【完結】魔王を倒す前に俺が倒れます!

ゆい

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本編

俺と北の国の話6

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夕食を貴賓室の食堂へと運ぶと、見たことのない若いにいちゃん2人と嬢ちゃん2人が席に座っていた。
身形から王様の子かとわかる。
俺は構わずにエル達に料理を並べていく。
王族の方は、従者が並べていく。

王様が子供4人を紹介したあと、みんなで食べ始める。
俺が席に座ると不快な表情を見せた弟王子と姉王女。
王様の周知はまだまだのようだ。


リリーは末王女と仲良くなったようで、お喋りをしながら食べている。
エルは王様と兄王子と小難しい話をしながら、ジークとロドリーは黙々と食べている。
そんなジークに弟王子と姉王女は話しかけてくるが、ジークは素っ気ない返事をするだけ。ジークが王族相手に雑に返事するとは珍しい。
俺はロドリーに話しかける。

「ジーク、何かあったの?」

「いつものあれだ。」

「ああ。ジークの突撃勘違い系ホイホイが発動したのか。」

「ぶっ!」

「汚いよ、ロドリーさん。」

「…ユーリ?」

「だってジークに言い寄ってくるのって、『私が選ばれて当然!』っていうのばっかりじゃん。俺を誘拐した王女もそんなんだったし。」

「誘拐されたのか?!」

「あれ、ロドリーさん知らなかった?エル達から聞いてないの?」

「はぁ、過保護だなと思っていたがそういうことか。」

「ジーク?」

「伝え忘れだ。」

「で、その王女どうなったんだ?」

「知らない。王太子にお任せしたから。」

「傷病施設に送った。看護の手伝いさせている。」

「そうなんだ。ま、良いことだね。色々とやらかして嫁ぎ先もなかったみたいだし。」

「傷病施設なら、人手は常に足りてないしな。」

「ああいうタイプは、幽閉したって反省しないもん。健康な身体が余っているなら、使ってなんぼでしょ。」

「わりとユーリは人遣い荒いよな。」

「『立っているものは親でも使え』って言うじゃん。使えるモノは使う主義なだけだよ。」

「「……。」」

2人してそんな恐ろしいモノを見る目で見ないで欲しい。

「で、ジークに言い寄って来たのって?」

「城に来ていた貴族の女性、肉を狩りに行ったら、冒険者の男性達だ。」

「今日はまた多いね。」

「まあ、そう言うわけだ。あとは頼む。」

「別に頼まなくていいのに。」

「…ユーリ?」

「はいはい。エルにちゃんとお願いしなよ?エルだって拗ねるんだよ?」

「わかった。」

「ところで、ハンバーグのおかわりってある?」

「あるよ。」

と、今日の功労者に追加分のハンバーグを渡す。2人で城で働いている人の分を狩ってきてくれたからね。

「ユーリ、ニンニクソースがいいな。」

「今日はダメ。俺まで臭くなる。」

「ぶっ!」

「ロドリーさん、汚いって。」

「そうか。」

「ユーリさぁ、さらっと言うのやめて。頼むからやめてくれ。」

「ええ、また頼みごとぉ?第一そういう話にしたのはロドリーさんじゃん。」

「でも本当にやめてくれ。」

「考えておくよ。食べ終わったから、俺は厨房に戻るよ。リリー、よく噛んで食べてね。」

「はーい。」

と、俺は食堂から出て行った。





~その後の食堂~

「で、そのホイホイって何よ?」

「俺を連れて歩くことは自慢できるって、勘違いしたのがほいほい寄ってくるって言っていた。俺の顔は装飾品扱いらしい。」

「ぶっ!」

「汚い。」

「クックックッ、つまり顔だけで判断されて寄って来るってか。」

「非常に不愉快だが、そうらしい。」

「ま、いい迷惑だな。しかし、ユーリから出る言葉は面白いな。言い得て妙だな。」

「俺はホイホイした覚えはないがな。」

「ないな。寧ろユーリ以外に口説いているのを見たことがない。」

「だから、勘違い系なんだろ?ユーリ曰く『私の好みの人なら、私を好きになって当然よね!』って勘違いから始まるらしいぞ。」

「うわっ、本当に迷惑な勘違いだな。」

と、ジークとロドリーは弟王子と姉王女を見遣る。
2人は顔を青くしている。
ユーリには言わなかったが、それぞれがすでにジークに突撃済みだったからだ。
相手は一応王族だし、どうわからせようかと思ったが、ユーリから話を振ってくれて助かった。
ユーリに万が一危害を加えれば、この国から出て行くだけだ。それはエル達も同じ気持ちだ。

「ジークって昔からそんなのばっかりに好かれるよね。」

エルも参加してきた。

「お前ら幼馴染みだっけ?」

「そう。だからその勘違い系に誤解されて、何度嫌がらせをされたことか。」

「え?皇族相手に?」

「うん。ジークだけしか目に入らないから、僕が皇族なんてことは頭から抜け出すみたい。」

エルが黒い笑顔で言う。決してその後どうなったかなんて間違っても聞いてはいけない。

「ジークはもう顔を変えるしかないね。」

「ぶっ!」

「もうロドリー汚いよ。」

「お前らさ、俺がワイン呑んでいる時に笑かしにくんの、やめろや。」

「笑わせてないよ。真剣に提案しているよ。」

「エル、ニヤついているぞ。」

「あはっ。あとはユーリといる時の締まりのない顔をしているしかないね。」

「…そうする。ロドリー、今夜は部屋交代な。」

「えっ!それ狡い!僕もユーリと寝たい!」

「エルの提案だが?」

「~~っ、貸し1だよ!」 

「0だ。」

と、エルとジークは言い争い始めた。
ロドリーは呆れて何も言う気はなくなった。
話を聞いていた王様と兄王子は、このあと弟王子と姉王女を叱ったとか。まぁ、効果は期待していないが。



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