君の隣は

ゆい

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本編

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楽しかった修学旅行が終わると、一気に冬がやってくる。
12月中旬から、雪も降り始めた。

「瑞樹、クリスマス、一緒に過ごさない?」

自転車から、バス通学に切り替わり、一緒に過ごす時間が少なくなっていた。
今日は久しぶりに放課後、瀬下の家に寄った。

「クリパ終わったら?」

終業式が終わったら、渡辺の家でクリパをする予定だった。

「うん、出来れば、泊まりで。」

「…母さんに聞いてみる。」

「ん、お願い。」

「どっか遊びに行くの?」

「寒いし、お家デートかな。」

「今と何が違うの?」

「ふっ、今日はやけに色々と聞いて来る。」

「だ、だって、クリスマスにデートって、なんか、嬉しいじゃん。」

「俺も。」

いつも隣に座って、肩や腕が触れているだけで嬉し恥ずかしいのに、一緒にいれる時間が長くなったら、僕の心臓が持つか心配になる。
今でさえ、後ろから瀬下に抱きしめられて、心臓がバクバクしている。

「まだ、瑞樹は俺に慣れないな。」

「…慣れないよ。だって、瀬下、カッコいいんだもん。」

「…顔だけ?」

と、瀬下の機嫌が少し悪くなる。

「違うよ。…顔もカッコいいけど、さらっとエスコートしてくれたり、荷物を持とうとしてくれたりするんだもん。…その度に惚れ直しちゃうよ。」

「そっか。」

と、更に後ろからぎゅっと抱きしめられる。

「俺も、瑞樹の素直なところも、優しい気遣いも好きだよ。」

「…ありがと。」

抱きしめている瀬下の手に、自分の手を重ねる。
僕より大きな手。父さんの手みたいだけど、まだ年齢を重ねていない手。
綺麗に手入れされている爪。手もカッコいいとは、ズルいな。
抱きしめられて、何も話さなくても、心臓の音で会話している感じで、この時間を過ごすのは好きだ。

「あっ、瀬下、もう帰る時間だ。」

「うん、もうちょっと。」

「ダメ。電車乗り遅れたら、9時になる。流石に怒られるから。」

「……わかった。バス停まで送る。」

「寒いから、送らなくても大丈夫。」

と、久しぶりの放課後デートの終わりの時間が来る。
瀬下の腕を離して、コートを着て、帰りのキスをした。
僕からキスすることは、まだ両手に収まる数だけど、瀬下が喜んでくれるなら、頑張って自分からする。
恥ずかしくて、慌てて瀬下の家から出てしまった。

バスを待っている間、冷たい風が火照った顔を冷やしてくれる。
クリスマスなんて、家族でチキン食べて、ケーキ食べて、プレゼント貰って終わりだと思っていた。
プレゼントもゲームのプリカだと思うけど。
中学生までは図書カードだった。
兄が中1の時、クリスマスプレゼントが参考書だったから、泣き崩れていたっけ?
両親のプレゼントのセンスを期待してはいけないので、兄さんと僕と愛莉が交渉した。
『せめて図書カードにしてくれ』と頼みこんで、なんとか譲歩してもらえた。
でも、僕は知っている。
夜中、トイレで起きた時、居間でまだ寛いでいた両親が『プレゼント選びが楽になったね』と話していたのを。
3人もいるから、それぞれの希望を聞いて買いに行くって、中々大変だったよね。
通販を利用しない両親だから、探しに回らないといけないし。

クリスマス、瀬下のプレゼント、何にしようかな?



電車の中で、女子高生の話し声が聞こえる。

「クリスマス、どうする?」

「彼氏の家。」

「また?」

「ホント、もう別れよっかな。ヤる以外、デートもないし。」

「それ、彼氏って言える?セフレじゃん。」

「男って、ヤることしか頭にないのかなぁ。」

と、聞こえている周りの男性乗客達は、彼女達から目線を逸らす。
耳が痛そうだ。
でも、そんな彼氏なら、別れた方がいいと思うけど。

僕は男だから、瀬下とはそういう行為はできないし。……できないけど、瀬下は割に身体を触ってくるよな。
……あれ?ぼくが知らないだけなのかな?


家に帰って、夜中こっそりスマホで検索したことを後悔した。
履歴は速攻削除した。



瀬下とあんなことすんの?!
恥ずかしすぎんだけど!!





ーーーーーーーーーー

お待たせ致しました。
本日は朝昼晩の3回の投稿になります。
明日からは朝晩の2回の投稿になります。
よろしくお願いします。



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