父と私の12年間

チキン南蛮

文字の大きさ
2 / 4

100円玉

しおりを挟む
私には2人弟がいる。
一つ年下の弟と、4歳離れた弟。
子供部屋で3人で遊んでいた時の事だった。
「あれ?僕の貯金箱の100円玉が1枚足りない!」と弟が大声で言った。
ひとつ離れた弟は当時、貯金箱の中身を定期的に数えるのが趣味だった。
その日は3人で貯金箱の中身の100円玉を積み上げて遊んだり、数えたり、おはじきの様にして遊んだりしていた。
数え間違いかと思い、もう一度数えたが結局1枚足りないまま。
「えーどこいったんだろ?」と3人で部屋の中を探すが見つからず。
そこに父がやってきて、「どうした?」と尋ねてきた。
「僕の100円玉が1枚少ないの」
弟が父に言う。
すると父は私の後ろにある机のチェストを動かした。するとチェストの下に100円玉が落ちていた。
「あったぞ。」
父は弟に見つけた100円玉を渡した。
「ありがとう!」
弟は礼を言うとすぐに遊びを再開しようとした。
「待てよ。」父が制止した。
「人が座ってるのにチェストの下にそう簡単に100円玉が入るか?」
確かに言われてみれば人が座っているのに後ろにあったチェストの下に100円玉が入る事なんてあまり考えにくい。
するとすぐさま父が
「お前。100円玉盗ろうとしてわざと後ろのチェストの下に入れただろ。見つからないと思ったか?」
と私に言ってきた。
「え!私とってない!知らないもん!」
「じゃあどうやってチェストの下に100円玉が入るんだ!?勝手に入るわけないだろ!」
「分からないよ!転がっていったかもしれないのに!」
父と私の言い合いが始まるとすぐに
「嘘をつくな!」と父は足で私の顔を蹴った。
瞬間、衝撃で鼻血が出てしまった。
「うわあああん!」私は痛みに耐えきれず泣いてしまう。
「うるさい!泣いて許されると思ってんのか!泥棒だぞ!警察に行きたいのか!」
泣きわめく私に更に怒鳴りつける父。
そして恐怖のあまり凍りつく弟達。
「とってないもん!」
泣きながら否定するが信じてもらえるわけない。
父は私が弟の100円玉を盗ったと確信しているのだ。
だが証拠も何も無い。ただの言いがかりだ。
そして更に加えられる暴力。次は髪の毛を思い切り引っ張られ、廊下に出されたのだ。
「お前みたいな奴が娘だと恥ずかしいんだよ!」
足で蹴られ、拳で思い切り殴られ、泣きわめくが母は外出していていない。
抵抗するも力の差が有りすぎ、私は右腕を骨折してしまった。







その後、病院に行ったが、医者には父が家の階段で転げ落ちたと説明した。
そして全治3ヶ月と診断された。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

投稿インセンティブで月額23万円を稼いだ方法。

克全
エッセイ・ノンフィクション
「カクヨム」にも投稿しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...