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本編
俺と北の国の話7
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北の国に来て早2週間。
俺、もう料理長辞めたい。忙し過ぎる。
料理をあまり作っている時間がない。
エル達も俺の料理でないからか、食が細くなっている。それでも人の2倍は食べているがな。
「ねぇ、宰相さんや、俺料理長辞めたい。料理だけ作りたい。」
「そう言われましても、まだ後継者がいませんし。」
「料理長の募集はしてないの?」
「面接で落としています。まず野菜の見分けもつかない者ばかりで。」
「パン焼いて、肉を焼いて終わりだからな、この国は。」
「それはもう申し訳ないと言うしかないです。ユーリさんが来るまで、こんな美味しい料理なんて食べたことなかったですよ。」
今日はリリーの為にタルトタタンを作った。最近リリーまで元気がないらしい。残りを交渉に頑張っている宰相にお裾分けした。
今王都では、城のごはんが美味いと評判になっているらしい。しかし食べたいけど、誰も作れない。なら学べばいいじゃないかと思うが、誰も学ぶ気はない。
で、指導やら手配で色々と忙しい。
「第一、俺、エル達の料理人だよ?城から給金もらってないよ。」
「きちんと振り込みますよ?」
「それに肝心のご主人様の料理が作れなくて、エル達機嫌が悪いし。」
「…そこなんですよね。この国って脳筋か怠惰の方が多くて。」
「本当に。言わなくちゃ動いてくれないのばかりで。…宰相さんって生まれは違うの?」
「いえ、この国ですよ。」
「みんな宰相さんみたいになってくれたら、楽なのに。」
「私も、私があと3人欲しいです。」
「「はぁぁ。」」
と、王様の執務室で応接用ソファに座っている俺たちは愚痴を言い合っていた。王様は、立派な椅子に座り、小さくなって俺たちの愚痴を聞きながら、タルトタタンを食べている。
ちなみに俺の隣にはジークがいる。今は俺の護衛をしてくれている。
「ユーリ、俺の分は?」
「あとでみんなで食べよ。」
「わかった。」
「後継者か。一朝一夕で人は育てられないしな。…あっ、ジーク、あの宿から何人か派遣て出来ないかな?」
「無理だな。料理長が離さない。」
「タハルかヨシュアがいれば楽できるんだけど。」
「王も支配人も離さんだろ。」
「あのくらい料理に情熱を持っている人って、この国にいなさそうだしな。食材も乏しいけど、人材にも乏しいな。」
俺の言葉は、王様と宰相の胸を抉ったのは、言わずもがなである。
その後、リリーの部屋にみんなが集合してタルトタタンを食べる。
「リリー、最近元気ないね。どうしたの?」
「…あのね、…ううん、…何でもない。」
「俺には言えない?…そうか、リリーもこうして大人になっていくんだよね。寂しいなぁ。」
「……。」
何も言ってくれないリリーはお茶を飲もうと腕を伸ばした時に、袖に隠れていた部分がチラッと見えた。
「リリー!」
いきなり激昂した俺にみんなが驚く。
今までユーリがリリーに対して怒ったことはなかったから。
「ユ、ユーリさん?」
「リリー、誰にやられた?」
リリーはハッと気付き、反対の手で傷が見えた手首を押さえる。
「……。」
「言いたくないなら言わなくてもいい。でもね、こんなことするのは間違っているし、黙っているのは相手を増長させるだけだ。リリー、前とは違うんだ。今はちゃんと助けてくれるみんながいるんだよ。『助けて』って言っていいんだよ。」
「ままぁ~!」
リリーはうわーんと泣きながら、俺の胸に飛び込んで来た。
俺は優しく優しくリリーの頭を撫でる。
エルがリリーの腕を確認したら、鞭で打たれたあとが幾つもあった。
「ジーク、パパの仕事してきて。」
「ああ。」
流石にジークも怒っている。俺がゆっくりとリリーの傷を癒やしたのに、また傷をつけられたから。ジークの基準がエルか俺なのは仕方ないから、其処は敢えて言わない。
エルもロドリーも仲間を傷つけられて怒っているしな。
3人は席を立ち、どこかへと消えて行った。
俺はリリーをベッドに連れて行き、一緒に眠る。
日頃の疲れが溜まっていたから、俺もぐっすりと寝た。
厨房では、夕食の準備の時間になっても俺が戻ってこないので、料理人達は何をしていいかわからず、右往左往するだけだった。
少しは自分達で考えて作れって!もう、この国知らん!
俺、もう料理長辞めたい。忙し過ぎる。
料理をあまり作っている時間がない。
エル達も俺の料理でないからか、食が細くなっている。それでも人の2倍は食べているがな。
「ねぇ、宰相さんや、俺料理長辞めたい。料理だけ作りたい。」
「そう言われましても、まだ後継者がいませんし。」
「料理長の募集はしてないの?」
「面接で落としています。まず野菜の見分けもつかない者ばかりで。」
「パン焼いて、肉を焼いて終わりだからな、この国は。」
「それはもう申し訳ないと言うしかないです。ユーリさんが来るまで、こんな美味しい料理なんて食べたことなかったですよ。」
今日はリリーの為にタルトタタンを作った。最近リリーまで元気がないらしい。残りを交渉に頑張っている宰相にお裾分けした。
今王都では、城のごはんが美味いと評判になっているらしい。しかし食べたいけど、誰も作れない。なら学べばいいじゃないかと思うが、誰も学ぶ気はない。
で、指導やら手配で色々と忙しい。
「第一、俺、エル達の料理人だよ?城から給金もらってないよ。」
「きちんと振り込みますよ?」
「それに肝心のご主人様の料理が作れなくて、エル達機嫌が悪いし。」
「…そこなんですよね。この国って脳筋か怠惰の方が多くて。」
「本当に。言わなくちゃ動いてくれないのばかりで。…宰相さんって生まれは違うの?」
「いえ、この国ですよ。」
「みんな宰相さんみたいになってくれたら、楽なのに。」
「私も、私があと3人欲しいです。」
「「はぁぁ。」」
と、王様の執務室で応接用ソファに座っている俺たちは愚痴を言い合っていた。王様は、立派な椅子に座り、小さくなって俺たちの愚痴を聞きながら、タルトタタンを食べている。
ちなみに俺の隣にはジークがいる。今は俺の護衛をしてくれている。
「ユーリ、俺の分は?」
「あとでみんなで食べよ。」
「わかった。」
「後継者か。一朝一夕で人は育てられないしな。…あっ、ジーク、あの宿から何人か派遣て出来ないかな?」
「無理だな。料理長が離さない。」
「タハルかヨシュアがいれば楽できるんだけど。」
「王も支配人も離さんだろ。」
「あのくらい料理に情熱を持っている人って、この国にいなさそうだしな。食材も乏しいけど、人材にも乏しいな。」
俺の言葉は、王様と宰相の胸を抉ったのは、言わずもがなである。
その後、リリーの部屋にみんなが集合してタルトタタンを食べる。
「リリー、最近元気ないね。どうしたの?」
「…あのね、…ううん、…何でもない。」
「俺には言えない?…そうか、リリーもこうして大人になっていくんだよね。寂しいなぁ。」
「……。」
何も言ってくれないリリーはお茶を飲もうと腕を伸ばした時に、袖に隠れていた部分がチラッと見えた。
「リリー!」
いきなり激昂した俺にみんなが驚く。
今までユーリがリリーに対して怒ったことはなかったから。
「ユ、ユーリさん?」
「リリー、誰にやられた?」
リリーはハッと気付き、反対の手で傷が見えた手首を押さえる。
「……。」
「言いたくないなら言わなくてもいい。でもね、こんなことするのは間違っているし、黙っているのは相手を増長させるだけだ。リリー、前とは違うんだ。今はちゃんと助けてくれるみんながいるんだよ。『助けて』って言っていいんだよ。」
「ままぁ~!」
リリーはうわーんと泣きながら、俺の胸に飛び込んで来た。
俺は優しく優しくリリーの頭を撫でる。
エルがリリーの腕を確認したら、鞭で打たれたあとが幾つもあった。
「ジーク、パパの仕事してきて。」
「ああ。」
流石にジークも怒っている。俺がゆっくりとリリーの傷を癒やしたのに、また傷をつけられたから。ジークの基準がエルか俺なのは仕方ないから、其処は敢えて言わない。
エルもロドリーも仲間を傷つけられて怒っているしな。
3人は席を立ち、どこかへと消えて行った。
俺はリリーをベッドに連れて行き、一緒に眠る。
日頃の疲れが溜まっていたから、俺もぐっすりと寝た。
厨房では、夕食の準備の時間になっても俺が戻ってこないので、料理人達は何をしていいかわからず、右往左往するだけだった。
少しは自分達で考えて作れって!もう、この国知らん!
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