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2章
夢?
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「んあ~....まさか道に迷うなんてね....飲みすぎたかしらね?」
道に迷ったと言うのに、呑気にあくびをしている彼女はポーチからいつもはつけない腕時計を取り出し、時間を見る...
「動いてないわね....」
秒針がピクリとも動かず、22:30過ぎで止まってしまっている。
屋根の上に登ろうかと考えたが、民家が多い為辞めた。
「ま、明け方には帰れるでしょ」
根拠の無い謎の自信に満ちた彼女は、再び歩き始めた。
住宅街を適当に練り歩き、帰り道を模索しているが違和感を覚えた。
一度通った道が見当たらない、いや今まで違和感を全く覚えなかったが、家の形が物理的にありえない形をしている。
「...まるで、夢みたいね...」
明晰夢なら、自分が夢と自覚したらすぐに目を覚ましてしまう。
「せっかくの明晰夢なんだから面白いこと起きないかしらね?と言うより私、道端で寝てるの?それは....いけないわね....早く目を覚まさないかしら...私...」
夢と諦めがつき、この非常識な建物を堪能する為にポーっとしながら歩き回ってた。
「なんだろ...この建物...」
空中にへし折れそうなレベルで細いナニカで繋がっている建物に、空間が歪み、謎のオブジェクトと化している噴水の面影がある物体が緩やかに回転している。
「なにこれ...おもしろい...」
押し殺した様な笑いが出る。
どうやら、この夢の世界では自分以外時間が止まったかのようにものが止まったようで。
物を動かせば、その場で動かせばその場に固定されている。
そして人らしき物を引っ張れば....まるで餅の様に伸び.....荒ぶる....ビタンビタンとそのような音が聞こえてきそうなレベルで荒ぶる。
流石夢と思っていると、何かが飛んできた。
「グッ...ァ....!」
そしてそれは、彼女の後ろから肩に刺さる、そして感じる痛み、熱さ、液体が伝う感覚....
それは何者かに攻撃された事を示していた。
夢ではありえない『痛み』という感覚に襲われ、困惑するアタマ。
しかし、完全な敵意を感じ身を低くして近くの屋台の物陰に隠れる。
ポーチから、痛みを鈍らせる薬が入ったシリンジを取り出し肩に刺す。
直ぐに痛みが緩くなるということは無いが、徐々に痛みが引いていくはずだ。
手探りで肩の部分を探ると、ひんやりとした金属のような杭が自らに刺さっている。
傷む肩を抑えつつ、屋台から顔を出す
すると、銀色の小さな杭の様なものが飛んできた。
「ッ..!」
その場に倒れ込むように伏せると、それはさっきまで彼女の首のあった当たりを通過し、後ろにあった木箱に突き刺さる。
「痛み....妙にリアルな夢ねこれは...」
気に刺さった杭は、ボウガンのボルトだった。
ボルトの刺さった角度からどこから打たれた場所を特定しようとするが、屋根の上でしかももう既にそこには何もいなかった。
「ほんっと....痛いわね....肩甲骨をやられてるわねこれ...痛ッ....」
肩甲骨を砕かれれば肘を動かす事もままならない激痛が走る。
幾ら鎮痛剤を打った所で、痛いものは痛い。
よりにもよって右肩彼女の利き腕であるこの腕をやられれば剣を振ることは出来ない。
「...相手と同じボウガン対決ね...相手のボウガンの特性走らないけど、私のボウガンは至近距離しか行けなから、手数で押すしかないわね....」
タンッ!と音を立てて、近くの木箱にボルトが突き刺さる。
さっきとは違う角度から放たれた様子だった。それに反応し、その方向にボウガンを乱射する。
ティック産の自動装填装置のおかげで、片手でも余裕で扱える。
しかし、弾倉には限りがる。
1弾倉に着き20発までは撃てるが、それが切れたら片手で再装填する必要がある。
カシャンと金属音が響き、リムが回転しボルトの再装填、弦を引くまでが1秒の間に自動で行われた。
「手応えがないッ!どこだ!」
構えながら、周りを見渡すが人影は1つも見当たらない足音、ボウガンの弦を引く音、気配すら感じることは出来ない。
「アイツ...なんなんだ?」
極限状態故か、1秒が何十秒にも感じる。
もの一つ動かないこの世界では時間感覚を狂わせる、そして視界の端っこに映る餅のような人のようなもの。
そしてまたボルトが飛んでくる。
しかし、私に当たることはなく地面に当たり、跳弾し明後日の方向に飛んで行った。
「あーもう!20発使い切りそう!」
そしてまた、ボルトが飛んでくる。
それは、屋台の上を掠めて行く。
思わず舌打ちが出てしまう。
アドレナリンがドバドバと分泌され、過剰な興奮状態に至っている。
「遊んでんのか?!あいつは!」
初撃でアイツは当てて来た、それ以降は外している。
徐々に、苛立ちを憶え狙いが甘くなる。
グルグルと周りを、見渡すが同じく何も見当たらない。
ボルトを撃ち込まれる、ボルトを撃ち返す撃ち込まれるの繰り返し、そして....
「ぁあ...くそったれ!!弾切れじゃゴルァ!!」
100発分用意していたボルトが底を尽きた。
あまり剣を振らない左腕では100%の力は出し切れない。かろうじて弾いて防げるかと言ったところか。
「どこからでもかかってこいや!ゴルァあああ!!!」
物陰に隠れることを辞め、全身を晒す。
すると、案の定ボルトが飛んでくる...が....
そのボルトは、掠める事すらせず明明後日の方向に飛んで行った。
「....」
何かがキレた
...命を貼って打ち返していて、撃たれる気で全身晒して場所突き止めようとしたら、明明後日の方向にボルトは飛んでいき、子供がお遊びで練習で撃ってる様な感覚に怒りを覚えた。
「おいゴルァ!屋根の上からペシペシペシペシ撃ってんじゃねぇよ!さっきからよォ!射撃苦手ならした降りてきて、サシで戦わんかゴルァ!!」
最早口調、キャラが崩壊し自分が何言ってるかわからなくなっている。
すると、それは意外にも案外すんなりと叶った。
ボウガンを撃っていたソイツは直剣片手に突っ込んできた。
振り下ろされた直剣を、折りたたみ式ナイフで受け止める...では無く受け流した。
構造上私の獲物は脆い受け止めたらへし折れる。
「お前!なんなんだよ!さっきからペシペシペシペシペシと!ウザってぇんだよ!」
「......」
姿も真っ黒、輪郭もはっきりしない。
今見るとヤツが握っているものが直剣ですら怪しくなってきた。
最早そこにあるのかすらあ怪しく感じる、しかし重量はしっかりと感じる。
「なんか...!....喋れよ!...このクソ野郎が!!」
競り合いに、何とか押し勝ち膝に1発蹴りを入れ体制を崩しそのまま、頭を切り飛ばした.....
が手応えを一切感じなかった、肉を断つ感覚に骨の感覚それらを一切感じなかった。
しかし、黒い頭をが転がっていく。
すると、後ろから金属音。
気づくと....眼前に迫る黒い影。
黒く、輪郭もはっきりしないがそれでもわかる、この剣をくらったら不味い、確実に死ぬ。
なまくらだとか、業物だと関係ない、確実に死ぬ。
「ニ....ニ.....r.....ニ.....ル......ニール....」
何かが聞こえる....そして
「ニール!!!」
唐突に頬に走る鋭い痛みに衝撃
「いっ...はっ!!」
目の前にはキーンの顔が。
周りには、ギルドの捜査官達が数名
「...何があった?」
「何があったなんてこっちが聞きてぇよ...」
周りには、砕け散った何かの木片が散乱している。
「まぁともかく、お前は暫く拘束だ大人しくしろ。」
「その前に、私が何したか教えて貰っていいですかね?」
「はぁ...こんなことしでかしたのに何も覚えてないのかよ...」
「ええ...全くね」
「....後でしっかり説明してやるから大人しくしてろ」
「はいよ」
私は、大人しく金属で補強された馬車に、手錠をはめられキーンと一緒に乗り込んだ。
道に迷ったと言うのに、呑気にあくびをしている彼女はポーチからいつもはつけない腕時計を取り出し、時間を見る...
「動いてないわね....」
秒針がピクリとも動かず、22:30過ぎで止まってしまっている。
屋根の上に登ろうかと考えたが、民家が多い為辞めた。
「ま、明け方には帰れるでしょ」
根拠の無い謎の自信に満ちた彼女は、再び歩き始めた。
住宅街を適当に練り歩き、帰り道を模索しているが違和感を覚えた。
一度通った道が見当たらない、いや今まで違和感を全く覚えなかったが、家の形が物理的にありえない形をしている。
「...まるで、夢みたいね...」
明晰夢なら、自分が夢と自覚したらすぐに目を覚ましてしまう。
「せっかくの明晰夢なんだから面白いこと起きないかしらね?と言うより私、道端で寝てるの?それは....いけないわね....早く目を覚まさないかしら...私...」
夢と諦めがつき、この非常識な建物を堪能する為にポーっとしながら歩き回ってた。
「なんだろ...この建物...」
空中にへし折れそうなレベルで細いナニカで繋がっている建物に、空間が歪み、謎のオブジェクトと化している噴水の面影がある物体が緩やかに回転している。
「なにこれ...おもしろい...」
押し殺した様な笑いが出る。
どうやら、この夢の世界では自分以外時間が止まったかのようにものが止まったようで。
物を動かせば、その場で動かせばその場に固定されている。
そして人らしき物を引っ張れば....まるで餅の様に伸び.....荒ぶる....ビタンビタンとそのような音が聞こえてきそうなレベルで荒ぶる。
流石夢と思っていると、何かが飛んできた。
「グッ...ァ....!」
そしてそれは、彼女の後ろから肩に刺さる、そして感じる痛み、熱さ、液体が伝う感覚....
それは何者かに攻撃された事を示していた。
夢ではありえない『痛み』という感覚に襲われ、困惑するアタマ。
しかし、完全な敵意を感じ身を低くして近くの屋台の物陰に隠れる。
ポーチから、痛みを鈍らせる薬が入ったシリンジを取り出し肩に刺す。
直ぐに痛みが緩くなるということは無いが、徐々に痛みが引いていくはずだ。
手探りで肩の部分を探ると、ひんやりとした金属のような杭が自らに刺さっている。
傷む肩を抑えつつ、屋台から顔を出す
すると、銀色の小さな杭の様なものが飛んできた。
「ッ..!」
その場に倒れ込むように伏せると、それはさっきまで彼女の首のあった当たりを通過し、後ろにあった木箱に突き刺さる。
「痛み....妙にリアルな夢ねこれは...」
気に刺さった杭は、ボウガンのボルトだった。
ボルトの刺さった角度からどこから打たれた場所を特定しようとするが、屋根の上でしかももう既にそこには何もいなかった。
「ほんっと....痛いわね....肩甲骨をやられてるわねこれ...痛ッ....」
肩甲骨を砕かれれば肘を動かす事もままならない激痛が走る。
幾ら鎮痛剤を打った所で、痛いものは痛い。
よりにもよって右肩彼女の利き腕であるこの腕をやられれば剣を振ることは出来ない。
「...相手と同じボウガン対決ね...相手のボウガンの特性走らないけど、私のボウガンは至近距離しか行けなから、手数で押すしかないわね....」
タンッ!と音を立てて、近くの木箱にボルトが突き刺さる。
さっきとは違う角度から放たれた様子だった。それに反応し、その方向にボウガンを乱射する。
ティック産の自動装填装置のおかげで、片手でも余裕で扱える。
しかし、弾倉には限りがる。
1弾倉に着き20発までは撃てるが、それが切れたら片手で再装填する必要がある。
カシャンと金属音が響き、リムが回転しボルトの再装填、弦を引くまでが1秒の間に自動で行われた。
「手応えがないッ!どこだ!」
構えながら、周りを見渡すが人影は1つも見当たらない足音、ボウガンの弦を引く音、気配すら感じることは出来ない。
「アイツ...なんなんだ?」
極限状態故か、1秒が何十秒にも感じる。
もの一つ動かないこの世界では時間感覚を狂わせる、そして視界の端っこに映る餅のような人のようなもの。
そしてまたボルトが飛んでくる。
しかし、私に当たることはなく地面に当たり、跳弾し明後日の方向に飛んで行った。
「あーもう!20発使い切りそう!」
そしてまた、ボルトが飛んでくる。
それは、屋台の上を掠めて行く。
思わず舌打ちが出てしまう。
アドレナリンがドバドバと分泌され、過剰な興奮状態に至っている。
「遊んでんのか?!あいつは!」
初撃でアイツは当てて来た、それ以降は外している。
徐々に、苛立ちを憶え狙いが甘くなる。
グルグルと周りを、見渡すが同じく何も見当たらない。
ボルトを撃ち込まれる、ボルトを撃ち返す撃ち込まれるの繰り返し、そして....
「ぁあ...くそったれ!!弾切れじゃゴルァ!!」
100発分用意していたボルトが底を尽きた。
あまり剣を振らない左腕では100%の力は出し切れない。かろうじて弾いて防げるかと言ったところか。
「どこからでもかかってこいや!ゴルァあああ!!!」
物陰に隠れることを辞め、全身を晒す。
すると、案の定ボルトが飛んでくる...が....
そのボルトは、掠める事すらせず明明後日の方向に飛んで行った。
「....」
何かがキレた
...命を貼って打ち返していて、撃たれる気で全身晒して場所突き止めようとしたら、明明後日の方向にボルトは飛んでいき、子供がお遊びで練習で撃ってる様な感覚に怒りを覚えた。
「おいゴルァ!屋根の上からペシペシペシペシ撃ってんじゃねぇよ!さっきからよォ!射撃苦手ならした降りてきて、サシで戦わんかゴルァ!!」
最早口調、キャラが崩壊し自分が何言ってるかわからなくなっている。
すると、それは意外にも案外すんなりと叶った。
ボウガンを撃っていたソイツは直剣片手に突っ込んできた。
振り下ろされた直剣を、折りたたみ式ナイフで受け止める...では無く受け流した。
構造上私の獲物は脆い受け止めたらへし折れる。
「お前!なんなんだよ!さっきからペシペシペシペシペシと!ウザってぇんだよ!」
「......」
姿も真っ黒、輪郭もはっきりしない。
今見るとヤツが握っているものが直剣ですら怪しくなってきた。
最早そこにあるのかすらあ怪しく感じる、しかし重量はしっかりと感じる。
「なんか...!....喋れよ!...このクソ野郎が!!」
競り合いに、何とか押し勝ち膝に1発蹴りを入れ体制を崩しそのまま、頭を切り飛ばした.....
が手応えを一切感じなかった、肉を断つ感覚に骨の感覚それらを一切感じなかった。
しかし、黒い頭をが転がっていく。
すると、後ろから金属音。
気づくと....眼前に迫る黒い影。
黒く、輪郭もはっきりしないがそれでもわかる、この剣をくらったら不味い、確実に死ぬ。
なまくらだとか、業物だと関係ない、確実に死ぬ。
「ニ....ニ.....r.....ニ.....ル......ニール....」
何かが聞こえる....そして
「ニール!!!」
唐突に頬に走る鋭い痛みに衝撃
「いっ...はっ!!」
目の前にはキーンの顔が。
周りには、ギルドの捜査官達が数名
「...何があった?」
「何があったなんてこっちが聞きてぇよ...」
周りには、砕け散った何かの木片が散乱している。
「まぁともかく、お前は暫く拘束だ大人しくしろ。」
「その前に、私が何したか教えて貰っていいですかね?」
「はぁ...こんなことしでかしたのに何も覚えてないのかよ...」
「ええ...全くね」
「....後でしっかり説明してやるから大人しくしてろ」
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私は、大人しく金属で補強された馬車に、手錠をはめられキーンと一緒に乗り込んだ。
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