Limiter Emotion

矢騎

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ガルデ学園高等学校 ①

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「4月から高校か。俺、全然実感わかねーよ。矢吹は?」
 3月の肌に刺さるような風が、2人の髪をなびかせる。
「早見みたいなストーカーをつくらないように努力するよ」
卒業証書の入った筒を片手に矢吹 刹那やぶき せつなは、いつもと変わらない皮肉を返した。
「相変わらず、性格最悪だな矢吹。わざとだってわかってても俺じゃなきゃ傷ついてるぜ?」
「女子からの告白を自分が一番好きだからの一言で断ってきた早見に性格をとやかく言われる覚えはねーよ」
卒業式も終わり軽口を叩きあいながら、2人は校庭を歩く。
荻原 早見おぎわら はやみは、笑いながら
「確かにな!一理ある!」
そう言っていたが、刹那の目にはとても寂しそうに写った。
「2年前のエドルの事、気にしてるのか?」
そう聞くと、早見の肩がビクンっと震えた。
「…」
「まーどうしようもないよな。起こってしまったものは仕方がない。って、俺がこんなこと言っても早見にとっては綺麗事だよな…悪い」
余計なことを聞いた。
そう思い刹那が俯くと、
「んな事ねーよ!矢吹は俺の事心配してくれてるって分かってるから!!ウジウジ考えてる俺がわりーありがとな!」
早見は笑顔でそう言った。

(エドル…か)
  AIの発達により、感情さえもコントロール出来るようになったこの時代に突如人に宿った力、エドル。文明の開花により自然の摂理がどんどん明かされて行く末に起こった法則破りの事件。最初のエドルがいつどこでどのような形で生まれたのかはよく知らないが、
2年前…荻原 早見は刹那の目の前でエドルになった。
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