月下の寝物語 ― 王宮の静寂に秘められた王子とメイドの密やかな交流

目が覚めて

朝の光が徐々に寝室に差し込む中、私リリアンは目を覚ました。
眠りから覚めて最初に目にしたのは、美しいエドワード王子の寝顔だった。驚きと共に、混乱した気持ちが心の中で渦巻いた。

「な、なぜ…？」

私は思わず小さな声で呟くと、エドワード王子が目を覚ましたようだった。彼は不敵な笑みを浮かべ、その美しい瞳が私を見つめている。

目を覚ました私は、初めての一瞬は夢の中にいるのではないかと錯覚した。しかし、彼の存在があまりにもリアルで、慌ただしく現実を認識した。

「おはよう、リリアン。良く眠れたかな？」

彼が口を開くと、その甘美な声が寝室に響く。

「おはようございます、エドワード王子。…どうしてここに？」

私は戸惑いの中で言葉に詰まりながら尋ねた。
彼は不敵な笑みを浮かべながら、ベッドから身を起こす。その時、初めて私は状況に気づいた。なんと、私はエドワード王子と一緒に寝ていたのだ。そして、彼に抱擁されていたのであった。

私は慌てて起き、部屋の中を見回す。

昨日の出来事が一気に思い出され、私の心はざわめく。夜、私がベッドメイクの最中に眠ってしまったことを思い出した。しかし、彼がなぜ私を抱きしめていたのか、理解できなかった。

服の中を確認すると、私の下着は乱れていない。何も起こっていないように見える。一安心した反面、エドワードが私を抱きしめていた理由に納得がいかないまま、私の心は動揺と混乱と羞恥が入り混じった複雑な感情に揺れ動いていた。

「えっと、すみません。エドワード王子、私…昨夜はベッドメイクの最中に、つい眠ってしまっていたみたいなのですが、なぜ私がこんな状況になっているのか教えていただけますか？」

私は戸惑いながら彼に尋ねた。

「お前が私のベッドで寝ていたので、私が抱き枕代わりに使わせてもらった。それだけだ。だが、お前を起こさないように慎重に抱いたつもりだ。」

エドワードは軽く笑いながら説明してくれた。

「そ、そうだったんですね。ごめんなさい、昨夜は疲れていて…」

私は頬を赤らめながら謝罪した。

「気にするな。それよりも、昨夜は久しぶりに心地よく眠れた。それにしても、お前の眠っている顔は本当に可愛かった。」

エドワード王子は優雅な笑みを浮かべながら私の頭を優しく撫でた。彼の指先が触れる度、私の心臓はドキドキと高鳴った。

「私…本当に、ごめんなさい。エドワード王子、今後はこんなことがないように気をつけます…。」
「いや、そんな謝ることではない。それよりも、お前と毎夜一緒に寝ることに決めた。お前は私の部屋で寝ることを命じる。」

彼は堂々と宣言した。
私はその言葉に耳を疑い、彼を見上げた。彼の瞳には冗談ではなく、本気の真剣さが宿っていた。

「でも、それは…」

言葉を詰まらせながらも、私は反抗するような言葉を選べずにいた。エドワード王子の支配的な雰囲気に、私の心はどこか引き寄せられているようだった。
エドワード王子の瞳が私を困らせるような視線で満たされ、返す言葉が見つからないまま、私はエドワード王子の言葉に従うことになった。
今後の日々がどのような展開を迎えるのか…。