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本編
エル達の偽物が出た話
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翌朝、部屋中臭かった。酒とニンニクの匂いが充満している。
誰か歯を磨かなかったらしい。
エルとジークが磨いてなかったら、今日はキスはしないぞ。
ベッドから降りようとしたら、ジークに羽交締めにされていた。
シングルベッドなのに、更に狭くさせやがって。
頑張って抜け出して窓を開ける。夜明け前で風がまだ冷たい。でも、澄んだ空気はどこか気持ちが良い。
日が少し昇った頃に、呑んべぇどもを起すかな。
ロドリーとジークが牧場で玉子と牛乳、俺とエルで市場へ二手に分かれた。
エルが一番アイテムボックスに余裕があったから、俺と市場に行くと決まっただが、ジークは面白くないらしい。
そんなジークの首根っこを掴んで、引き摺っていくロドリーは頼もしい。
「なんか思ったより、食材がないね。」
「直接農家に行った方がいいかな?」
見て回ってみるが、玉ねぎ、にんじんはあるが、葉物野菜がほぼなかった。
店先でどうしようかと、エルと相談していたら、店の人に話しかけられた。
「あんたら何を買いに来たの?」
「野菜です。」
「野菜なら、3日後に領主様がパーティーを開くとかで、ほとんどそっちにいっているのよ。」
「パーティー?」
「なんか勇者様をお招きしたとか?今は領主館で贅沢三昧らしいわよ?」
『今は~』のくだりから、小声で教えてくれた。
俺とエルは顔を見合わせる。
エル達は顔は派手だが、派手な行動はしていない。まして、勇者とは自ら名乗ったことは一度もない。
「勇者なんて初めて聞きました。」
「あんた達他所から来たのかい?」
「ええ、隣国から。昨日着いたばかりです。」
「なら、気をつけた方がいいわよ?勇者様一行は、見目の良い者がいると召し上げろって言ってくるって聞いたわ。そうね、お兄さんは言われそうね?」
お店の人はエルの心配をしてくれている。
「会わないように気をつけますよ。ところで、旅の食糧を、と思ったのですが、隣の街まで行かないとないですか?」
「そうね、ここ近隣は勇者様のためにって、領主が取り上げているから、ないかもよ?あれだったら、早目に街を出た方がいいわよ?」
「そうですか。ありがとうございました。」
と、俺たちは3日程度の必要分だけ購入して、その場から離れた。
宿に戻ると、ジーク達が帰って来ていた。
「玉子はなかったが、牛乳は買って来た。ロドリーが魔物を狩って来たぞ。」
「ジーク、ロドリーさん、ありがとう。…玉子売ってなかったの?」
「なんか、領主に納めないといけないとかで。」
「ああ、『勇者様』だね。」
「?なんだそれ?」
「僕たちの偽物が、領主館にいるらしいよ?」
「「へぇ。」」
ジークもロドリーも顔は笑っているが、目が笑っていない。
「思ったんだけど、勇者の証ってあるの?転生しているだけで勇者になんかなれないじゃない?」
「証?あったか?」
と、ロドリーがエル達に聞く。
「いや、ないな。」
「ないね。」
「強いってだけだと証明が難しいしね。」
「証ってわけじゃないけど、僕だけほぼ毎回皇国の第二皇子で生まれんだよね。ジーク達は毎回生まれは違うのに。メイジーとあとその前の前の…と、覚えていないけど、2、3回くらいかしか、皇子以外がないな。」
「……そう言えば。」
「そうだったな。」
「いや、それは呪いのせいだから。だって魔王は、皇国の第一皇子だったんだから。」
「「「はああぁぁぁ??!!」」」
「うるさっ!って言うか、覚えてないの?」
「……覚えていない。」
「…マジか。」
どうやら、原初のことは全く忘れてしまっているらしい。
エルが忘れてしまっているなら、ジークもロドリーも忘れているよな。
俺は、番外編の話をする羽目になった。
誰か歯を磨かなかったらしい。
エルとジークが磨いてなかったら、今日はキスはしないぞ。
ベッドから降りようとしたら、ジークに羽交締めにされていた。
シングルベッドなのに、更に狭くさせやがって。
頑張って抜け出して窓を開ける。夜明け前で風がまだ冷たい。でも、澄んだ空気はどこか気持ちが良い。
日が少し昇った頃に、呑んべぇどもを起すかな。
ロドリーとジークが牧場で玉子と牛乳、俺とエルで市場へ二手に分かれた。
エルが一番アイテムボックスに余裕があったから、俺と市場に行くと決まっただが、ジークは面白くないらしい。
そんなジークの首根っこを掴んで、引き摺っていくロドリーは頼もしい。
「なんか思ったより、食材がないね。」
「直接農家に行った方がいいかな?」
見て回ってみるが、玉ねぎ、にんじんはあるが、葉物野菜がほぼなかった。
店先でどうしようかと、エルと相談していたら、店の人に話しかけられた。
「あんたら何を買いに来たの?」
「野菜です。」
「野菜なら、3日後に領主様がパーティーを開くとかで、ほとんどそっちにいっているのよ。」
「パーティー?」
「なんか勇者様をお招きしたとか?今は領主館で贅沢三昧らしいわよ?」
『今は~』のくだりから、小声で教えてくれた。
俺とエルは顔を見合わせる。
エル達は顔は派手だが、派手な行動はしていない。まして、勇者とは自ら名乗ったことは一度もない。
「勇者なんて初めて聞きました。」
「あんた達他所から来たのかい?」
「ええ、隣国から。昨日着いたばかりです。」
「なら、気をつけた方がいいわよ?勇者様一行は、見目の良い者がいると召し上げろって言ってくるって聞いたわ。そうね、お兄さんは言われそうね?」
お店の人はエルの心配をしてくれている。
「会わないように気をつけますよ。ところで、旅の食糧を、と思ったのですが、隣の街まで行かないとないですか?」
「そうね、ここ近隣は勇者様のためにって、領主が取り上げているから、ないかもよ?あれだったら、早目に街を出た方がいいわよ?」
「そうですか。ありがとうございました。」
と、俺たちは3日程度の必要分だけ購入して、その場から離れた。
宿に戻ると、ジーク達が帰って来ていた。
「玉子はなかったが、牛乳は買って来た。ロドリーが魔物を狩って来たぞ。」
「ジーク、ロドリーさん、ありがとう。…玉子売ってなかったの?」
「なんか、領主に納めないといけないとかで。」
「ああ、『勇者様』だね。」
「?なんだそれ?」
「僕たちの偽物が、領主館にいるらしいよ?」
「「へぇ。」」
ジークもロドリーも顔は笑っているが、目が笑っていない。
「思ったんだけど、勇者の証ってあるの?転生しているだけで勇者になんかなれないじゃない?」
「証?あったか?」
と、ロドリーがエル達に聞く。
「いや、ないな。」
「ないね。」
「強いってだけだと証明が難しいしね。」
「証ってわけじゃないけど、僕だけほぼ毎回皇国の第二皇子で生まれんだよね。ジーク達は毎回生まれは違うのに。メイジーとあとその前の前の…と、覚えていないけど、2、3回くらいかしか、皇子以外がないな。」
「……そう言えば。」
「そうだったな。」
「いや、それは呪いのせいだから。だって魔王は、皇国の第一皇子だったんだから。」
「「「はああぁぁぁ??!!」」」
「うるさっ!って言うか、覚えてないの?」
「……覚えていない。」
「…マジか。」
どうやら、原初のことは全く忘れてしまっているらしい。
エルが忘れてしまっているなら、ジークもロドリーも忘れているよな。
俺は、番外編の話をする羽目になった。
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