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ヘタレですみません
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性交渉禁止って、それ夫婦になっても欲求不満で不倫に走っちゃうパターンだろ。
しかも俺はエミリを殺すまで完全に性交渉禁止。
欲求不満な嫁はNTRちゃうよ?
俺は現地人嫌いだし別に寝取ってくれるなら、それはそれで構わないのだが。
だが仮にも自分の嫁を他人にNTRるのは気分が良くない。
どうしたものか、なんとか結婚を反故にできないだろうか。
「で、クランチ。なにか用か?」
面倒事を二人も抱えるのは億劫なので物陰に隠れて様子を見ていたクランチに声をかける。
ギルドから隠れて着けてきていたのは臭いでバレバレだ。
「俺の女を返してもらいに来たぜ」
そうしてもらいたいのはやまやまだが、自分の女を売るような奴に渡せないわな。
「いつ私達があんたの女になったのよ!」
メリリがクランチの言いように心外だとばかりに怒鳴りつける。いや、君たちの接し方だと男ならだれでも勘違いするからね?
「ふざけるな! 俺のパーティーに入ったんだ。お前らは俺のモノなんだよ!」
「バカじゃないの」
「そうですあり得ないです」
二人は呆れてクランチからそっぽを向く。
「お前達がなんと言おうが、売り先はもう決まってるんだ」
指をパチンと鳴らすと、後ろの木陰から五人の男達が出てきた。
「こいつらはザコルフのような雑魚とは違うぜ、犯罪組織グラゼルフの構成員よ」
まさに虎の威を借りる狐とはクランチのことだな。自分で復讐に来るなら手加減してやろうと思ったが、人を頼って数の暴力で言うことを聞かそうだなんて奴は絶対に許さない。
俺の方に来ると思われた先頭の大男がクランチの頭を掴み、グリグリと自分の方に向かせる。
「おいクランチ、三下が俺らの事をこいつら呼ばわりすんじゃねぇよ」
その男はクランチを後ろに投げ捨てて睨みを利かせる。
「ヒッ、すみません」
クランチは情けない声をあげゴキブリのように這いずりながら後ろに下がる。
「まあいい、お~これはこれは、中々の上玉じゃねぇかこりゃ高値で売れるぜ」
男の一人が品定めをするように二人をみる。
あ、閃いた。
俺がこいつらにやられて、メリリとクリリにこいつらには勝てないと思わせよう。
そして命を懸けて二人を逃がせば良い。
逃げたのを確認したらこいつらやっつけてドミニティに引きこもろう。
そうすれば俺は死んだと思うだろう必然的に結婚の話は無かったことに。
最低? 知らんがな。
現地人に振り回されるのはたくさんだ。
「こいつらは俺の女だお前らにくれてやるきはない」
俺はメリリとクリリの前に庇うように立ち、男達を挑発する。
後ろに回った男が鉄パイプで俺の頭を殴ってきた。気づかれていないと思っているようだが俺の鼻の前にはバレバレである。
良いよ、良いよ作戦通りだ。
鉄パイプが当たる瞬間、俺は自分から転がり、まるで吹き飛ばされたような演技をした。
「おい、クランチこいつ強いんじゃなかったのか? 手応え無さすぎるぞ」
ゴンザレス LV41 豪腕の暗殺者
なるほどレベル41なら中々の強さだ、まあ俺に喧嘩を売るには弱すぎるけどな。
あとで仕返しするために、こいつの臭いも覚えておこう。
いや、覚える必要はないな。
こんなドブと肥溜めが合わさったような臭い忘れるわけがない。
まあ、それはおいておいて作戦決行だ。
「ぐっ、こいつら強い。二人とも逃げるんだ」
俺は頭を押さえ二人に逃げるように促した。
完璧な演技だ。これで俺はこいつらに勝てないと思い二人は逃げてくれるだろう。
今だ二人とも逃げるんだ、そして俺は魔窟に隠れるんだ。
問題解決、みんなウインウインだね!
足音が聞こえる、どうやら逃げたようだ、これで……。
目を開けた俺の前には二人の背中が映った。
メリリとクリリが俺の前に立ち。杖と剣を構えて俺を庇う姿勢をとっている。
「バカ逃げろって言ったろ」
「旦那様を見捨てて逃げれるわけないじゃない」
「旦那様と奥さんは一心同体なのですよ」
強がりを言うメリリとクリリはガクガクと震えて足元もおぼつかない。
男達に襲われた昨日の今日だ、まだ怖いはずだそれなのに俺を守るために?
「おいクランチ話が違うぞ、この女達婚姻の髪止めしてるじゃねぇか!」
そう言うとゴンザレスはクランチを張り倒す。
「そんな、昨日まではそんなのしてなかったのに」
「残念ね、さっき私達は婚姻の儀式をしたのよ」
ゴンザレスは剣で肩を叩きアゴヒゲをさする。
「まいい、それなら失墜刻印させて娼婦にすれば良いだけだ」
『ケバ子失墜刻印ってなんだ』
『蔑みの対象です』
ケバ子の説明では夫が死んだ場合、妻は殉死するのが通例で。夫の死後74日以内に殉死しなかったものには額に失墜刻印が刻まれ、周りからは蔑みの対象として差別され人権すら無くなるのだそうだ。
なにげに酷いな異世界、いや、こんな糞な世界だからこそ、こんな糞なことを考え付くのかもな。
『はぁ、俺はヘタレだな』
『そうですね』
ケバ子にヘタレと言われるレベルで最低な男だ。ケバ子にたいして怒りすらもわかない。
ケバ子は俺の強さを知っている、その上で俺がやられた意味をすぐに察したのだろう。
言い分けはしない、俺は俺の思ったことをやるだけだ。
俺は立ち上がり二人の前に立った。
「すまない、俺なら大丈夫だ。ここで俺の、夫の活躍を見ていろ」
「はい、旦那様!」
「信じてるです」
俺は部位交換で全ての体を人間物と交換した。
人間と言っても自分の体じゃないので明らかに元の低スペックの体より強いが、それでも魔物の体よりも大幅なパワーダウンだ。
「おいおい、寝たふりをしてれば楽に殺してやったのに」
先程一撃で飛んだ俺を弱いと決めつけているのだろう。
二人の前に立った俺を嘲り笑う。
「1分だけ好きに殴らせてやろう、それで殺せればお前の勝ちだ」
「言うじゃねぇか」
俺の挑発に乗りゴンザレスが拳を振り上げ俺をサンドバックのように殴り出す。
拳の動きは見えるだがあえて俺は受けた、避けることなくすべて。
さすがに痛い、死ぬレベルで痛い。
だが、俺から拒否されていた二人の痛みはこんなものじゃあるまい。
「一分だ、お前の敗けだ」
「うるせぇ死ね!」
ゴンザレスは剣を抜き上段から袈裟斬りで俺を切りつける。
体を踏み込み腰を回転させ、腕を捻りインパクトの瞬間腕を引く。
「中国拳法的コークスクリューパンチ」
その一撃はゴンザレスの腹部にあたりゴンザレスは5m程転がり泡を吹いて倒れた。
残りの男達も同様に中国拳法的コークスクリューパンチ
で吹き飛ばした。
「クランチ、何か言うことはあるか?」
「許してくれ、金がいるんだ病気の妹がいるんだ」
また病気の妹か、そう言うのはケバ子で間に合ってるんだよ。
「吹き飛べよ中国拳法的コークスクリューパンチ!」
クランチの顔面にヒットしたパンチはゴキゴキと言う音を立てて頭蓋を粉砕していく。
俺が人を殺すところを二人には見せたくない。
殴った瞬間、俺は回復魔法をかけ破損した顔面を修復させた。これで死ぬことはないだろうがその痛みは失神するほどだろう。
森の中へと吹っ飛んだクランチを見届けると俺は二人に謝る。
「ごめん、二人には迷惑かけた」
俺は二人に頭を下げる 、謝って許されることとも思えないが。
「迷惑なんか、かけられてないよ」
「そうです、むしろ私達のせいでカオスがボロボロなのです」
二人は俺に寄り添い肩を貸してくれる。
「結婚の事だけど、カオスが嫌なら良いよ?」
クリリが顔を歪ませて、今にも泣きそうになりながらも言葉を振り絞る。
「そうです、カオスにこれ以上嫌われたくないです」
メリリは我慢できなかったのか涙を流してそう言うと下をうつ向く。
異世界人とか現地人とか気にして俺は馬鹿みたいだな。こんなに俺のことを好いてくれているのに。
「今すぐ結婚はできないけど、ちゃんと責任はとるから一緒にいてくれないか?」
「良いの?」
「ああ、二人に一緒に来て欲しい」
「はい、ずっと側にいます」
「ついていくです」
二人は喜びの涙を流し俺に抱きつく。まあメリリは元から泣いてたが。
喜んで泣いてくれるなんて男冥利につきるだろ。
俺に言えるのは今はこれだけだ。
すぐに結婚すれば確実にこの子達を殺すことになる。
それを避けるには未来が決定した保留で我慢してもらうしかない。
女神様、今回のことであなたのことが少し嫌いになりました。
しかも俺はエミリを殺すまで完全に性交渉禁止。
欲求不満な嫁はNTRちゃうよ?
俺は現地人嫌いだし別に寝取ってくれるなら、それはそれで構わないのだが。
だが仮にも自分の嫁を他人にNTRるのは気分が良くない。
どうしたものか、なんとか結婚を反故にできないだろうか。
「で、クランチ。なにか用か?」
面倒事を二人も抱えるのは億劫なので物陰に隠れて様子を見ていたクランチに声をかける。
ギルドから隠れて着けてきていたのは臭いでバレバレだ。
「俺の女を返してもらいに来たぜ」
そうしてもらいたいのはやまやまだが、自分の女を売るような奴に渡せないわな。
「いつ私達があんたの女になったのよ!」
メリリがクランチの言いように心外だとばかりに怒鳴りつける。いや、君たちの接し方だと男ならだれでも勘違いするからね?
「ふざけるな! 俺のパーティーに入ったんだ。お前らは俺のモノなんだよ!」
「バカじゃないの」
「そうですあり得ないです」
二人は呆れてクランチからそっぽを向く。
「お前達がなんと言おうが、売り先はもう決まってるんだ」
指をパチンと鳴らすと、後ろの木陰から五人の男達が出てきた。
「こいつらはザコルフのような雑魚とは違うぜ、犯罪組織グラゼルフの構成員よ」
まさに虎の威を借りる狐とはクランチのことだな。自分で復讐に来るなら手加減してやろうと思ったが、人を頼って数の暴力で言うことを聞かそうだなんて奴は絶対に許さない。
俺の方に来ると思われた先頭の大男がクランチの頭を掴み、グリグリと自分の方に向かせる。
「おいクランチ、三下が俺らの事をこいつら呼ばわりすんじゃねぇよ」
その男はクランチを後ろに投げ捨てて睨みを利かせる。
「ヒッ、すみません」
クランチは情けない声をあげゴキブリのように這いずりながら後ろに下がる。
「まあいい、お~これはこれは、中々の上玉じゃねぇかこりゃ高値で売れるぜ」
男の一人が品定めをするように二人をみる。
あ、閃いた。
俺がこいつらにやられて、メリリとクリリにこいつらには勝てないと思わせよう。
そして命を懸けて二人を逃がせば良い。
逃げたのを確認したらこいつらやっつけてドミニティに引きこもろう。
そうすれば俺は死んだと思うだろう必然的に結婚の話は無かったことに。
最低? 知らんがな。
現地人に振り回されるのはたくさんだ。
「こいつらは俺の女だお前らにくれてやるきはない」
俺はメリリとクリリの前に庇うように立ち、男達を挑発する。
後ろに回った男が鉄パイプで俺の頭を殴ってきた。気づかれていないと思っているようだが俺の鼻の前にはバレバレである。
良いよ、良いよ作戦通りだ。
鉄パイプが当たる瞬間、俺は自分から転がり、まるで吹き飛ばされたような演技をした。
「おい、クランチこいつ強いんじゃなかったのか? 手応え無さすぎるぞ」
ゴンザレス LV41 豪腕の暗殺者
なるほどレベル41なら中々の強さだ、まあ俺に喧嘩を売るには弱すぎるけどな。
あとで仕返しするために、こいつの臭いも覚えておこう。
いや、覚える必要はないな。
こんなドブと肥溜めが合わさったような臭い忘れるわけがない。
まあ、それはおいておいて作戦決行だ。
「ぐっ、こいつら強い。二人とも逃げるんだ」
俺は頭を押さえ二人に逃げるように促した。
完璧な演技だ。これで俺はこいつらに勝てないと思い二人は逃げてくれるだろう。
今だ二人とも逃げるんだ、そして俺は魔窟に隠れるんだ。
問題解決、みんなウインウインだね!
足音が聞こえる、どうやら逃げたようだ、これで……。
目を開けた俺の前には二人の背中が映った。
メリリとクリリが俺の前に立ち。杖と剣を構えて俺を庇う姿勢をとっている。
「バカ逃げろって言ったろ」
「旦那様を見捨てて逃げれるわけないじゃない」
「旦那様と奥さんは一心同体なのですよ」
強がりを言うメリリとクリリはガクガクと震えて足元もおぼつかない。
男達に襲われた昨日の今日だ、まだ怖いはずだそれなのに俺を守るために?
「おいクランチ話が違うぞ、この女達婚姻の髪止めしてるじゃねぇか!」
そう言うとゴンザレスはクランチを張り倒す。
「そんな、昨日まではそんなのしてなかったのに」
「残念ね、さっき私達は婚姻の儀式をしたのよ」
ゴンザレスは剣で肩を叩きアゴヒゲをさする。
「まいい、それなら失墜刻印させて娼婦にすれば良いだけだ」
『ケバ子失墜刻印ってなんだ』
『蔑みの対象です』
ケバ子の説明では夫が死んだ場合、妻は殉死するのが通例で。夫の死後74日以内に殉死しなかったものには額に失墜刻印が刻まれ、周りからは蔑みの対象として差別され人権すら無くなるのだそうだ。
なにげに酷いな異世界、いや、こんな糞な世界だからこそ、こんな糞なことを考え付くのかもな。
『はぁ、俺はヘタレだな』
『そうですね』
ケバ子にヘタレと言われるレベルで最低な男だ。ケバ子にたいして怒りすらもわかない。
ケバ子は俺の強さを知っている、その上で俺がやられた意味をすぐに察したのだろう。
言い分けはしない、俺は俺の思ったことをやるだけだ。
俺は立ち上がり二人の前に立った。
「すまない、俺なら大丈夫だ。ここで俺の、夫の活躍を見ていろ」
「はい、旦那様!」
「信じてるです」
俺は部位交換で全ての体を人間物と交換した。
人間と言っても自分の体じゃないので明らかに元の低スペックの体より強いが、それでも魔物の体よりも大幅なパワーダウンだ。
「おいおい、寝たふりをしてれば楽に殺してやったのに」
先程一撃で飛んだ俺を弱いと決めつけているのだろう。
二人の前に立った俺を嘲り笑う。
「1分だけ好きに殴らせてやろう、それで殺せればお前の勝ちだ」
「言うじゃねぇか」
俺の挑発に乗りゴンザレスが拳を振り上げ俺をサンドバックのように殴り出す。
拳の動きは見えるだがあえて俺は受けた、避けることなくすべて。
さすがに痛い、死ぬレベルで痛い。
だが、俺から拒否されていた二人の痛みはこんなものじゃあるまい。
「一分だ、お前の敗けだ」
「うるせぇ死ね!」
ゴンザレスは剣を抜き上段から袈裟斬りで俺を切りつける。
体を踏み込み腰を回転させ、腕を捻りインパクトの瞬間腕を引く。
「中国拳法的コークスクリューパンチ」
その一撃はゴンザレスの腹部にあたりゴンザレスは5m程転がり泡を吹いて倒れた。
残りの男達も同様に中国拳法的コークスクリューパンチ
で吹き飛ばした。
「クランチ、何か言うことはあるか?」
「許してくれ、金がいるんだ病気の妹がいるんだ」
また病気の妹か、そう言うのはケバ子で間に合ってるんだよ。
「吹き飛べよ中国拳法的コークスクリューパンチ!」
クランチの顔面にヒットしたパンチはゴキゴキと言う音を立てて頭蓋を粉砕していく。
俺が人を殺すところを二人には見せたくない。
殴った瞬間、俺は回復魔法をかけ破損した顔面を修復させた。これで死ぬことはないだろうがその痛みは失神するほどだろう。
森の中へと吹っ飛んだクランチを見届けると俺は二人に謝る。
「ごめん、二人には迷惑かけた」
俺は二人に頭を下げる 、謝って許されることとも思えないが。
「迷惑なんか、かけられてないよ」
「そうです、むしろ私達のせいでカオスがボロボロなのです」
二人は俺に寄り添い肩を貸してくれる。
「結婚の事だけど、カオスが嫌なら良いよ?」
クリリが顔を歪ませて、今にも泣きそうになりながらも言葉を振り絞る。
「そうです、カオスにこれ以上嫌われたくないです」
メリリは我慢できなかったのか涙を流してそう言うと下をうつ向く。
異世界人とか現地人とか気にして俺は馬鹿みたいだな。こんなに俺のことを好いてくれているのに。
「今すぐ結婚はできないけど、ちゃんと責任はとるから一緒にいてくれないか?」
「良いの?」
「ああ、二人に一緒に来て欲しい」
「はい、ずっと側にいます」
「ついていくです」
二人は喜びの涙を流し俺に抱きつく。まあメリリは元から泣いてたが。
喜んで泣いてくれるなんて男冥利につきるだろ。
俺に言えるのは今はこれだけだ。
すぐに結婚すれば確実にこの子達を殺すことになる。
それを避けるには未来が決定した保留で我慢してもらうしかない。
女神様、今回のことであなたのことが少し嫌いになりました。
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