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閑話 はじめの一歩
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俺はレイル。フリードの王様をやっている。一晩寝て起きたら100年たっていた。頭大丈夫?とか言われそうだが、実際そうなっていたのだから仕方ない。なぜか一緒に飛ばされたお付きの護衛兵マッセナと一緒に近くの村にたどり着いた。そこはティルナノグ地方と呼ばれる土地で、父の故郷の隠れ里の名前と同じだった。
目覚めたとき俺は15だった。なぜか知らないがそう確信していた。ひとまずマッセナと二人でハンターのまねごとをし、森に分け入って薬草を採ってきたり、害獣を駆除したり、時には盗賊の類を討伐していた。そういった生活が3年続いた。
転機は唐突にやってくる。大規模な盗賊団が移動してきた。といっても100足らずだが、俺が身を寄せている村は、ハンターをのぞくと兵士と呼べる人間は数名で、十分に脅威となる数だ。
さて、例の盗賊団が移動してきた理由は簡単で、討伐を受けたせいだった。奴らを追って傭兵団が現れた。現地のハンターに情報収集を行い、盗賊団の行方をしっかり確認している。
傭兵団のリーダーはクレーゼと言った。左目が縦に真っ二つになっており、すごみがある風貌だった。マッセナと意気投合し、いつの間にか俺も盗賊の討伐に加わることになっていた。まあ、それはいい。俺に否やはない。俺はマッセナの副官扱いで、10人ほどの部隊に加わった、隊長はマッセナだ。
「さて、とりあえず今回の仕事で組むことになった、マッセナとレイルだ。腕は立つし、このあたりの地理に詳しい。みんな、よろしく頼む」
「「おお!」」
部隊長クラスの10人ほどが応じる。まだ若い者もいるが歴戦の風格を漂わせている。それをまとめ上げるクレーゼの力量は推して知るべし、だ。
「この周辺の地図で、ここに小さな砦跡がある。奴らはここを根城にしているようだ」
「偵察してきましたが、壁にほころびもあり、守りはそれほど固くありません。立て籠もられると多少厄介ですが」
「うん、ジョルジュ、ご苦労。近くに背の高い木はあったか?」
「そこは抜かりありません。偵察兵を張り付かせてます」
「うん、さすがだ」
「では作戦を伝える。正面からは俺が率いる50。左右は20で、アドとクリフが行け!」
「「承知!」」
「敢えてこっちを開けてるのは?」
「ほう、レイル坊、よく見たな。師は囲すべからずってことだ」
「完全に取り囲むと必死になるからわざと逃げ道を残しておくってことね」
「おいおい、お前いくつだよ…? まあ、それであってる」
「ってことはここにマッセナを配置するんだね?」
「なんでそう思う?」
「取り囲まれた盗賊どもが逃げるとなると、こっちの村になるはず。人質でもとって逃げようとするだろうし?」
「お、おう」
「で、包囲もそっちがあいてるのと、このあたりは両側が崖で、頭上から攻撃を加えられる。で、隊列も伸びる。頭を押さえて叩くならここしかない」
「レイル坊、おめえ何もんだ?」
「若の素性は…すまんが明かせねえです。ただ胡乱な人間じゃない、それは儂が命を懸けてもよい」
「ああ、マッセナさん。あんたほどの人が言うなら間違いないだろう。いいなお前ら!」
「「「おお!」」」
まあ、確かに、俺の素性を明かしても頭は大丈夫かって言われるのがオチだ。伯父上から戦術はいろいろと教わっていた。ただそれを実践したことがない。要するに机上の空論だ。だが、いつか指揮官になることがあるならばという視点でいろんなものを見ることにしていた。いつか役に立つかもしれない程度の理由で。
俺はクレーゼの副官見習いにされた。彼の横で作戦開始の時を待っている。
樹上のジョルジュがハンドサインで周囲の弓兵に合図を出している。3本立てた指を握り込む。3数えたら一斉に的を狙えという合図だ。砦の壁の上にいる歩哨や篝火が矢で射貫かれる。見張りが倒されいきなり暗くなったことで砦の内部が混乱を始める。
「うっし、行くぞ。かかれえええええええええええ!!!」
クルーゼの大音声に周囲の兵たちが鬨を上げる。前衛の兵が駆け出し城壁外の敵兵を討ち取っていった。俺も剣を構えて駆けだす。迎撃に出てくる兵もいるが明らかに足並みがそろっていない。しばらく戦っていると、こちらに注意をひきつけたと判断したか、左右に伏せていた兵が出撃し内部に入り込む。中からは「もうだめだ!」とか、「逃げろ!」とか聞こえてくる。わざと開けてある方角から逃亡を始める。
追撃が始まった。最後尾の敵兵を削るくらいで本気の追走ではない。まあ、伏兵に頭を押さえられた時点で一気に殲滅する予定なので、ここで全力で走る必要はないのだ。
予定地点で前方から鬨が上がる。予定通りマッセナの部隊が奇襲をかけた。これで包囲完成だ。じわじわと敵兵を締め上げ、徐々に削ってゆく。頃合いを見て降伏勧告でおしまいだろう。
その時点で俺は勝ったつもりになっていた。経験が浅いゆえの慢心といえばその通りだ。認めたくないものだな、若さゆえの過ちは。敵の頭目が窮鼠となってこちらに向かってきたのである。
普通に戦えば俺の剣の腕は奴らのかなり上を行っていた。10回戦えば全勝可能で、それが100回になっても同じだろう。普通ならば…な。窮鼠となった兵の強さを俺は初めて感じた。すさまじい殺気と生への執着を甘く見ていたのだろう。3人までは覚えていたが、そこから先は敵の狂気に飲み込まれた。絶叫しながら剣を振り回し、必要以上の力をもって戦った。結局新兵である俺は早々に力尽きかけたのだ。恥ずかしい限りだ。
クレーゼが一騎打ちで敵の頭目を討ち取った。正直クレーゼと戦ったとして、俺が負けるとは思わない。敵の頭目もそこそこ腕が立つようだった。半ば相打ちのようにクレーゼが勝ちを拾ったが、その代償は大きかった。利き腕を負傷し、剣を握ることがかなわなくなったのである。
「若、自分を責めちゃいけません。クレーゼの旦那も敵も死力を尽くしたんです」
「ああ、けど、俺がもっとうまく戦っていれば彼は俺をかばわ無くて済んだんだ。俺が失敗した」
「初陣の新兵が10の兵を討ち取るとか普通やりませんぜ?」
「そんなもん、何の意味もない」
「若、あんたは何様のつもりですか!」
マッセナの剣幕に気おされる。今まで見たこともないような形相で俺を見据える。
「若は良くやりました。包囲するために手薄になった本陣に突っ込んできた当たり、敵の頭目も見事でした。それにね、クレーゼの旦那は若を一言でも責めましたかい?」
「いや…」
「全部仕方なかったっていうつもりはありませんが、若が全責任を負うものでもありません。それ言い出したら彼らに袋叩きにされますぜ?」
「いや、そんなつもりは…」
「だったら胸を張りなさい! 若は見事な働きをしたんです!」
「ああ、わかったよ。ありがとう、マッセナ」
「ってことでいいかい?」
「クレーゼの旦那? 傷はもういいんですかい?」
「ああ、おかげさんで。まああれだ、傭兵は引退だな」
「…すまない」
「レイル坊。気にすんな。むしろ命があっただけっめっけもんだったわ。あとな、かなりの賞金首だったみたいで、ひとまずこの村に腰を落ち着けて暮らすことにした」
「そっか。じゃあ生活は問題ないのか」
「ああ、まあ運がよかった」
「うん、よかった」
「運がよかったってのはな、レイル坊、お前さんが隣にいてくれたから俺は命を拾ったと思ってるよ。あいつのそばにいた兵を全部倒してくれたからな」
「いや、夢中で剣を振るってただけだし…」
「ていうかよ、お前さんほどの年であれだけの使い手ってのはすごいな。俺より強くないか?」
「ああ、それはそうかもな」
「ケッ、かわいげがねえ」
俺とクレーゼは顔を見合わせて笑った。久しぶりに笑った気がした。
「んでよ、頼みがある。レイル坊、おめえ、俺の傭兵団を継いでくれないか?」
「はい??」
「マッセナさん、あんたが副隊長だ。実はほかの連中からも承諾はもらってる。後はレイル坊が首を縦に振ればいい」
「俺でいいのか?」
「むしろお前さんだから任せられる」
「わかった、任された」
「ああ、よろしく頼む。んで、団の名前もお前さんが新しくつけてくれ」
「そうだな、ラーハルト隊で行こうか」
「っておい、お前さんやっぱり!?」
「まあ、そういうことだよ」
「ほへえ、俺はすごい奴と知り合ってたわけだ」
「まだまださ。これから凄くなってやるんだ」
「ああ、そうだな。大丈夫だ、俺が保証する!」
こうして俺は傭兵隊を率いることになった。まずはティルナノグ地方を押さえる。目覚めたときから俺は自分の国を取り戻さなきゃならないって思ってた。それには兵がいる。俺は最初の一歩を踏み出したことを自覚した。
目覚めたとき俺は15だった。なぜか知らないがそう確信していた。ひとまずマッセナと二人でハンターのまねごとをし、森に分け入って薬草を採ってきたり、害獣を駆除したり、時には盗賊の類を討伐していた。そういった生活が3年続いた。
転機は唐突にやってくる。大規模な盗賊団が移動してきた。といっても100足らずだが、俺が身を寄せている村は、ハンターをのぞくと兵士と呼べる人間は数名で、十分に脅威となる数だ。
さて、例の盗賊団が移動してきた理由は簡単で、討伐を受けたせいだった。奴らを追って傭兵団が現れた。現地のハンターに情報収集を行い、盗賊団の行方をしっかり確認している。
傭兵団のリーダーはクレーゼと言った。左目が縦に真っ二つになっており、すごみがある風貌だった。マッセナと意気投合し、いつの間にか俺も盗賊の討伐に加わることになっていた。まあ、それはいい。俺に否やはない。俺はマッセナの副官扱いで、10人ほどの部隊に加わった、隊長はマッセナだ。
「さて、とりあえず今回の仕事で組むことになった、マッセナとレイルだ。腕は立つし、このあたりの地理に詳しい。みんな、よろしく頼む」
「「おお!」」
部隊長クラスの10人ほどが応じる。まだ若い者もいるが歴戦の風格を漂わせている。それをまとめ上げるクレーゼの力量は推して知るべし、だ。
「この周辺の地図で、ここに小さな砦跡がある。奴らはここを根城にしているようだ」
「偵察してきましたが、壁にほころびもあり、守りはそれほど固くありません。立て籠もられると多少厄介ですが」
「うん、ジョルジュ、ご苦労。近くに背の高い木はあったか?」
「そこは抜かりありません。偵察兵を張り付かせてます」
「うん、さすがだ」
「では作戦を伝える。正面からは俺が率いる50。左右は20で、アドとクリフが行け!」
「「承知!」」
「敢えてこっちを開けてるのは?」
「ほう、レイル坊、よく見たな。師は囲すべからずってことだ」
「完全に取り囲むと必死になるからわざと逃げ道を残しておくってことね」
「おいおい、お前いくつだよ…? まあ、それであってる」
「ってことはここにマッセナを配置するんだね?」
「なんでそう思う?」
「取り囲まれた盗賊どもが逃げるとなると、こっちの村になるはず。人質でもとって逃げようとするだろうし?」
「お、おう」
「で、包囲もそっちがあいてるのと、このあたりは両側が崖で、頭上から攻撃を加えられる。で、隊列も伸びる。頭を押さえて叩くならここしかない」
「レイル坊、おめえ何もんだ?」
「若の素性は…すまんが明かせねえです。ただ胡乱な人間じゃない、それは儂が命を懸けてもよい」
「ああ、マッセナさん。あんたほどの人が言うなら間違いないだろう。いいなお前ら!」
「「「おお!」」」
まあ、確かに、俺の素性を明かしても頭は大丈夫かって言われるのがオチだ。伯父上から戦術はいろいろと教わっていた。ただそれを実践したことがない。要するに机上の空論だ。だが、いつか指揮官になることがあるならばという視点でいろんなものを見ることにしていた。いつか役に立つかもしれない程度の理由で。
俺はクレーゼの副官見習いにされた。彼の横で作戦開始の時を待っている。
樹上のジョルジュがハンドサインで周囲の弓兵に合図を出している。3本立てた指を握り込む。3数えたら一斉に的を狙えという合図だ。砦の壁の上にいる歩哨や篝火が矢で射貫かれる。見張りが倒されいきなり暗くなったことで砦の内部が混乱を始める。
「うっし、行くぞ。かかれえええええええええええ!!!」
クルーゼの大音声に周囲の兵たちが鬨を上げる。前衛の兵が駆け出し城壁外の敵兵を討ち取っていった。俺も剣を構えて駆けだす。迎撃に出てくる兵もいるが明らかに足並みがそろっていない。しばらく戦っていると、こちらに注意をひきつけたと判断したか、左右に伏せていた兵が出撃し内部に入り込む。中からは「もうだめだ!」とか、「逃げろ!」とか聞こえてくる。わざと開けてある方角から逃亡を始める。
追撃が始まった。最後尾の敵兵を削るくらいで本気の追走ではない。まあ、伏兵に頭を押さえられた時点で一気に殲滅する予定なので、ここで全力で走る必要はないのだ。
予定地点で前方から鬨が上がる。予定通りマッセナの部隊が奇襲をかけた。これで包囲完成だ。じわじわと敵兵を締め上げ、徐々に削ってゆく。頃合いを見て降伏勧告でおしまいだろう。
その時点で俺は勝ったつもりになっていた。経験が浅いゆえの慢心といえばその通りだ。認めたくないものだな、若さゆえの過ちは。敵の頭目が窮鼠となってこちらに向かってきたのである。
普通に戦えば俺の剣の腕は奴らのかなり上を行っていた。10回戦えば全勝可能で、それが100回になっても同じだろう。普通ならば…な。窮鼠となった兵の強さを俺は初めて感じた。すさまじい殺気と生への執着を甘く見ていたのだろう。3人までは覚えていたが、そこから先は敵の狂気に飲み込まれた。絶叫しながら剣を振り回し、必要以上の力をもって戦った。結局新兵である俺は早々に力尽きかけたのだ。恥ずかしい限りだ。
クレーゼが一騎打ちで敵の頭目を討ち取った。正直クレーゼと戦ったとして、俺が負けるとは思わない。敵の頭目もそこそこ腕が立つようだった。半ば相打ちのようにクレーゼが勝ちを拾ったが、その代償は大きかった。利き腕を負傷し、剣を握ることがかなわなくなったのである。
「若、自分を責めちゃいけません。クレーゼの旦那も敵も死力を尽くしたんです」
「ああ、けど、俺がもっとうまく戦っていれば彼は俺をかばわ無くて済んだんだ。俺が失敗した」
「初陣の新兵が10の兵を討ち取るとか普通やりませんぜ?」
「そんなもん、何の意味もない」
「若、あんたは何様のつもりですか!」
マッセナの剣幕に気おされる。今まで見たこともないような形相で俺を見据える。
「若は良くやりました。包囲するために手薄になった本陣に突っ込んできた当たり、敵の頭目も見事でした。それにね、クレーゼの旦那は若を一言でも責めましたかい?」
「いや…」
「全部仕方なかったっていうつもりはありませんが、若が全責任を負うものでもありません。それ言い出したら彼らに袋叩きにされますぜ?」
「いや、そんなつもりは…」
「だったら胸を張りなさい! 若は見事な働きをしたんです!」
「ああ、わかったよ。ありがとう、マッセナ」
「ってことでいいかい?」
「クレーゼの旦那? 傷はもういいんですかい?」
「ああ、おかげさんで。まああれだ、傭兵は引退だな」
「…すまない」
「レイル坊。気にすんな。むしろ命があっただけっめっけもんだったわ。あとな、かなりの賞金首だったみたいで、ひとまずこの村に腰を落ち着けて暮らすことにした」
「そっか。じゃあ生活は問題ないのか」
「ああ、まあ運がよかった」
「うん、よかった」
「運がよかったってのはな、レイル坊、お前さんが隣にいてくれたから俺は命を拾ったと思ってるよ。あいつのそばにいた兵を全部倒してくれたからな」
「いや、夢中で剣を振るってただけだし…」
「ていうかよ、お前さんほどの年であれだけの使い手ってのはすごいな。俺より強くないか?」
「ああ、それはそうかもな」
「ケッ、かわいげがねえ」
俺とクレーゼは顔を見合わせて笑った。久しぶりに笑った気がした。
「んでよ、頼みがある。レイル坊、おめえ、俺の傭兵団を継いでくれないか?」
「はい??」
「マッセナさん、あんたが副隊長だ。実はほかの連中からも承諾はもらってる。後はレイル坊が首を縦に振ればいい」
「俺でいいのか?」
「むしろお前さんだから任せられる」
「わかった、任された」
「ああ、よろしく頼む。んで、団の名前もお前さんが新しくつけてくれ」
「そうだな、ラーハルト隊で行こうか」
「っておい、お前さんやっぱり!?」
「まあ、そういうことだよ」
「ほへえ、俺はすごい奴と知り合ってたわけだ」
「まだまださ。これから凄くなってやるんだ」
「ああ、そうだな。大丈夫だ、俺が保証する!」
こうして俺は傭兵隊を率いることになった。まずはティルナノグ地方を押さえる。目覚めたときから俺は自分の国を取り戻さなきゃならないって思ってた。それには兵がいる。俺は最初の一歩を踏み出したことを自覚した。
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