【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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本編

俺との繋がりかたの話

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ジークが戻って来た時には、俺たちは寝ていた。エルと一緒にお昼寝タイム。
だって眠たかったんだもん。

エルと2人きりは久しぶりだった。
エルに思い切って聞いてみた。
『俺を抱きたいのか』って。
エルは、『抱きたいより抱かれたい』って言っていた。誰に対しても性欲は湧かないそうで。もちろん俺に対してもだ。
ジークに抱かれていたのも泣きたかったから。怒らせて、手荒に扱って、泣かして欲しかったそうで。
なら、キスの時に俺の尻を揉んでいたのは、なんで?
俺相手なら勃つかと思って触っていたらしい。勃たなかったが。
あれ?ジークに抱かられた翌日、俺を抱こうとしてなかった?
あれはジークの当て付けだったらしい。
エルは、本当に物事をややこしくする天才だな!いや、褒めてねぇ!

そういう俺も性欲はあまりない。前世女性を抱いたのも、両手もない回数だ。
食欲、いや料理欲が強かったからかな?
『仕事と私、どっちが大事なの?』って聞かれたら、迷わず『仕事』と答えて、振られたし。金なきゃ生活できんじゃん。
俺がエルに欲情したら抱かせて欲しいけど、そんな日がいつ来るのかわからんし。
そんな俺だから、今は体の繋がりより、心の繋がりを求めているエルには丁度良いのかもしれない。

エルは、『ジークは今夜あたり爆発しそうだから頑張って』と俺に言った。『僕は、今夜は別の部屋に行くね』とも。
『エルはそれでいいの?』って聞いたら、『ユーリがいるから、もうジークと寝なくてすむんだよ。我ながら、酷いことをジークにさせていたよ』って、笑っていた。
エルは泣き場所を求め、ジークはエルに対して色々な感情をぶつけていた。
2人が、心を傷つけ合う肉体関係でなくなって良かった。心の傷は中々癒えないから。

ジークを待ちながら、話をしたり、キスしたり、ゆったりと過ごす。
こういう何気ない穏やかな時間が、エルと俺の心を繋げていく。
いつの間にか、エルと抱きしめ合いながら寝てしまった。



「だから、疲れて寝ちゃったの。ごめんってば。」

「………。」

俺とエルが抱き合ってお昼寝をしていたから、ジークは盛大に拗ねていた。
魔物を狩りに行かせておいて寝ちゃったのは悪いと思うけど、ハヤシライスの肉だけ食べるのはやめて?ちゃんとルーがかかっているごはんも食べて?

「もう、どうしたら許してくれるの?」

「…エル。」

やっぱりそういう流れにする気なのね。
エルも俺も呆れた。

「ダメだよ、ジーク。僕が言えた義理ではないけど、すぐにそっち方面で、なあなあにするのはダメだよ。ちゃんとユーリのご飯は食べて。それからユーリの話を聞いて。僕もユーリも疲れて寝ちゃっただけだよ。ちゃんとジークを待っていたから、今一緒にご飯を食べているんだよ?」

「…エルが言うなら。」

渋々といった感じで食べ始めた。
変なところでエルには素直なんだよな。
俺にも素直なところを見せろや!



ハヤシライスは美味くできたようで、食堂でも好評だったと、食器を下げに行った時に聞いた。
ヨシュア他、城の料理人達は、ブイヨンを中堅料理人から習っていた。
本当に探究心がすごい!旅の疲れなんてどこに行ったのやら。
身体を休めるのも、仕事なんだけど、聞かないんだろうな。



部屋に戻れば、ジークしかいなかった。
エルは宣言通りにどこかに行ったみたい。
ジークはソファに座り、お酒を呑んでいた。

「エルは?」

「呑みに出た。」

「そう。…ジーク、隣に座ってもいい。」

「…ああ。」

ソファに座っているジークの隣に、俺が座る。
ジークの空いている手の甲に、俺の掌を乗せる。

「何に苛ついているの?」

「…わからない。」

「…わからない、かぁ。ねぇ、『俺が欲しい』って言っていたけど、それは身体だけ?」

「……いや、違う、と思う。」

「ジークはさ、こうして言葉にしないと自分の感情がわからないままだよ。ジーク自身がわからないのに、違う人間の俺なんてもっとわからないんだよ。」

俺の指をジークの指に絡ませながら話す。








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