45 / 120
本編
俺との繋がりかたの話
しおりを挟む
ジークが戻って来た時には、俺たちは寝ていた。エルと一緒にお昼寝タイム。
だって眠たかったんだもん。
エルと2人きりは久しぶりだった。
エルに思い切って聞いてみた。
『俺を抱きたいのか』って。
エルは、『抱きたいより抱かれたい』って言っていた。誰に対しても性欲は湧かないそうで。もちろん俺に対してもだ。
ジークに抱かれていたのも泣きたかったから。怒らせて、手荒に扱って、泣かして欲しかったそうで。
なら、キスの時に俺の尻を揉んでいたのは、なんで?
俺相手なら勃つかと思って触っていたらしい。勃たなかったが。
あれ?ジークに抱かられた翌日、俺を抱こうとしてなかった?
あれはジークの当て付けだったらしい。
エルは、本当に物事をややこしくする天才だな!いや、褒めてねぇ!
そういう俺も性欲はあまりない。前世女性を抱いたのも、両手もない回数だ。
食欲、いや料理欲が強かったからかな?
『仕事と私、どっちが大事なの?』って聞かれたら、迷わず『仕事』と答えて、振られたし。金なきゃ生活できんじゃん。
俺がエルに欲情したら抱かせて欲しいけど、そんな日がいつ来るのかわからんし。
そんな俺だから、今は体の繋がりより、心の繋がりを求めているエルには丁度良いのかもしれない。
エルは、『ジークは今夜あたり爆発しそうだから頑張って』と俺に言った。『僕は、今夜は別の部屋に行くね』とも。
『エルはそれでいいの?』って聞いたら、『ユーリがいるから、もうジークと寝なくてすむんだよ。我ながら、酷いことをジークにさせていたよ』って、笑っていた。
エルは泣き場所を求め、ジークはエルに対して色々な感情をぶつけていた。
2人が、心を傷つけ合う肉体関係でなくなって良かった。心の傷は中々癒えないから。
ジークを待ちながら、話をしたり、キスしたり、ゆったりと過ごす。
こういう何気ない穏やかな時間が、エルと俺の心を繋げていく。
いつの間にか、エルと抱きしめ合いながら寝てしまった。
「だから、疲れて寝ちゃったの。ごめんってば。」
「………。」
俺とエルが抱き合ってお昼寝をしていたから、ジークは盛大に拗ねていた。
魔物を狩りに行かせておいて寝ちゃったのは悪いと思うけど、ハヤシライスの肉だけ食べるのはやめて?ちゃんとルーがかかっているごはんも食べて?
「もう、どうしたら許してくれるの?」
「…エル。」
やっぱりそういう流れにする気なのね。
エルも俺も呆れた。
「ダメだよ、ジーク。僕が言えた義理ではないけど、すぐにそっち方面で、なあなあにするのはダメだよ。ちゃんとユーリのご飯は食べて。それからユーリの話を聞いて。僕もユーリも疲れて寝ちゃっただけだよ。ちゃんとジークを待っていたから、今一緒にご飯を食べているんだよ?」
「…エルが言うなら。」
渋々といった感じで食べ始めた。
変なところでエルには素直なんだよな。
俺にも素直なところを見せろや!
ハヤシライスは美味くできたようで、食堂でも好評だったと、食器を下げに行った時に聞いた。
ヨシュア他、城の料理人達は、ブイヨンを中堅料理人から習っていた。
本当に探究心がすごい!旅の疲れなんてどこに行ったのやら。
身体を休めるのも、仕事なんだけど、聞かないんだろうな。
部屋に戻れば、ジークしかいなかった。
エルは宣言通りにどこかに行ったみたい。
ジークはソファに座り、お酒を呑んでいた。
「エルは?」
「呑みに出た。」
「そう。…ジーク、隣に座ってもいい。」
「…ああ。」
ソファに座っているジークの隣に、俺が座る。
ジークの空いている手の甲に、俺の掌を乗せる。
「何に苛ついているの?」
「…わからない。」
「…わからない、かぁ。ねぇ、『俺が欲しい』って言っていたけど、それは身体だけ?」
「……いや、違う、と思う。」
「ジークはさ、こうして言葉にしないと自分の感情がわからないままだよ。ジーク自身がわからないのに、違う人間の俺なんてもっとわからないんだよ。」
俺の指をジークの指に絡ませながら話す。
だって眠たかったんだもん。
エルと2人きりは久しぶりだった。
エルに思い切って聞いてみた。
『俺を抱きたいのか』って。
エルは、『抱きたいより抱かれたい』って言っていた。誰に対しても性欲は湧かないそうで。もちろん俺に対してもだ。
ジークに抱かれていたのも泣きたかったから。怒らせて、手荒に扱って、泣かして欲しかったそうで。
なら、キスの時に俺の尻を揉んでいたのは、なんで?
俺相手なら勃つかと思って触っていたらしい。勃たなかったが。
あれ?ジークに抱かられた翌日、俺を抱こうとしてなかった?
あれはジークの当て付けだったらしい。
エルは、本当に物事をややこしくする天才だな!いや、褒めてねぇ!
そういう俺も性欲はあまりない。前世女性を抱いたのも、両手もない回数だ。
食欲、いや料理欲が強かったからかな?
『仕事と私、どっちが大事なの?』って聞かれたら、迷わず『仕事』と答えて、振られたし。金なきゃ生活できんじゃん。
俺がエルに欲情したら抱かせて欲しいけど、そんな日がいつ来るのかわからんし。
そんな俺だから、今は体の繋がりより、心の繋がりを求めているエルには丁度良いのかもしれない。
エルは、『ジークは今夜あたり爆発しそうだから頑張って』と俺に言った。『僕は、今夜は別の部屋に行くね』とも。
『エルはそれでいいの?』って聞いたら、『ユーリがいるから、もうジークと寝なくてすむんだよ。我ながら、酷いことをジークにさせていたよ』って、笑っていた。
エルは泣き場所を求め、ジークはエルに対して色々な感情をぶつけていた。
2人が、心を傷つけ合う肉体関係でなくなって良かった。心の傷は中々癒えないから。
ジークを待ちながら、話をしたり、キスしたり、ゆったりと過ごす。
こういう何気ない穏やかな時間が、エルと俺の心を繋げていく。
いつの間にか、エルと抱きしめ合いながら寝てしまった。
「だから、疲れて寝ちゃったの。ごめんってば。」
「………。」
俺とエルが抱き合ってお昼寝をしていたから、ジークは盛大に拗ねていた。
魔物を狩りに行かせておいて寝ちゃったのは悪いと思うけど、ハヤシライスの肉だけ食べるのはやめて?ちゃんとルーがかかっているごはんも食べて?
「もう、どうしたら許してくれるの?」
「…エル。」
やっぱりそういう流れにする気なのね。
エルも俺も呆れた。
「ダメだよ、ジーク。僕が言えた義理ではないけど、すぐにそっち方面で、なあなあにするのはダメだよ。ちゃんとユーリのご飯は食べて。それからユーリの話を聞いて。僕もユーリも疲れて寝ちゃっただけだよ。ちゃんとジークを待っていたから、今一緒にご飯を食べているんだよ?」
「…エルが言うなら。」
渋々といった感じで食べ始めた。
変なところでエルには素直なんだよな。
俺にも素直なところを見せろや!
ハヤシライスは美味くできたようで、食堂でも好評だったと、食器を下げに行った時に聞いた。
ヨシュア他、城の料理人達は、ブイヨンを中堅料理人から習っていた。
本当に探究心がすごい!旅の疲れなんてどこに行ったのやら。
身体を休めるのも、仕事なんだけど、聞かないんだろうな。
部屋に戻れば、ジークしかいなかった。
エルは宣言通りにどこかに行ったみたい。
ジークはソファに座り、お酒を呑んでいた。
「エルは?」
「呑みに出た。」
「そう。…ジーク、隣に座ってもいい。」
「…ああ。」
ソファに座っているジークの隣に、俺が座る。
ジークの空いている手の甲に、俺の掌を乗せる。
「何に苛ついているの?」
「…わからない。」
「…わからない、かぁ。ねぇ、『俺が欲しい』って言っていたけど、それは身体だけ?」
「……いや、違う、と思う。」
「ジークはさ、こうして言葉にしないと自分の感情がわからないままだよ。ジーク自身がわからないのに、違う人間の俺なんてもっとわからないんだよ。」
俺の指をジークの指に絡ませながら話す。
220
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
【完結】義妹(いもうと)を応援してたら、俺が騎士に溺愛されました
未希かずは(Miki)
BL
第13回BL大賞 奨励賞 受賞しました。
皆さまありがとうございます。
「ねえ、私だけを見て」
これは受けを愛しすぎて様子のおかしい攻めのフィンと、攻めが気になる受けエリゼオの恋のお話です。
エリゼオは母の再婚により、義妹(いもうと)ができた。彼には前世の記憶があり、その前世の後悔から、エリゼオは今度こそ義妹を守ると誓う。そこに現れた一人の騎士、フィン。彼は何と、義妹と両想いらしい。まだ付き合えていない義妹とフィンの恋を応援しようとするエリゼオ。けれどフィンの優しさに触れ、気付けば自分がフィンを好きになってしまった。
「この恋、早く諦めなくちゃ……」
本人の思いとはうらはらに、フィンはエリゼオを放っておかない。
この恋、どうなる!? じれキュン転生ファンタジー。ハピエンです。
番外編。
リナルド×ガルディア。王族と近衞騎士の恋。
――忠誠を誓った相手を、愛してはいけないと思っていた。切ない身分差、年の差の恋。恋の自覚は、相手が成人してからになります。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる