2 / 6
ガルデ学園高等学校 ①
しおりを挟む
「4月から高校か。俺、全然実感わかねーよ。矢吹は?」
3月の肌に刺さるような風が、2人の髪をなびかせる。
「早見みたいなストーカーをつくらないように努力するよ」
卒業証書の入った筒を片手に矢吹 刹那は、いつもと変わらない皮肉を返した。
「相変わらず、性格最悪だな矢吹。わざとだってわかってても俺じゃなきゃ傷ついてるぜ?」
「女子からの告白を自分が一番好きだからの一言で断ってきた早見に性格をとやかく言われる覚えはねーよ」
卒業式も終わり軽口を叩きあいながら、2人は校庭を歩く。
荻原 早見は、笑いながら
「確かにな!一理ある!」
そう言っていたが、刹那の目にはとても寂しそうに写った。
「2年前のエドルの事、気にしてるのか?」
そう聞くと、早見の肩がビクンっと震えた。
「…」
「まーどうしようもないよな。起こってしまったものは仕方がない。って、俺がこんなこと言っても早見にとっては綺麗事だよな…悪い」
余計なことを聞いた。
そう思い刹那が俯くと、
「んな事ねーよ!矢吹は俺の事心配してくれてるって分かってるから!!ウジウジ考えてる俺がわりーありがとな!」
早見は笑顔でそう言った。
(エドル…か)
AIの発達により、感情さえもコントロール出来るようになったこの時代に突如人に宿った力、エドル。文明の開花により自然の摂理がどんどん明かされて行く末に起こった法則破りの事件。最初のエドルがいつどこでどのような形で生まれたのかはよく知らないが、
2年前…荻原 早見は刹那の目の前でエドルになった。
3月の肌に刺さるような風が、2人の髪をなびかせる。
「早見みたいなストーカーをつくらないように努力するよ」
卒業証書の入った筒を片手に矢吹 刹那は、いつもと変わらない皮肉を返した。
「相変わらず、性格最悪だな矢吹。わざとだってわかってても俺じゃなきゃ傷ついてるぜ?」
「女子からの告白を自分が一番好きだからの一言で断ってきた早見に性格をとやかく言われる覚えはねーよ」
卒業式も終わり軽口を叩きあいながら、2人は校庭を歩く。
荻原 早見は、笑いながら
「確かにな!一理ある!」
そう言っていたが、刹那の目にはとても寂しそうに写った。
「2年前のエドルの事、気にしてるのか?」
そう聞くと、早見の肩がビクンっと震えた。
「…」
「まーどうしようもないよな。起こってしまったものは仕方がない。って、俺がこんなこと言っても早見にとっては綺麗事だよな…悪い」
余計なことを聞いた。
そう思い刹那が俯くと、
「んな事ねーよ!矢吹は俺の事心配してくれてるって分かってるから!!ウジウジ考えてる俺がわりーありがとな!」
早見は笑顔でそう言った。
(エドル…か)
AIの発達により、感情さえもコントロール出来るようになったこの時代に突如人に宿った力、エドル。文明の開花により自然の摂理がどんどん明かされて行く末に起こった法則破りの事件。最初のエドルがいつどこでどのような形で生まれたのかはよく知らないが、
2年前…荻原 早見は刹那の目の前でエドルになった。
0
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる