【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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本編

俺が飯テロを仕返される話2

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今まで飯テロ小説・マンガで、主人公が飯テロに襲われるモノはあったか?いやない。…断言はできないけど。俺が知らないだけかもしれんから。
しかし、この世界、エル達に厳しいけど、俺にも厳しいな!

王太子殿下と料理長が話し合って、何人か宿に修行に行くことで話がまとまったようだ。料理長が率先して行きそうだけど。
今は俺のストック分でどうにかしてくれ。エルとジークにも寸胴鍋1個ずつは持たせてあるから、旅用は確保済みだ。

料理長達がいなくなると、ベッドの近くの椅子に座り、王太子殿下は真面目な顔をして俺に聞いて来た。

「マリーアン達の処罰について、望むことはあるか?」

「……特にないですね。俺、私の食事を邪魔しやがってこのヤロー!と思っても、重い罰を与えて欲しいとは思わないので。」

「そ、そうか。」

俺の話し方ダメだった?エルは笑っているし、ジークは額に手を置き溜息をついている。

「ユーリ殿がそう言うのであれば、こちらで処罰を決めるが良いか?」

「は、はい。あっ、でも、幽閉とかはやめてください。」

「?何故?」

「まだ若いんだから、しっかり働かせて欲しいです。身体を動かせば、余計なことを考える暇なんてないですし。」

「なるほど。ならそちら方面で考えよう。」

「はい、ありがとうございます。」

「……。」

ジーッと殿下に見つめられる。

「?なんでしょうか?」

「いや、あのような啖呵を切った人物と同一人物だと思えんでな。」

「啖呵?」

「ああ、エルンストとジークハロルドに言っていたではないか。『俺が本当に欲しいなら欲しいと懇願しろよ』と。まるで歌劇を観ているかのように心躍ったぞ。私は其方達は既にそのような関係かと思っていたが、エルンストもジークハロルドも告白すらしてなかったのは思わなかった。確かに告白もお付き合いもしないうちから、身体だけの関係は良くないな……ユーリ殿?顔が赤いが大丈夫か?」

俺は自分でもわかるほど、顔が真っ赤になっている。顔から火が吹きそうだ。
涙目でエルとジークを見ると、気まずそうに目線を明後日の方に向けて、目線を合わそうとしない。
つまりは、それって……。

「みぎゃぁぁぁぁぁ~~~!!!!」

叫んだ直後、俺は布団を被る。
もう恥ずかしくて、恥ずかしかった。
王太子殿下の鼓膜?知らん!それどころではない!
亀のように布団を被った後は、俺はもうその日は布団から出ることはなかった。


城中に響いた俺の叫び声は、城に魔物が出たと勘違いされてちょっとした騒ぎになったと、俺が知ることはなかった。




~部屋の前の廊下にて~

「では、ユーリ殿はあの時言ったことは覚えてなかったと。」

「体調が良くなってから伝えようとしていたんです。」

「もう、殿下のせいで逃げられたら、恨むよ。」

「いやいや、いつまでも告白もしない其方達が悪いのでは?」

「こっちにも事情ってものがあるんですよ。」

「事情とやらはわからんが、身体だけの関係は良くないぞ。しかし、あれだけの啖呵を其方達に切れるのは、ユーリ殿くらいしかおるまい。大事にしたら良い。」

と、王太子殿下は仕事へと戻って行った。

『言われなくてわかっている』とエルもジークも思った。でも、大切なモノはいつだってこの手から零れ落ちる。だったら、最初から大切なモノを作らない方が良い。

そんな2人だが、ユーリだけは本当に欲しかった。
独占欲、執着、支配欲と、ユーリにそんな感情を抱いていた。
でも、そんな感情をユーリに向けたらいなくなってしまうのでは、いなくなることの恐怖心が優った。
だから、隠していたのに。

「エル、どうする?」

「また、料理長のところに行って、違う料理頼んでくるわ。」

「俺は、今日はもう魔力足りないから、よろしく。」

「はいはい。」

どちらにせよ、ユーリが布団から出てこないと話ができないし。



「しかし、あの叫び声。」

「ないよね。」

「「みぎゃぁぁぁ、は。」」





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