【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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本編

俺と北の国の話2

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皇帝の器の小ささに、エルと王様には同情する。でも、そんなこと俺には関係ない。

「それは、皇国にきっちり文句言ってやればいいじゃん。プロパガンダでも、交易停止でも好きにやっちゃえばいいじゃん。」

「ぷろ、ぱ?」

「プロパガンダ。宣伝という意味だけど、戦略的に使われる宣伝ていう意味合いが強いかな。例えば、皇国の周辺国で北の国の派遣拒否は、恋に破れた器の小さな皇帝の嫌がらせって噂を流したら、どうなる?」

「まぁ、民衆に笑われるな。」

「国の8割は平民だよ?しかも周辺国の民が言っているのを皇国の民が聞いたら?」

「そんな皇帝の民じゃ恥ずかしいな。……あっ!!」

「ジーク、わかった?」

俺はニヤっとしながら聞いてみる。
『うわぁ』とちょっと引き気味のジーク。

「何々?わからんぞ?」

「我にもわからん。」

「ユーリ、…えげつないね。」

と言うエルも笑顔が黒い。

「いやん、エルに褒められちゃった。リリーはわかったよね?」

「うん!ユーリさん頭いいね。」

「情報社会で生き抜くためには、これくらい頭を使わないと集客できなかったからね。」

他の店を貶める行為はしてないが、人気店のHPホームページとかは参考にさせてもらっていたよ。いかにお客様が喜んでもらえる料理を魅せられるか、試行錯誤したよ。
SNSのインフルエンサーの人が訪れただけで、売上なんか全然違うんだから。
ロドリーと王様たちはまだわからないでいた。でも、部下の1人が気が付いた。

「あの、つまり、皇国の民を皇国から引き離していくことが目的でしょうか?国民がいなくなれば、税が入りませんので、国は成り立たなくなりますから。」

「正解!まぁ極論だけどね。でも皇帝の良い噂って聞かないから、徐々に離れていくだろうね。当たった君には賞品をあげよう。」

アイテムボックスから油紙に包んだベニエを取り出し渡す。

「甘いお菓子だから、休憩時間にどうぞ。」

「ありがとうございます!」

部下は嬉しそうに貰ってくれた。
ロドリーは呆れた声で言ってきた。

「ユーリ、すげぇこと考えるのな。」

「だから、これくらい考えるのが普通なの。思考停止させていたら、美味しいものなんて作れないでしょ?では、帰ろうか。」

「待て待て待て!」

と言ったのは王様で。『待て』が多いよ。
皇国を遣り込める案を1つ出したんだから帰らせてほしい。

「…我が悪かった。どうか、どうかこの国を助けて欲しい。」

と頭を下げてきた。
どういう心境の変化かわからんけど、最初の横柄な態度ではなくなった。

「ユーリ、どうする?」

「料理人を今後バカにすることがなければ、許してもいいよ。てかさぁ、従者扱いならまだしも、奴隷扱いなんだよ。奴隷扱いされて美味いメシなんて作れるわけないじゃん!バカなのか、この国は!って思っていたんだよ。あっ、エル、俺、不敬で捕まる?」

「いや僕も思っていたよ。料理の大切さはユーリが教えてくれたしね。」

うんうんとジークたちも頷く。

「わかった。周知させていく。」

「じゃあ、あとはエル達の仕事だね。」

と、俺は部屋を出ようとする。

「ちょっと待て。ユーリ、どこへ行こうとしている?」

ジークに止められる。

「みんな仕事をするなら、俺は俺の仕事をしに行くよ。」

「なら、ロドリーぐらい連れていけ!一人で出歩くな!」

「ロドリーさんいないと困らない?」

「「まったく。」」

「俺は頭を使うのは苦手だからな。」

本人がいいならいいけど。
城の人の案内で俺とロドリーは厨房へ向かった。
リリーはエル達とお話し合いの場に残した。厨房がどんな場所かわからないうちは、連れていけないからね。 


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