【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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本編

俺が2人の本音を聞く話2

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ジークはまだ何も言わない。
ただ沈黙の時が過ぎる。
エルもジークを急かすことはない。
この場に時計があったら、秒針の音だけが聞こえるくらいに静かだ。

ジークは決心がついたのか、冷めたお茶を一気に飲み干し、カップをソーサーに置く。

「俺は、自分の感情がわからないと思っていた。ヴォルフだった時もわからなかったと思う。俺がわかるのは、エルを守らなくてはいけないって想いだけで、あと他はどうでも良かった。」

ジークがエルを見つめる。

「エルは、俺の想いを知っていながら、肝心なところは頼ってくれないくせに、でも俺が『一番頼れる』なんて言う。離れようと思っても離してくれないし、かと言って、死にそうな時はさっさと手を離して自分を犠牲にする。」

おおぅ、ジークが愚痴を言い出したよ。
だいぶ溜まっていたんだなぁ。

「今世も真っ先に俺を見つけてきやがって。でも、俺は、エルが大事だから、一緒にいることを選んだ。そしたら、エルがユーリを連れてきた。エルが言う治癒力がどんなモノかと思っていたが、中々効果はあって使えると思った。だけど、ユーリといるとエルが笑うんだ。俺といても必要なこと以外あまり喋らないエルが与太話して、笑うんだよ。俺ができなかったことをあっさりとユーリがやり遂げるんだ。久しぶりに悔しいって気持ちになった。ユーリが俺達を恋人だと勘違いした時、本当に腹が立った。エルを笑顔にしてやれないのに、泣かすことしかできないのに、何が恋人だ!」

ジークがカップを持ってお茶を飲もうとしたが、なかったことに気づき、カップを戻した。
俺はポットから紅茶を注いだ。放置しちゃったから、冷めて、渋みも出ているだろうが、今は茶葉を変えるのがめんどくさい。
ジークはまたぐいっと飲む。
カップを置くと、また話し始めた。

「ユーリを酷く抱いて、泣かせてやれば、痛い目にあえば、エルから離れてくれるって思った。…でも、違った。ユーリはきちんと俺に抱かれる覚悟をしてくれていた。俺のやり場のない気持ちを丸ごと受け入れてくれた。…ユーリに思い知らされた。俺はエルを守るって言っていても、エルの剣にも盾にもなる覚悟がなかったと。反対に俺が慰められていたと気がついた。それからは、ユーリが気になりだした。…初めてエルに嫉妬した。エルとユーリは何か話している時はいつも2人が笑い合っているから。その笑顔を俺にも向けて欲しいって。」

はぁと、ジークは一息つく。

「この気持ちが好きだとか、恋だとかいうなら、俺はユーリが好きだと思う。抱きたいと思ったのもユーリだけだ。俺は、エルを守りたい。エルの隣に立ちたいんだ。けれど、ユーリも守りたい気持ちもある。ユーリをこの手で守りたいんだ。俺には、エルもユーリも2人とも大事な存在なんだ。…ユーリが赦すなら、丸ごと俺にくれ。俺はユーリの全てが欲しいんだ。」

「…やっと言えたね。俺に全てをくれるなら、あげるよ、バカジーク。」

「バカはないだろ。」

「だってエルはちゃんと素直に言ってくれたよ。ジークは変なとこで捻くれているから。」

「だねぇ。」

「話の内容からいくと、エルが捻くれさせた元凶っぽいけど。」

「……そう?」

「そうそう。」

ジークもうんうんと頷く。

「まっ、気にしない気にしない。」

「もう、エルはすぐになかったことにするんだから。…2人の告白もちゃんと聞いたし、夜も遅いから、今日はもう寝よう。」

「…ユーリは初心者だが、2人相手はキツくないか?」

「ジーク、おまえの頭は肉とエロしか入っていないの?」

「えろ?」

「セックス。性交。交尾。」

「寝ると言ったから。」

「寝ると言ったら眠るの。睡眠。」

「…エル。」

「僕も疲れたから、今日は寝るよ。」

エルと俺はベッドに入って、さっさと寝た。
がっくりと肩を落とすジークになんて、構ってられるか。



ジークよ、俺はちゃんと待ったぞ。おまえも同じくらい待たされてみろ!










ーーーーーーーーーー

本音編は、長台詞が続きました。
読みにくいかと思いましたが、これで投稿させていただきました。



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