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69話 俺に任せろ!
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頼れる人がいると、どんな気持ちになるのだろう。
熱を持ち、重く鈍くなった脳味噌で考えるけれど皆目見当もつかない。
魔王にはそんな人なんていなかったからだ。
想像すら出来なかった。
家族は居ても居なくても変わらない存在で、友人なんて概念は存在しなかった。
別に、抱える問題を迅速スマートに、完璧に解決して欲しい訳じゃない。
優しく抱きしめて、いいこいいこと、撫でて欲しい訳じゃない。
「まじで!? 」
そうそう。
こんな風に、話を聞いてくれたらそれで良かった。
一緒に悩んで、どうしようも無いなら励ましてくれたり、少し手伝ってくれたり。
そんな事を、利害関係なくしてくれる……友達がいれば、魔王は満足だった。
ささやかな望みだ。
しかしそれすら叶わずに、このザマだ。
みっともないったらありゃしない。
「俺とこいつ、元々がこんなにそっくりなの? 転生前から? すげぇ」
「うむうむ外見なんて私や他の者は一切気にせんだろう魔力で判断するからなしかし一応顔はそっくりだったぞ」
可憐な声。
鈴のなるような可愛らしい声と、少し憎たらしい間抜けな声が響く。
鋭く睨む者が和也に包帯を巻いてやりながら、話し込んでいた。
もう名前は違うのだが、新たな名前を魔王は知らない、変わったことすら知らない。
鋭く睨む者改め、月を見る者は力いっぱい包帯を巻くものだから和也の腕や足はボンレスハムみたいにミチミチと軋み、今にも爆発しそうだ。
痛い痛い! と和也が訴えても、月を見る者は止血だ! と言って聞かない。
暫くその様子をぼーっと眺めてから、ようやく声をかけた。
「……随分、仲がいいんだな」
「あ! 起きた! 後で怪我治してよ、自分のやった後でいいからさ」
和也は身体を起こし、元気そうに話してはいるが酷い有様だった。
時折苦しそうに咳き込み、痛む箇所を抑えて顔を顰めている。
魔王は自らの回復を手早く済ませて、和也に触れた。
淡い光が漏れて、和也の傷を癒し、疲労を回復させていく。
ものの数秒で、立ち上がることすら出来なくなっていた和也は完全に回復しきっていた。
光が収まると、和也は呆れた顔で全快した体を確認する。
「一時期使ってたけど、相変わらず凄いな。どんな原理なのよ、今更だけど」
「知らない。文献を残したりする魔物は少ないからな、調べたこともない」
「へー」
正直興味はそこまでない。
今更衝撃の事実! とか真に倒すべき的! とか後出しされたって、ぶっちゃけどうでもいい。
そんな高尚な理由でここに来た訳じゃないし。
むかついた奴をしこたま殴れて、和也は完全に満足しきっていた。
回復し、痛みの消えた身体で寝転ぶ。
「俺の勝ちでいい? 」
一番大事なこと。
「……あぁ、いいよ。お前の勝ちだ」
「よっしゃ! 」
月を見る者と一緒にきゃっきゃと騒いでから、満足して魔王の横に腰掛ける。
本当に、何でもないように声をかけてきた。
「で、なんか困ってない? 」
「なんか……って」
問題なら、未だに山積みだ。
何千年も前から魔物が抱える問題に初めて向き合ったのが魔王であり、ずっと1人で頑張ってきた。
魔物は闘争を求める。
それは人間の3大欲求と同じ位に当たり前に存在していて、戦いや殺し合いが文化に完全に組み込まれてしまっていた。
他にも、悪魔であれば他者の破滅を望み、ドラゴンであれば宝物を集めて守るという特性があり、我慢とか出来るものじゃない。
そんな、生き物としてどうしようもない欠陥を抱えた問題児達を幸せにしようとして魔王が考案したのが、永遠の戦争である。
かつての時代のように、人間を家畜として虐げるのではない。
対等な闘争の対象として、帝国を相手に永遠の戦争を仕掛けようとしていた。
ずっとずっと、魔物がもういいと言うまで。
好きなだけ殺させ、殺されて、奪い奪われ。
そんな魔物の楽園を作ろうとした。
「ん……」
「ないの? 無いなら俺もう帰るけど」
「ま、待ってくれ」
よっこらせと立ち上がった和也を呼び止めるけど、上手く言葉が出てこない。
なにせ、何だかんだ長い人生で、一度も言ったことの無い言葉だ。
上手く舌が動いてくれないし、プライドだかなんだか知らないが、顔が熱くって仕方ない。
「助けてくれ」
数分、あーとかうーとか、モジモジした末になんとか絞り出した。
「彼らを満足させる為に、なんでもしようと思って、それで、戦争を用意しようとした」
一度口に出してしまえば、後はもうボロボロと言葉が続く。
押し殺していた言葉が、涙を伴って溢れてくる。
「そんなのおかしいって分かってるんだ、でもあいつら、そんなのしないと絶対満足しなくて、たくさん死ぬけど……滅ぼす訳じゃないから、って言い訳してたけど、やっぱ無理が、あって……」
和也はカウンセラーじゃない。
魔王の人生の師でもないし、なるつもりも無い。
的確なアドバイスとかメンタルケアとか、そんなのお金を払って相談窓口とか病院とか行って下さい。
「俺もう、あいつらの機嫌とるのはもう無理なんだ、助けてくれ和也、頼む……もう嫌なんだ、頼む……」
でも、夕陽をバックに殴り合った仲だし。
「まじで? 」
安請け合いくらいならしてあげましょう。
馬鹿な友達の悩みだもの。
無責任に胸を張って、和也は魔王の肩を抱く。
「いいよ! 」
「い、いいのか? 」
「うん」
もっと深刻に話し合いが始まると思っていたのに、簡単な問題の様に扱われて少しだけ魔王は怒りを覚える。
「簡単に言うけれど、あてはあるのかよ」
「大丈夫だ! 俺に任せろ! 」
やはり無責任にしか思えない。
魔王は急に不安になって、頼るべき相手を間違えたかなと今更ながら後悔に襲われた。
かといって、彼以外に頼れる存在は無い。
「……どうするつもりなんだ? 」
何千年も人類を、魔物を苦しめ続けた呪縛とも言えるこの状況をどう打開するのか。
異世界人ならではの着眼から、素晴らしい解決策でもあるのだろうか。
「ふふふ、聞いて驚けよ、俺のスーパーテクニカルな解決案を」
ごにょごにょ。
「……え? 」
ごにょごにょ。
「いやいや、は? 」
ごにょごにょ。
「……おま、お前……」
「どう? 結構いい線言ってると思うんだ」
「いやおま、いや、くそ、こいつそういや引きこもりニート野郎じゃねえか。政治なんかやれる訳ねぇ」
「まぁまぁ! お前のエターナル・ウォーより良いでしょ? やってみようぜ」
完全な夜が訪れ、真っ暗闇の瓦礫の中。
長い話し合いの末は、魔王の長い長い溜息で終わりを告げた。
熱を持ち、重く鈍くなった脳味噌で考えるけれど皆目見当もつかない。
魔王にはそんな人なんていなかったからだ。
想像すら出来なかった。
家族は居ても居なくても変わらない存在で、友人なんて概念は存在しなかった。
別に、抱える問題を迅速スマートに、完璧に解決して欲しい訳じゃない。
優しく抱きしめて、いいこいいこと、撫でて欲しい訳じゃない。
「まじで!? 」
そうそう。
こんな風に、話を聞いてくれたらそれで良かった。
一緒に悩んで、どうしようも無いなら励ましてくれたり、少し手伝ってくれたり。
そんな事を、利害関係なくしてくれる……友達がいれば、魔王は満足だった。
ささやかな望みだ。
しかしそれすら叶わずに、このザマだ。
みっともないったらありゃしない。
「俺とこいつ、元々がこんなにそっくりなの? 転生前から? すげぇ」
「うむうむ外見なんて私や他の者は一切気にせんだろう魔力で判断するからなしかし一応顔はそっくりだったぞ」
可憐な声。
鈴のなるような可愛らしい声と、少し憎たらしい間抜けな声が響く。
鋭く睨む者が和也に包帯を巻いてやりながら、話し込んでいた。
もう名前は違うのだが、新たな名前を魔王は知らない、変わったことすら知らない。
鋭く睨む者改め、月を見る者は力いっぱい包帯を巻くものだから和也の腕や足はボンレスハムみたいにミチミチと軋み、今にも爆発しそうだ。
痛い痛い! と和也が訴えても、月を見る者は止血だ! と言って聞かない。
暫くその様子をぼーっと眺めてから、ようやく声をかけた。
「……随分、仲がいいんだな」
「あ! 起きた! 後で怪我治してよ、自分のやった後でいいからさ」
和也は身体を起こし、元気そうに話してはいるが酷い有様だった。
時折苦しそうに咳き込み、痛む箇所を抑えて顔を顰めている。
魔王は自らの回復を手早く済ませて、和也に触れた。
淡い光が漏れて、和也の傷を癒し、疲労を回復させていく。
ものの数秒で、立ち上がることすら出来なくなっていた和也は完全に回復しきっていた。
光が収まると、和也は呆れた顔で全快した体を確認する。
「一時期使ってたけど、相変わらず凄いな。どんな原理なのよ、今更だけど」
「知らない。文献を残したりする魔物は少ないからな、調べたこともない」
「へー」
正直興味はそこまでない。
今更衝撃の事実! とか真に倒すべき的! とか後出しされたって、ぶっちゃけどうでもいい。
そんな高尚な理由でここに来た訳じゃないし。
むかついた奴をしこたま殴れて、和也は完全に満足しきっていた。
回復し、痛みの消えた身体で寝転ぶ。
「俺の勝ちでいい? 」
一番大事なこと。
「……あぁ、いいよ。お前の勝ちだ」
「よっしゃ! 」
月を見る者と一緒にきゃっきゃと騒いでから、満足して魔王の横に腰掛ける。
本当に、何でもないように声をかけてきた。
「で、なんか困ってない? 」
「なんか……って」
問題なら、未だに山積みだ。
何千年も前から魔物が抱える問題に初めて向き合ったのが魔王であり、ずっと1人で頑張ってきた。
魔物は闘争を求める。
それは人間の3大欲求と同じ位に当たり前に存在していて、戦いや殺し合いが文化に完全に組み込まれてしまっていた。
他にも、悪魔であれば他者の破滅を望み、ドラゴンであれば宝物を集めて守るという特性があり、我慢とか出来るものじゃない。
そんな、生き物としてどうしようもない欠陥を抱えた問題児達を幸せにしようとして魔王が考案したのが、永遠の戦争である。
かつての時代のように、人間を家畜として虐げるのではない。
対等な闘争の対象として、帝国を相手に永遠の戦争を仕掛けようとしていた。
ずっとずっと、魔物がもういいと言うまで。
好きなだけ殺させ、殺されて、奪い奪われ。
そんな魔物の楽園を作ろうとした。
「ん……」
「ないの? 無いなら俺もう帰るけど」
「ま、待ってくれ」
よっこらせと立ち上がった和也を呼び止めるけど、上手く言葉が出てこない。
なにせ、何だかんだ長い人生で、一度も言ったことの無い言葉だ。
上手く舌が動いてくれないし、プライドだかなんだか知らないが、顔が熱くって仕方ない。
「助けてくれ」
数分、あーとかうーとか、モジモジした末になんとか絞り出した。
「彼らを満足させる為に、なんでもしようと思って、それで、戦争を用意しようとした」
一度口に出してしまえば、後はもうボロボロと言葉が続く。
押し殺していた言葉が、涙を伴って溢れてくる。
「そんなのおかしいって分かってるんだ、でもあいつら、そんなのしないと絶対満足しなくて、たくさん死ぬけど……滅ぼす訳じゃないから、って言い訳してたけど、やっぱ無理が、あって……」
和也はカウンセラーじゃない。
魔王の人生の師でもないし、なるつもりも無い。
的確なアドバイスとかメンタルケアとか、そんなのお金を払って相談窓口とか病院とか行って下さい。
「俺もう、あいつらの機嫌とるのはもう無理なんだ、助けてくれ和也、頼む……もう嫌なんだ、頼む……」
でも、夕陽をバックに殴り合った仲だし。
「まじで? 」
安請け合いくらいならしてあげましょう。
馬鹿な友達の悩みだもの。
無責任に胸を張って、和也は魔王の肩を抱く。
「いいよ! 」
「い、いいのか? 」
「うん」
もっと深刻に話し合いが始まると思っていたのに、簡単な問題の様に扱われて少しだけ魔王は怒りを覚える。
「簡単に言うけれど、あてはあるのかよ」
「大丈夫だ! 俺に任せろ! 」
やはり無責任にしか思えない。
魔王は急に不安になって、頼るべき相手を間違えたかなと今更ながら後悔に襲われた。
かといって、彼以外に頼れる存在は無い。
「……どうするつもりなんだ? 」
何千年も人類を、魔物を苦しめ続けた呪縛とも言えるこの状況をどう打開するのか。
異世界人ならではの着眼から、素晴らしい解決策でもあるのだろうか。
「ふふふ、聞いて驚けよ、俺のスーパーテクニカルな解決案を」
ごにょごにょ。
「……え? 」
ごにょごにょ。
「いやいや、は? 」
ごにょごにょ。
「……おま、お前……」
「どう? 結構いい線言ってると思うんだ」
「いやおま、いや、くそ、こいつそういや引きこもりニート野郎じゃねえか。政治なんかやれる訳ねぇ」
「まぁまぁ! お前のエターナル・ウォーより良いでしょ? やってみようぜ」
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長い話し合いの末は、魔王の長い長い溜息で終わりを告げた。
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