君の隣は

ゆい

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本編

19

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何気なしに2人でそのまま離れの縁側で、朝陽を見た。
まだ眠たさもあり、ボーっとしながら、陽が昇るのを見ていた。
瀬下も何も喋らず、ただ隣に座っていた。
会話がなくても気まずさはなく、穏やかな時間で、2人で朝陽が昇るまで見ていた。
こんな朝を迎えるのも良いなと思った。
その後は2人で二度寝したけど。



午後の昼飯を食べ終えて、電車の時間前に駅に送った。
2人はずっと母さんに『ご飯が美味かった』とお礼を言っていた。
だから、息子の前で顔を赤らめんな!

残りの休日は、いつもと変わりなくダラダラと過ごすだけとなった。




GWが終わり、通常の生活へと戻った。

「俺も行きたかった。」

と、残念がる上村。
聞けば、上村のバイトのラーメン店に2人が冷やかしに行って、母さんの料理やバーベキューの話を延々と聞かされたとか。
メシの話しかないのか?

「次は稲刈りか?絶対行くから!」

手伝いに来るなら別にいいんだけど。

「GW終わったら、もう中間だよ。なんかしてる?」

「全くしていない。」

「テストさえなきゃ、高校生活楽しいんだけどなぁ。」

渡辺と同じようなことを言っているし。

早いもので、2年になって1ヶ月が経った。
あれほど人に関わりたくないと思っていた僕に、友達ができた。
友達って呼んでいいのかな?
信じてもいいのかな?




GW明けから、中間テスト、体育祭、期末テストと慌ただしく過ぎていく。

体育祭の競技決めの時に、瀬下から無理矢理100m走を推薦された。
『1着だったら、ス◯バ奢る』って言ったから、久しぶりに本気で走った。
風を切るってこんな感じだったと、思い出した。
クラスメイトは期待してなかったから、すごく驚いていたらしい。
体育の時に手を抜いているのがバレて、後から体育の先生に少し文句を言われたけど。
その日の放課後に、僕はス◯バデビューしたよ。
注文出来ないから、全部瀬下任せだったけど。
そしたら、ホイップ増し増しのフラペチーノにしてくれて、最後の方は少し胸焼けしてしまった。
3人して笑っていたけど。



夏休み前になる頃には、4人でいることが当たり前になっていた。
瀬下は、たまに僕の失敗を『良い仕事をしている』と揶揄ってくる。
上村達はそんな瀬下に呆れているけど。

周りも当初より何も言わなくなった。
渡辺に聞いたけど、瀬下や上村に『僕がこのグループに合わない』って言う女子が、何人かいたらしい。
でも2人は取り合わなかったし、しつこく言ってくる子には『お前は俺の母親か?』と、言い返したらしい。
『なべちゃんに言ってくる子はいなかったの?』と聞いたら、『いるわけないよ』と笑顔で答えてくれた。
笑顔だけど、眼が笑ってない。
この時、渡辺が3人の中で一番怖いことを初めて知った。



あれから瀬下が時々空の写メを送ってくれる。
夕焼けや青空、変な形の雲。
空の写真を撮ることが、瀬下の趣味かと思っていた。



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