた。
そしたら、昨日のお客様がまた水差しを持って来た。
神々しい姿に手を合わせて拝んだ俺は悪くない、はず?

「?なにしているの?」

「あまりに神々しいお姿に、思わず拝んでしまいました。」

「そ、そう。」

彼は若干引き気味になった。

「今夜も水をお願い。ところで君の名前は?」

「ユーリ、です。」

「ユーリ。君魔法使えるだろう?」

突然何を言っているんだろう?首を傾げてしまう。

「竈の火起こし程度は使えます。」

「この水は?」

「……井戸からの水です。」

「…今の間は?」

これはわかっていて聞いている顔だ。
綺麗な顔がニヤニヤしても、綺麗だな!

「もう、内緒にしてくださいよ。夜の水汲みは何往復もするのが面倒なので、俺の魔法で出して甕に入れているんです。朝は人目もあるから、きちんと井戸から汲んできますが。あっ、もしかして、俺の出した水って不味いんですか?」

「いや、不味いんじゃなくて、反対に美味いんだ。しかも、治癒力が含まれているのか、昨日この水を飲んで寝たら、途中目が覚めることなく、朝までぐっすり寝れた。しかも怪我をしていた連れ合いも今朝は昨夜より傷が浅くなって治りかけていたんだ。」

「それは良かったです。」

俺に治癒力なんて無いはずだが?と思った。
しかしもうバレてしまったからと、お客様の持っていた水差しに直接水を出して入れた。

「では、おやすみなさいませ。良い夢を。」

「ユ、ユーリ、君はこの宿に借金とかしている?」

「いきなりですねぇ。してませんよ?毎月の給金はきちんともらっていますよ?」

「なら、僕達と旅に出ないか?」

「えっ!嫌です。」

「まさかの即答!しかも拒否!!」

「旅に出ては稼げないではないですか?それに俺、剣も攻撃魔法もできないから、冒険者にもなれなかったし。だから地道に稼いで老後の蓄えをしているのに。」

「今から老後の心配。17、8歳かと思ったけど、実は結構歳いっている?」

「いえ、17歳です。」

「17歳で老後の心配は早くない?」

「いつ何があるかわからないので、蓄えは大事ですよ?」

「なら、給金を出すから!」

「何もできない僕は足手纏いですよ?」

「僕達が守るから!毎日君が水を出すなら、月銀貨50枚出すから!」

「銀貨50枚も!行きます!」

と、大金に連れられて俺は即答してしまった!

銀貨50枚はこの世界では平民4人家族なら1ヶ月余裕で暮らしていける金額だ。
今の僕は銀貨10枚もいかない給金だから、破格の金額なのだ。

美形の話だと、俺が魔法で出す水は治癒力だけでなく、元からある力を更に引き上げる力があるらしい。
もしかしたら、治癒とかだけでなく色々とまだ知られていない魔法が使えるのかもという話だった。


しかし、後悔先に立たずというが、本当にそれだったと気付いた頃は、俺は彼らから離れることはできなかった。




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