【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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本編

俺が大根を見つけた話

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宿を出る時に旦那さんのご好意で食材を少し融通してもらった。有り難い!
旦那さんの作る料理で、宿の経営を頑張って欲しい。

更に馬に乗って2日目の昼に王都に着いた。普通なら5日はかかるらしい。魔馬達は本当に3倍速かった。

「王都で何するの?」

俺の後で馬の手綱を握るエルに聞く。

「この国の王様に会わなきゃだから。一応挨拶しないとでね。」

「はあ、エル達も大変だね?」

「ユーリもだよ?」

「…なんで?」

「勇者一行に含まれているでしょ?うちの大事な料理人だよ?」

「…なんだか、胃が痛くなってきた。俺庶民だよ。」

「あっちの国の王様と仲良くなったじゃない。」

「王様はいいの。料理褒めてくれたし、話がわかるし、…それにエル達を心配してくれていたし。」

「ここもそうだといいね。」

「うん。」




エルとジークが城の門で受付をしている。
傍ら見ているだけの俺とロドリー。

「ここはどんな食材があんだろ?」

「からあげ食べてぇな。」

「そんなに気に入ったの?」

「ユーリのメシはどれも美味いが、最初に食べたあれは忘れないぞ。」

「大量の油が手に入ったらね。野営では、作れないし。」

「…かみさんでもできるかな?」

「全部終わったら、教えに行くよ。」

「そうしたら、うちの近くに住め!エル達とユーリが近くにいたら、毎日が楽しいだろうな。」

「毎日来る気かよ?仕事しろよ、お父さん。」

「ははっ。お父さんか。早く会いたいな。」

「うん。お父さんはすごいんだぞ!って自慢しなきゃ。…エル達が戻ってくるよ。」

「受付終わったかな?」

でも様子が変で、怒っているように見える。

「ダメだ。話にならん。」

と、ジークが言う。

「食材買ったら、ここ出よう!」

と、エルが怒っていた。
エルが怒るなんて珍しい。

市場に行き、片っ端から必要なものを買って行く。肉はいらないけど、野菜は欲しい。王都だけあって色んな野菜があった。
てか、大根発見!今世初めての大根!
嬉しくなった俺は、10本ほど購入した。
大根おろし、ふろふき大根、おでん…鰹節ないんでした。でも、ちゃんと美味しく調理するから!
あと、北へ向かうから、防寒着や手袋、ブーツなんかも新たに買う。
野営の時に使う寝袋も防寒用を選ぶ。

「大体こんなところかな。」

「あと必要なものはないな。」

「もう夕方だし、一泊してから出よう。王都の門も閉まるだろし。」

「そうだね。」




その日は、冒険者ギルドの宿泊施設を借りることにした。
厨房はなく、一口コンロの備え付けキッチンがあったので、ご飯を先に炊いて、肉を焼く。表面が焼けたら、コンロから下ろしフライパンに蓋をして、余熱で中まで火を通す。どんぶりにご飯をよそい、肉をのせる。大根おろしを乗せ、ニンニク醤油をかけたら、ステーキ丼の完成!
多分ここでも大食いが発揮されるから、おかわり用の肉も焼いておく。

食事をしながらエルに聞く。

「何をそんな怒っていたの?」

「……。」

エルはガツガツ食べて答えてくれない。
代わりにジークが答えてくれた。

「門番がな、皇国の皇子って信用しなくてな。証明代わりの短剣を出したんだが、盗んだものだろうと、言い出してな。」

「王族、貴族の短剣の話は学校で習ったよ。魔石が嵌っていて、それを何かの装置で判別するんでしょ?その血統しか持ち歩けないとも教えられたよ。」

「そうなんだがな。門番があの調子なら、上もそうだろう。明日は早めに出よう。」

ロドリーも関わらない方がいいと判断したようだ。
平民でも知っていることを門番が知らないわけはないもんな。

その日はエルにぎゅうぎゅうに抱かれて寝ることになった。
エルよ、怒っているのはわかるけど、俺の扱いは優しくしてくれ。






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