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第3笑

薔薇の色は?

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前回のあらすじ

奏夜は自分の精神世界で
目を覚ましました。

奏夜 「てか、何でモノクロ?」

ノエ 「さあ?僕は人の心は、少ししかわからないから。」

奏夜 「まじで?」

ノエ 「人の心は色々弄って作ってたし、4人で一緒に作ったからよく分かんないだよねー。」

奏夜 「へぇー。」

ノエ 「ま、意味はあるよ。人によって精神世界は、違うから。」



でした。





……何だか身体が重い。
しかも、所々が痛い。

奏夜 「……っ。」

奏夜はゆっくりと瞼を開けた。
そこには知らない豪華な装飾が
施された天井があった。

奏夜 「何処だ、ここ?」

奏夜はゆっくりと横を見る。
どうやら何処かの豪華な部屋に
奏夜はいる事を理解した。
そして、奏夜はベットで
寝ていてすぐ横に椅子に
座って寝ている奏心がいた。

奏夜 「………………。」

奏夜はゆっくりと上半身を
起こして、奏心の頭を撫でる。

奏心 「………………。」

奏心は安らかな寝息をたてている。

ー ガチャ

奏夜が奏心を撫でていると、
部屋の扉が開いた。
そこにはリリスが立っていた。

リリス 「……えっ。」

奏夜 「あ。」

リリスは奏夜を見ると、とても
驚いた顔を浮べ、そしてワタワタと
その場で慌てた後、走っていって
しまった。

奏夜 「えぇー……。」

微かにリリスの慌てた声が
響いている。

奏心 「……うぅん。」

どうやらリリスの声で奏心が
目を覚ましたようだ。

奏夜 「おう。おはよ。」

奏心 「うん?……奏兄?」

奏心は瞼を何度か擦りながら
寝ぼけた声で言う。
そして、奏夜を見て徐々に目を
大きく開き驚いた顔をする。

奏心 「そ、奏兄……!!」

奏夜 「イケメンなお前のお兄様だが?」

ー ドガッ!!

奏夜 「グフッ!!」

いきなり奏心は奏夜に
飛びついた。

奏心 「奏兄の馬鹿ぁ~!!」

奏心はずっと馬鹿馬鹿馬鹿と
言い続けている。

奏夜 「ど、どうしたんだよ、奏心。」

奏心 「……心配っ……したんだからっ!!」

奏心は奏夜の腹回りに
顔を押し付けている。
奏心は奏夜の腹に
回している手の力を少し
強めつつ言った。

奏夜 「……ごめん。ごめんな、奏心。」

そんな奏心の頭をまた優しく撫でる。

奏心 「…………もう2度とさせないで。」

奏夜 「……努力する。」

奏心が顔を上げる。
奏心の目の周りは赤くなっていた。
奏夜は奏心の頬を撫でる。

奏夜 「……もう悲しませないよ。」

奏夜は奏心を抱きしめる。
奏心は奏夜の胸に額を当てる。
しばらく沈黙が流れる。

奏夜 「そう言えば、ここって……。」

ー バァンッ!!

奏夜が疑問を奏心に問いかけようと
した時、行き良いよく扉が開いた。

                  「「奏夜!!」」

そして、リリス、ルシア、カイル、
カール、オーウェンが雪崩込む様に
部屋に入ってくる。

奏夜 「おう。おはよ?」

奏夜は奏心を抱きしめた状態のまま
疑問形でみんなに挨拶をする。
それを見たリリス達は、何故か
また扉を開けて出ていこうとする。

奏夜 「えっ、ちょ、何で出ていこうとするんだよ!?」

カール 「いや……お邪魔かなと。」

奏夜 「いやいや、何でだよ!!俺ら兄弟だっつうの!!」

リリス達は奏夜の近くに寄る。
ちなみに奏心は奏夜の腕の中で
羞恥により顔を真っ赤にしていた。
ようやく、奏夜は奏心を
離したが奏心は顔をすぐに
毛布で隠してしまった。

奏夜 「……何故隠す。」

奏心 「しばらくほっといて。」

奏夜 「……おk。」

奏夜はリリス達に聞く。

奏夜 「ここって何処?」

リリス達は順番に奏夜に
説明していく。

リリス 「ここは、オリアナの王城だよ。」

カール 「奏夜が倒れてから丸1日たってるよ。」

奏夜 「まじか。道理でめっちゃお腹が空いてると思った。」

オーウェン 「あれから俺が奏夜を王城まで、運んで医者に見せたりした。」

ルシア 「お医者様にすぐに治癒してもらったから、身体は筋肉痛と倦怠感だけだと思う。」

奏夜 「ああ。そうだな。」

カイル 「それで医者によると……薔薇の印が奏夜の左胸にあるって言われたんだが、知ってたのか?」

奏夜 「ああ。知ってる。」

奏夜は服をズラして皆に
薔薇の印を見せる。
薔薇の印は紫色をしていた。

カール 「紫……。」

奏夜 「赤色は身体に、青色は精神に能力を使いすぎると、負担がかかる。」

オーウェン 「そうだ。しかし……紫色なんてあったのか。」

リリス 「紫は…?」

奏夜 「多分、両方に負担がかかる。」

ルシア 「でも、印って治癒系の能力を持つ人にしかないんじゃ…?」

奏夜 「まあ、例外で俺にもあると言う事だ。」

奏夜は笑顔だが、奏夜以外は
暗い顔を浮かべていた。
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