君の隣は

ゆい

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本編

18

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「タケノコ美味かった。」

『何それ!俺も行きたかった!』

と、昨日に引き続き、上村と通話をする。
バーベキュー写メでやっぱり鬼通知がきていた。

『こっちはずっと品出しで腰痛いよぉ。』

上村はGWだけスーパーでアルバイトをしていた。
知り合いの人に頼まれたらしい。
夕方から夜9時までは、ラーメン屋で通常バイトもあり、中々にして大変そうだ。

「俺らも田植えしたし。」

「田んぼまで山道20分は歩くし。」

『でもバーベキューはずるい!俺も肉食べたい!』

「日下部の母ちゃん、マジ料理美味い!しかもタレも自家製で、いつもと全然違うバーベキューだった。」

「俺、帰りたくねぇ。ここんちの子になって、母ちゃんの飯食べ続けるわぁ。」

人の母さんを『母ちゃん』呼びになっているし。
2日間でだいぶ馴染んだな。

「あとね、日下部の従姉妹が同じ吹部だから、連絡先交換した!」

渡辺、いつの間に?

『可愛い?』

「可愛い!日下部の妹も可愛い!」

『こっちはおばちゃんに囲まれて仕事してたのに!羨まけしからん!!』

上村が駄々っ子のようになってきている。
付き合いきれないとばかりに、僕はこっそりトイレに行った。

「明日帰るからね。」

「また夜会おうぜ。」

『話を詳しく聞かせろ!』

と、通話は終了した。
僕が戻ってきた時は、いっぱい動いて、いっぱい食べたせいか、渡辺は、電話が終わってから、すぐに寝出した。

「なべちゃん寝た?」

「爆睡だな。俺らも寝るか。」

「うん。」

布団に入りリモコンで照明を消す。
暗くなると、あたりは静かになる……ならなかった。
田んぼに水が入ったから、カエルの鳴き声が煩かった。

「車の音が煩くて寝れない時はあるが、カエルで煩いって初めてだ。」

「はは。稲刈りまでこんなだよ。」

「こんな煩いのに、よく寝れるな。」

「慣れだよ。」

「そうか。」

と、瀬下は寝れないのかな?と思っていたが、その内、寝息が聞こえてきた。
疲れているから、寝れたようだ。
僕もそのあとはすぐに寝た。





翌朝、隣が動いている音で目が覚めた。

「せしも?」

「あ、わり、起こしたか?トイレ行ってきただけ。」

「ん、まだ5時過ぎか。」

「まだ日の出前で、やっと明るくなりだしたばかりだ。」

「…瀬下だね。」

「…寝ぼけてんのか?」

「名前。あかねじゃん。【あかつき】も【あかねいろ】も朝方の空を表すから。」

「茜色って、夕方に使うんじゃないのか?」

「朝にも使えるよ。東雲しののめともいうらしいけど。瀬下は朝に生まれたんだね。」

「…ああ、そう聞いていたな。」

「瀬下が生まれた日は、特別綺麗な夜明けだったんだね。」

「……かもな。」

「ご両親、ロマンチストなんだね。」

「それは知らん!」

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