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55話 荒野の攻防戦
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十二宝具が一つ、一心の騎乗具。
勇者が騎乗する際に用いた鞍であり、乗る者と乗られる者の精神を繋ぐと言われている。
勇者は主に馬に対して使用していたが、対象は選ばずどんな生き物にでも装着する事が出来た。
馬は当然として、牛、豚、そして同意が得られるならば魔物であっても。
物理的な有り得ない挙動で、たちまち形状や大きさを変化させてその騎乗する生き物に即した形態を取るのだ。
この万能の能力に限界は存在しない。
ドラゴンであろうとも、最適な形態となり最高の乗り心地と一体感を提供する。
「……」
大地から見上げ、遥か上空。
空と宙の境目。
昼と夜が混ざり合ったかのような、ダークブルーの満天の中。
「どうだカズヤ」
「すっ……げえ」
手綱を握りしめる和也は、知らずの内に涙が流れている事に気が付いた。
涙は重力に従い、風や気圧の影響を完全に無視して直下へと流れ落ちる。
これも宝具のお陰なのだろうか、なんて余所見な感想は和也の中には無い。
「私の全速力は雷鳴の何倍も早いんだ空の際まで飛べるし何かに邪魔されても決して止まりはしない」
以前の飛行は和也がしがみつくのに必死であり、何より速度は相当に落として飛行していた。
しかし、今はどうだ。
雲が、白む昼の月や、太陽も、音すら。
全て置き去りにして、唯一先行する光のみを目指して一直線に飛行する。
以前はケンタウロスの住まう草原、遥かな高所から景色に感動した。
今回は、只管純粋な速さという概念に胸を打たれる。
手綱を通じて、空を飛ぶ月を見る者の感覚が直に伝わってくるのだ。
比翼を過ぎ去っていく風の感覚は指先に、凍てつく様な冷気は脳裏に、それぞれを擬似的に体感する。
「カズヤ前にも言ったな空は私とお前の世界だお前の望むままに空を裂こう」
「うん……うん? 」
振り向くと何も居ない。
愛歌も、ベルライトも。
「……2人は? 」
「さっき振り落としたちゃったみたいだぞ」
「ば、ばかもーん! 」
とっくに魔王城上空まで来ていた彼らが、失神して落下中の2人を回収して再び戻ってきたのはもう少し先の事であった。
しかも道中、村で拾うはずだった他のメンバーまで全員置き去りにしていた事に気付いてまた戻り……
昼間に出発したと言うのに、全ての準備を終えた頃には、もう夕方になってしまっていた。
大陸の極西へと続く、無尽の荒野にて。
「死ぬかと思いました。高所から落下すると直ぐに気絶すると言うのは本当だったんですね」
「……」
「見てください、ベルライト様なんて先程から真っ青になって一言も喋って……え? 替えの下着ですか? ちょっと待って下さいね、今荷物を……」
和也、愛歌、月を見る者、麗らかな日和、春の息吹、ベルライト。
そしてエルヴィン、ドロシー、ルーリエ。
ルーリエ……
人種も種族も関係無い異色の一行は、魔王城に向かって陸路を進んでいた。
飛んで行ければ楽なのだが、どうやら宝具による恩恵を受ける事が出来るのは1人だけらしく、月を見る者が全速を出せばあっという間に和也以外を振り落としてしまう。
戦闘が始まればまた騎乗するつもりだが、とりあえずはこうして歩いて移動する事になっていた。
「いや、なんで着いて来てるの」
「え? 」
「ルーリエ皇女殿下! 貴方の事ですよ! 」
きょとん、とした顔の皇女。
和也はもう遠慮なんて無しにズビシッと指差した。
「わ、私はただ」
「はいはい。エルヴィン君が行くから行くって言うんでしょう、それなら彼と一緒に待ってて下さいよ」
正直、ルーリエが来ると私情で戦いなんて言ってられなくなる。
彼女は存在その物が政治的で、しかも命が危険に晒される今回は特に洒落にならない。
「直ぐに引き返してもらいますよ。エルヴィン君、殿下を送ってあげて。そもそも君だって一緒に来る理由は無いんだからね」
「.……カズヤさん。差し出がましいかも知れませんが、俺も彼女も」
いつに無く真剣な面持ちのエルヴィンが、足を止めて何かを言いかけた。
真面目な雰囲気を感じ取って、同じく足を止めた和也。
それは幸運か不幸だったのか。
「カズヤ! 」
横から、月を見る者が強く和也を突き飛ばした。
ついさっきまで和也が居た場所に、巨大な槍が通り過ぎる。
粉塵を撒き散らしながら、槍は根元まで深々と大地に突き刺さった。
「む!!!! この矢は……ッ! 」
「矢!? これが!? と、ともかく何処か隠れ……」
咄嗟に辺りを見渡した和也。
しかし、辺りには何もない。
枯れ木と、到底人が隠れるなんて出来ない大きさの岩が数個。
「しまった、そこまで考えてなかった」
この荒野は彼らの狩場だ。
彼らと、この荒野が連想出来ずに対応が遅れてしまった。
彼ら……ケンタウロスの矢が雨あられと降り注ぐ。
「くそ! バラけて」
まるで流星群、或いは爆撃地域だ。
立ち止まっていては、全員ここで大地に縫い止められて死んでしまう。
「ブッヒ」
「……あー、くそ」
連続で響く風を切る音と破砕音。
鼓膜が敗れそうな衝撃の中、聞き慣れた鳴き声が和也の耳に届いた。
巻き上げられた粉塵の中。
不良な視界の中にあって、視線を惹き付ける圧倒的な存在感。
「ブヒ」
オーク。
筋骨隆々の巨体、厳しい豚面の怪物。
「鉄の猪……! 」
「ブ……」
オーク族最強の戦士、鉄の猪が拳を振り上げた。
巨体が更に一回り大きくなったと錯覚するかのような熱量が、その拳に込められている。
「ヒィ! 」
数秒のタメの後、拳は地面に向かって振り下ろされた。
余りの衝撃に、和也らは思わず尻もちを着く。
「う、嘘だろファンタジーやり過ぎだろ」
信じられない事に鉄の猪の拳は地面を貫き、そこを起点として大地が裂け始めた。
裂け目はどんどん広がり、地下の空間が露になる。
ボロボロと崩れ始めた大地に、体勢を崩していた和也と他の数名が呑み込まれてしまった。
「分断は成功したブヒ」
「ご苦労であった。私達は予定通り地下空洞に落ちた者を、鉄の猪殿は地上に残った者らを……」
岩陰から出てきた緑の刃が、控えていた他のゴブリンに指示を出そうとした瞬間、大気が震える程の咆哮が荒野に響き渡った。
「この恥知らず共が! 短い付き合いとは言えかつての主君を襲うとはなぁ! 」
大気を満たすマナが震える。
本来、何者にも属さずただ浮遊するだけのマナが咆哮に呼応して高温を発し始めた。
ドラゴン。
和也の最強の仲間にして、伴侶を自称する月を見る者が牙を剥いた。
「流石に我らでお前の相手は出来ん」
「本当に悔しいブヒがな……あんな奴らに頼るなぞ」
いつもなら震え上がって逃げ惑う魔物の不遜な態度に訝しんでいると、鉄の猪が発したものとは別の衝撃か2つ連続で荒野に轟いた。
そちらに視線を向けて、少しだけ目を見開く。
「……ほう、1000年ぶりか」
月を見る者に傾いていたマナが、強引に中立に引き戻される。
笛の鳴るような美しい鳴き声。
鉄を擦り合わせる様な不快な鳴き声。
「嗚呼……やはり次に会う時は敵同士、そう言った貴方は正しかったのだね」
「赤龍! あぁ千年経った! 久しいなぁ! また会えるとはなぁ! 」
世界最強種。
かつての鋭く睨む者と共に、その一角に数えられていた龍が二体。
魔王はゴブリンやオーク、ケンタウロス達だけでなくドラゴンを更に二体も仲間に引き入れていたのだ。
いや、あるいはかつての大戦の際から今日この時を見越して潜伏させていたのかもしれない。
「人類との永久戦争だなんて馬鹿らしい……私達さえ居れば一瞬で帝国諸共消し飛ばしてやれるのに。ですが、あの方の命令ですからね」
シルクの様に白く美しく、儚い。
細身の龍、頂きに坐す天剣。
「どうでもいいぜ! さっさとやろう! 喧嘩の続きだ! 」
左右非対称に黒焦げた様な装甲を纏う。
不格好な龍、傷だらけの黒鉄。
「……」
同格の最強種が二体。
彼らに背を向けて和也の救出や、他の手助けには行けそうもない。
月を見る者は牙を剥いて、傲慢に笑って見せた。
「来い」
勇者が騎乗する際に用いた鞍であり、乗る者と乗られる者の精神を繋ぐと言われている。
勇者は主に馬に対して使用していたが、対象は選ばずどんな生き物にでも装着する事が出来た。
馬は当然として、牛、豚、そして同意が得られるならば魔物であっても。
物理的な有り得ない挙動で、たちまち形状や大きさを変化させてその騎乗する生き物に即した形態を取るのだ。
この万能の能力に限界は存在しない。
ドラゴンであろうとも、最適な形態となり最高の乗り心地と一体感を提供する。
「……」
大地から見上げ、遥か上空。
空と宙の境目。
昼と夜が混ざり合ったかのような、ダークブルーの満天の中。
「どうだカズヤ」
「すっ……げえ」
手綱を握りしめる和也は、知らずの内に涙が流れている事に気が付いた。
涙は重力に従い、風や気圧の影響を完全に無視して直下へと流れ落ちる。
これも宝具のお陰なのだろうか、なんて余所見な感想は和也の中には無い。
「私の全速力は雷鳴の何倍も早いんだ空の際まで飛べるし何かに邪魔されても決して止まりはしない」
以前の飛行は和也がしがみつくのに必死であり、何より速度は相当に落として飛行していた。
しかし、今はどうだ。
雲が、白む昼の月や、太陽も、音すら。
全て置き去りにして、唯一先行する光のみを目指して一直線に飛行する。
以前はケンタウロスの住まう草原、遥かな高所から景色に感動した。
今回は、只管純粋な速さという概念に胸を打たれる。
手綱を通じて、空を飛ぶ月を見る者の感覚が直に伝わってくるのだ。
比翼を過ぎ去っていく風の感覚は指先に、凍てつく様な冷気は脳裏に、それぞれを擬似的に体感する。
「カズヤ前にも言ったな空は私とお前の世界だお前の望むままに空を裂こう」
「うん……うん? 」
振り向くと何も居ない。
愛歌も、ベルライトも。
「……2人は? 」
「さっき振り落としたちゃったみたいだぞ」
「ば、ばかもーん! 」
とっくに魔王城上空まで来ていた彼らが、失神して落下中の2人を回収して再び戻ってきたのはもう少し先の事であった。
しかも道中、村で拾うはずだった他のメンバーまで全員置き去りにしていた事に気付いてまた戻り……
昼間に出発したと言うのに、全ての準備を終えた頃には、もう夕方になってしまっていた。
大陸の極西へと続く、無尽の荒野にて。
「死ぬかと思いました。高所から落下すると直ぐに気絶すると言うのは本当だったんですね」
「……」
「見てください、ベルライト様なんて先程から真っ青になって一言も喋って……え? 替えの下着ですか? ちょっと待って下さいね、今荷物を……」
和也、愛歌、月を見る者、麗らかな日和、春の息吹、ベルライト。
そしてエルヴィン、ドロシー、ルーリエ。
ルーリエ……
人種も種族も関係無い異色の一行は、魔王城に向かって陸路を進んでいた。
飛んで行ければ楽なのだが、どうやら宝具による恩恵を受ける事が出来るのは1人だけらしく、月を見る者が全速を出せばあっという間に和也以外を振り落としてしまう。
戦闘が始まればまた騎乗するつもりだが、とりあえずはこうして歩いて移動する事になっていた。
「いや、なんで着いて来てるの」
「え? 」
「ルーリエ皇女殿下! 貴方の事ですよ! 」
きょとん、とした顔の皇女。
和也はもう遠慮なんて無しにズビシッと指差した。
「わ、私はただ」
「はいはい。エルヴィン君が行くから行くって言うんでしょう、それなら彼と一緒に待ってて下さいよ」
正直、ルーリエが来ると私情で戦いなんて言ってられなくなる。
彼女は存在その物が政治的で、しかも命が危険に晒される今回は特に洒落にならない。
「直ぐに引き返してもらいますよ。エルヴィン君、殿下を送ってあげて。そもそも君だって一緒に来る理由は無いんだからね」
「.……カズヤさん。差し出がましいかも知れませんが、俺も彼女も」
いつに無く真剣な面持ちのエルヴィンが、足を止めて何かを言いかけた。
真面目な雰囲気を感じ取って、同じく足を止めた和也。
それは幸運か不幸だったのか。
「カズヤ! 」
横から、月を見る者が強く和也を突き飛ばした。
ついさっきまで和也が居た場所に、巨大な槍が通り過ぎる。
粉塵を撒き散らしながら、槍は根元まで深々と大地に突き刺さった。
「む!!!! この矢は……ッ! 」
「矢!? これが!? と、ともかく何処か隠れ……」
咄嗟に辺りを見渡した和也。
しかし、辺りには何もない。
枯れ木と、到底人が隠れるなんて出来ない大きさの岩が数個。
「しまった、そこまで考えてなかった」
この荒野は彼らの狩場だ。
彼らと、この荒野が連想出来ずに対応が遅れてしまった。
彼ら……ケンタウロスの矢が雨あられと降り注ぐ。
「くそ! バラけて」
まるで流星群、或いは爆撃地域だ。
立ち止まっていては、全員ここで大地に縫い止められて死んでしまう。
「ブッヒ」
「……あー、くそ」
連続で響く風を切る音と破砕音。
鼓膜が敗れそうな衝撃の中、聞き慣れた鳴き声が和也の耳に届いた。
巻き上げられた粉塵の中。
不良な視界の中にあって、視線を惹き付ける圧倒的な存在感。
「ブヒ」
オーク。
筋骨隆々の巨体、厳しい豚面の怪物。
「鉄の猪……! 」
「ブ……」
オーク族最強の戦士、鉄の猪が拳を振り上げた。
巨体が更に一回り大きくなったと錯覚するかのような熱量が、その拳に込められている。
「ヒィ! 」
数秒のタメの後、拳は地面に向かって振り下ろされた。
余りの衝撃に、和也らは思わず尻もちを着く。
「う、嘘だろファンタジーやり過ぎだろ」
信じられない事に鉄の猪の拳は地面を貫き、そこを起点として大地が裂け始めた。
裂け目はどんどん広がり、地下の空間が露になる。
ボロボロと崩れ始めた大地に、体勢を崩していた和也と他の数名が呑み込まれてしまった。
「分断は成功したブヒ」
「ご苦労であった。私達は予定通り地下空洞に落ちた者を、鉄の猪殿は地上に残った者らを……」
岩陰から出てきた緑の刃が、控えていた他のゴブリンに指示を出そうとした瞬間、大気が震える程の咆哮が荒野に響き渡った。
「この恥知らず共が! 短い付き合いとは言えかつての主君を襲うとはなぁ! 」
大気を満たすマナが震える。
本来、何者にも属さずただ浮遊するだけのマナが咆哮に呼応して高温を発し始めた。
ドラゴン。
和也の最強の仲間にして、伴侶を自称する月を見る者が牙を剥いた。
「流石に我らでお前の相手は出来ん」
「本当に悔しいブヒがな……あんな奴らに頼るなぞ」
いつもなら震え上がって逃げ惑う魔物の不遜な態度に訝しんでいると、鉄の猪が発したものとは別の衝撃か2つ連続で荒野に轟いた。
そちらに視線を向けて、少しだけ目を見開く。
「……ほう、1000年ぶりか」
月を見る者に傾いていたマナが、強引に中立に引き戻される。
笛の鳴るような美しい鳴き声。
鉄を擦り合わせる様な不快な鳴き声。
「嗚呼……やはり次に会う時は敵同士、そう言った貴方は正しかったのだね」
「赤龍! あぁ千年経った! 久しいなぁ! また会えるとはなぁ! 」
世界最強種。
かつての鋭く睨む者と共に、その一角に数えられていた龍が二体。
魔王はゴブリンやオーク、ケンタウロス達だけでなくドラゴンを更に二体も仲間に引き入れていたのだ。
いや、あるいはかつての大戦の際から今日この時を見越して潜伏させていたのかもしれない。
「人類との永久戦争だなんて馬鹿らしい……私達さえ居れば一瞬で帝国諸共消し飛ばしてやれるのに。ですが、あの方の命令ですからね」
シルクの様に白く美しく、儚い。
細身の龍、頂きに坐す天剣。
「どうでもいいぜ! さっさとやろう! 喧嘩の続きだ! 」
左右非対称に黒焦げた様な装甲を纏う。
不格好な龍、傷だらけの黒鉄。
「……」
同格の最強種が二体。
彼らに背を向けて和也の救出や、他の手助けには行けそうもない。
月を見る者は牙を剥いて、傲慢に笑って見せた。
「来い」
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