68 / 73
68話 決着
しおりを挟む
魔力による制御が乱れ、末端から崩壊を始めた魔王城。
その一室、瓦礫が転がる空間に乾いた音が何度も響く。
「はぁ……はぁ……! 」
鼻血が詰まって上手く息が出来ない和也に、追い討ちの右ストレートが飛んで来た。
防御の為に上げようとした腕は鉛のように重い。
間に合わずに、そのまま顔面で魔王の拳を受ける羽目になった。
メキメキ、という嫌な音が鳴った鼻を抑える。
和也がふらついて後退ると、魔王もよろめいて互いに距離を取った。
「うおえ……」
鼻血を飲みすぎて気持ちが悪い。
込み上がる吐き気を無視して、駆け寄ると魔王の顔面に頭突きを見舞ってやった。
「があっ……」
お互いボロボロだ。
この決戦は、もはや戦いとは言えない様相となっていた
魔法を用いた高度な戦闘、宝具を用いて獣の様に襲いかかる野性的な戦闘、それらは今や、全く見る影もない。
ただ殴り、殴られ、偶に勝手に転んでダメージを蓄積させていく。
「よぉ、ちょっと、休憩したいならしても、いいぜ」
「したいなら、しろよ」
「いや、俺は別に」
偶に言葉を交わして、また殴り合う。
実質、この戦いの決着なんてとうの昔についていた。
和也の思惑に乗り、喧嘩を買った魔王の負けだ。
モヤモヤとしていた過去とか、暴走気味に永遠の戦争をやろうとしていた事とか、そういった魔王の負の感情はとっくの昔に上書きされていた。
和也がしたのだ。
いつ殴り合いをやめたっていい。
仲直りしよう、握手して、夕陽をバックに抱き合って未来へ向かって歩き出そうじゃないか。
ただし……
最後に殴るのは俺だもんね。
「おらあ! はい! 俺の勝ち! 」
「勝手に決めるな! 」
「んが! 」
頭突きを受けて転んだ魔王。
息も絶え絶えの勝利宣言をした和也の足に組み付いて、無理矢理その場に引き摺り倒す。
もう滅茶苦茶だった。
小学生だってもう少しマシな喧嘩をする。
なにせ、お互い生まれて初めてのガチ喧嘩で、加減もやり方も何も知らなかった。
勝ち負けを決める方法なんて存在しないし、ならば負けを認めさせようと躍起になるが、互いに似たような事を考えている為に泥沼の殴り合いっこが終わらない。
「……あーあ、陽がもう沈みかけだ」
「何時間こうしてた? 」
「さぁ。ってか、お前が負けを認めねえからこんな拗れてんじゃん」
どうせ反論か反撃が飛んでくるだろう、と身構えていた和也の元には、いつまで経っても何も訪れなかった。
「……? 」
様子を伺うけれど、魔王は視線を外に向けて和也を見てはいなかった。
2人が空けた穴から、もう殆ど沈んだ夕日が見える。
「そろそろ終わりにするか。ダラダラやったって仕方ない」
「……」
「なあ和也、あれをしよう。君が好きだったやつだ」
魔王の言いたい事を理解して、和也は魔王と距離を取った。
ゴキゴキと関節を鳴らして、最後の瞬間に向けて神経を研ぎ澄ます。
「俺は全力でいく、当然だよな。和也、君もそろそろ隠し玉をだせよ、知ってるんだ」
膠着した状況に痺れを切らした両者が、互いに持つ最強の技をぶつけ合い決着をつける。
よくある、定番のシチュエーション。
そんなベタな展開が和也は大好きだった。
胸を熱くして、テレビや漫画に齧り付いたものだ。
和也と暫く一体化していた魔王も知識としてはそれを知っている。
復活してすぐ、和也の影響を受ける前なら、なんて下らない非効率な戦法だと鼻で笑っただろうが……
後腐れのない決着、そういう観点から見ればとても素晴らしいと、魔王は考えを改める。
「和也、俺はな。自分と対等な存在なんて、勇者しかいないと思っていた」
少し前に1度見せた、空間が歪んで見える程の魔力。
拳をゆっくりと握って、丁寧に魔法を編み込んでいく。
「お前も、俺達と対等の存在って認めてやる。異界の神だとか、お前の優れた霊的素質は関係ない……その精神を俺は評価する」
魔物にも、人類にも、魔王と血の繋がっていたはずの家族でさえ。
魔王にここまで歩み寄り、対話した理解しようとした者はいなかった。
「凄いよお前は。だから、負けない」
ピン、と張り詰めたような緊張感。
信じられない程に圧縮された魔力が、本来有り得ない事だが、軋むような音を立てる。
「へぇー、勝つのは俺だけどね」
軋むような音は、和也からも発せられていた。
大袈裟に拳を振り被った体勢、一見不格好に見える。
互いのスタミナや、本来の力量差を鑑みるとするならば一応理には適っていた。
まあ、和也はそんな事考えちゃいない。
一瞬、一撃、この為に全てを賭ける。
それしか考えちゃいない。
馬鹿だし。
馬鹿だが、馬鹿故に、最後まで信念を曲げるつもりは毛頭ない。
勝つのは俺だ、と、馬鹿らしくも退くつもりはない。
「結局、異世界転移だってのに魔法なんて1回も使えなかったのが悔やまれるな」
和也は魔力を拳に込める。
ロリエルから渡された魔力、一滴も残さず、出し惜しみせず全てを。
「俺に出来る唯一の魔法がこれだ、最初で最後になっちゃうけど」
眩く、軋み、熱を放つ。
魔王と同等か、それ以上の魔力を拳に篭め、練り上げる。
「行くぜ、名付けて自爆パンチ」
「それ、大丈夫なのか? 」
「でーじょうぶだ。最低限指向性は持たせてる……大丈夫、多分」
死ぬことは無い、はず?
ほんとかよ、と訝しげに見つつも魔王は気持ちを切り替える。
決着だ。
「せーのでやろう、1発で終いな」
「……あぁ」
一同が固唾を呑んで、長い戦いの来る結末を待った。
周りがシン、と静まり返る。
戦闘の影響で崩れた壁の一部が崩れ、埃を巻き上げながら床を転がって……
よーいドン、なんて合図は無かったが。
示し合わしたように、瓦礫の音とほぼ同時。
2人が転びそうになりながら駆け出し、同時に拳を振り抜いた。
そう。
「!? 」
「!? 」
振り抜いたのだ。
拳と拳をぶつけ合って、相殺しあうなんて事はしなかった。
互いの必殺を、何の躊躇も無く、互いの顔面にぶち込んだ。
これだって、何も示し合わせていない。
互いに、相手の一撃を貰うつもりで当てに行った。
「おらぁ! 」
「しねごらぁ! 」
和也と魔王、共に腰から上が消失する。
突風で肉片や血が撒き散らされ、残っていた壁や柱も粉々に吹き飛んで。
即座に2人とも復活を遂げる。
魔王の能力では無い。
黒い手型のモヤが溢れて、グッと親指を立てた。
決着……?
魔王が和也を殴る。
決着! つかず!
ルール違反だ。
唯一決めた、最後の1発と言うルールをガン無視である。
負けずと和也も魔王を殴る。
互いにルール無用、ノーガードの殴り合い。
息もせず、叫んで殴って殴られて。
何処かで、品のない神様の大笑いが聞こえた気がしたが注意を割く余裕なんて無い。
ひたすら、技術も、駆け引きも、プライドも、何もかもかなぐり捨てて殴り合い。
日が暮れた事になんて気が付かず。
何方か倒れる音と共に、全てが終わった。
その一室、瓦礫が転がる空間に乾いた音が何度も響く。
「はぁ……はぁ……! 」
鼻血が詰まって上手く息が出来ない和也に、追い討ちの右ストレートが飛んで来た。
防御の為に上げようとした腕は鉛のように重い。
間に合わずに、そのまま顔面で魔王の拳を受ける羽目になった。
メキメキ、という嫌な音が鳴った鼻を抑える。
和也がふらついて後退ると、魔王もよろめいて互いに距離を取った。
「うおえ……」
鼻血を飲みすぎて気持ちが悪い。
込み上がる吐き気を無視して、駆け寄ると魔王の顔面に頭突きを見舞ってやった。
「があっ……」
お互いボロボロだ。
この決戦は、もはや戦いとは言えない様相となっていた
魔法を用いた高度な戦闘、宝具を用いて獣の様に襲いかかる野性的な戦闘、それらは今や、全く見る影もない。
ただ殴り、殴られ、偶に勝手に転んでダメージを蓄積させていく。
「よぉ、ちょっと、休憩したいならしても、いいぜ」
「したいなら、しろよ」
「いや、俺は別に」
偶に言葉を交わして、また殴り合う。
実質、この戦いの決着なんてとうの昔についていた。
和也の思惑に乗り、喧嘩を買った魔王の負けだ。
モヤモヤとしていた過去とか、暴走気味に永遠の戦争をやろうとしていた事とか、そういった魔王の負の感情はとっくの昔に上書きされていた。
和也がしたのだ。
いつ殴り合いをやめたっていい。
仲直りしよう、握手して、夕陽をバックに抱き合って未来へ向かって歩き出そうじゃないか。
ただし……
最後に殴るのは俺だもんね。
「おらあ! はい! 俺の勝ち! 」
「勝手に決めるな! 」
「んが! 」
頭突きを受けて転んだ魔王。
息も絶え絶えの勝利宣言をした和也の足に組み付いて、無理矢理その場に引き摺り倒す。
もう滅茶苦茶だった。
小学生だってもう少しマシな喧嘩をする。
なにせ、お互い生まれて初めてのガチ喧嘩で、加減もやり方も何も知らなかった。
勝ち負けを決める方法なんて存在しないし、ならば負けを認めさせようと躍起になるが、互いに似たような事を考えている為に泥沼の殴り合いっこが終わらない。
「……あーあ、陽がもう沈みかけだ」
「何時間こうしてた? 」
「さぁ。ってか、お前が負けを認めねえからこんな拗れてんじゃん」
どうせ反論か反撃が飛んでくるだろう、と身構えていた和也の元には、いつまで経っても何も訪れなかった。
「……? 」
様子を伺うけれど、魔王は視線を外に向けて和也を見てはいなかった。
2人が空けた穴から、もう殆ど沈んだ夕日が見える。
「そろそろ終わりにするか。ダラダラやったって仕方ない」
「……」
「なあ和也、あれをしよう。君が好きだったやつだ」
魔王の言いたい事を理解して、和也は魔王と距離を取った。
ゴキゴキと関節を鳴らして、最後の瞬間に向けて神経を研ぎ澄ます。
「俺は全力でいく、当然だよな。和也、君もそろそろ隠し玉をだせよ、知ってるんだ」
膠着した状況に痺れを切らした両者が、互いに持つ最強の技をぶつけ合い決着をつける。
よくある、定番のシチュエーション。
そんなベタな展開が和也は大好きだった。
胸を熱くして、テレビや漫画に齧り付いたものだ。
和也と暫く一体化していた魔王も知識としてはそれを知っている。
復活してすぐ、和也の影響を受ける前なら、なんて下らない非効率な戦法だと鼻で笑っただろうが……
後腐れのない決着、そういう観点から見ればとても素晴らしいと、魔王は考えを改める。
「和也、俺はな。自分と対等な存在なんて、勇者しかいないと思っていた」
少し前に1度見せた、空間が歪んで見える程の魔力。
拳をゆっくりと握って、丁寧に魔法を編み込んでいく。
「お前も、俺達と対等の存在って認めてやる。異界の神だとか、お前の優れた霊的素質は関係ない……その精神を俺は評価する」
魔物にも、人類にも、魔王と血の繋がっていたはずの家族でさえ。
魔王にここまで歩み寄り、対話した理解しようとした者はいなかった。
「凄いよお前は。だから、負けない」
ピン、と張り詰めたような緊張感。
信じられない程に圧縮された魔力が、本来有り得ない事だが、軋むような音を立てる。
「へぇー、勝つのは俺だけどね」
軋むような音は、和也からも発せられていた。
大袈裟に拳を振り被った体勢、一見不格好に見える。
互いのスタミナや、本来の力量差を鑑みるとするならば一応理には適っていた。
まあ、和也はそんな事考えちゃいない。
一瞬、一撃、この為に全てを賭ける。
それしか考えちゃいない。
馬鹿だし。
馬鹿だが、馬鹿故に、最後まで信念を曲げるつもりは毛頭ない。
勝つのは俺だ、と、馬鹿らしくも退くつもりはない。
「結局、異世界転移だってのに魔法なんて1回も使えなかったのが悔やまれるな」
和也は魔力を拳に込める。
ロリエルから渡された魔力、一滴も残さず、出し惜しみせず全てを。
「俺に出来る唯一の魔法がこれだ、最初で最後になっちゃうけど」
眩く、軋み、熱を放つ。
魔王と同等か、それ以上の魔力を拳に篭め、練り上げる。
「行くぜ、名付けて自爆パンチ」
「それ、大丈夫なのか? 」
「でーじょうぶだ。最低限指向性は持たせてる……大丈夫、多分」
死ぬことは無い、はず?
ほんとかよ、と訝しげに見つつも魔王は気持ちを切り替える。
決着だ。
「せーのでやろう、1発で終いな」
「……あぁ」
一同が固唾を呑んで、長い戦いの来る結末を待った。
周りがシン、と静まり返る。
戦闘の影響で崩れた壁の一部が崩れ、埃を巻き上げながら床を転がって……
よーいドン、なんて合図は無かったが。
示し合わしたように、瓦礫の音とほぼ同時。
2人が転びそうになりながら駆け出し、同時に拳を振り抜いた。
そう。
「!? 」
「!? 」
振り抜いたのだ。
拳と拳をぶつけ合って、相殺しあうなんて事はしなかった。
互いの必殺を、何の躊躇も無く、互いの顔面にぶち込んだ。
これだって、何も示し合わせていない。
互いに、相手の一撃を貰うつもりで当てに行った。
「おらぁ! 」
「しねごらぁ! 」
和也と魔王、共に腰から上が消失する。
突風で肉片や血が撒き散らされ、残っていた壁や柱も粉々に吹き飛んで。
即座に2人とも復活を遂げる。
魔王の能力では無い。
黒い手型のモヤが溢れて、グッと親指を立てた。
決着……?
魔王が和也を殴る。
決着! つかず!
ルール違反だ。
唯一決めた、最後の1発と言うルールをガン無視である。
負けずと和也も魔王を殴る。
互いにルール無用、ノーガードの殴り合い。
息もせず、叫んで殴って殴られて。
何処かで、品のない神様の大笑いが聞こえた気がしたが注意を割く余裕なんて無い。
ひたすら、技術も、駆け引きも、プライドも、何もかもかなぐり捨てて殴り合い。
日が暮れた事になんて気が付かず。
何方か倒れる音と共に、全てが終わった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
精霊のお仕事
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
【完結】
オレは前世の記憶を思い出した。
あの世で、ダメじゃん。
でもそこにいたのは地球で慣れ親しんだ神様。神様のおかげで復活がなったが…今世の記憶が飛んでいた。
まあ、オレを拾ってくれたのはいい人達だしオレは彼等と家族になって新しい人生を生きる。
ときどき神様の依頼があったり。
わけのわからん敵が出てきたりする。
たまには人間を蹂躙したりもする。?
まあいいか。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
異世界に降り立った刀匠の孫─真打─
リゥル
ファンタジー
異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!
主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。
亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。
召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。
そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。
それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。
過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。
――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。
カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。
婚約破棄されたスナギツネ令嬢、実は呪いで醜くなっていただけでした
宮之みやこ
恋愛
細すぎる一重の目に、小さすぎる瞳の三百眼。あまりの目つきの悪さに、リュシエルが婚約者のハージェス王子に付けられたあだ名は『スナギツネ令嬢』だった。
「一族は皆美形なのにどうして私だけ?」
辛く思いながらも自分にできる努力をしようと頑張る中、ある日ついに公の場で婚約解消を言い渡されてしまう。どうやら、ハージェス王子は弟のクロード王子の婚約者であるモルガナ侯爵令嬢と「真実の愛」とやらに目覚めてしまったらしい。
(この人たち、本当に頭がおかしいんじゃないのかしら!?)
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる