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過去と闇
第17話 冬が終わり春が来る
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あれから、フォルスさんと合流し、スノースノーの街を拠点に依頼をこなして行った。
スノーウルフの群れや、アイスバードの奇襲、ブルーワームの産卵を阻止、と様々な討伐以来があって、3ヶ月という日数があっという間に過ぎていった。
その中でブルーワームの産卵が、とても印象に残ってる。アロイス雪原の北の方に、いくつも重なった不思議な円が沢山ある場所があって。何体ものブルーワームが、そこに集まってきて、口から卵を吐き出すらしいの。
でも、それを許しちゃうと、ブルーワームが増えすぎて、町が危険にさらされるから、定期的にブルーワームの産卵時を狙って討伐を行うんですって。
ブルーワームは、平均Lvが110の大型モンスター。北の勇者でも、大量にいるブルーワームの討伐は大変で危険らしいので、産卵時は腕利きの冒険者も一緒に依頼をこなすんだそうで……圧巻でした。
貴重な体験でした。
そしてサムアさんとも打ち解けることが出来、女子トーク?に花を咲かせたりもしました。
私に似合う服を、わざわざ王都から取り寄せたり、美味しいお菓子を作ってきてくれたりと甲斐甲斐しく世話をしてくれ、前のパーティでは感じなかった優しさが、周りに溢れていて泣きそうになりました。
長かった冬が終わりを告げ、暖かな春が来る。
春だけは2回王都に行く必要があるそうです。1回は春の初めに報告のため、2回目は勇者王決定戦に参加するからだそう。
3年に1度の勇者王決定戦……
前回は東の勇者と一緒に参加し、フォルスさん達と戦った。
フォルスさん達の連携は、凄まじくザハルさん達では太刀打ちできる相手ではありませんでした。速攻で負けると思ってたのですが、意外とザハルさん達は頑張ってたのか良い所まで闘えたのを覚えています。
【実際はイレーネが、時空魔法とアイテムでサポートしまくったため、北の勇者が本気で闘っても、苦戦を強いられただけだった。
ザハル達の実力は、皆無である】
「では明日、王都に報告へ?」
「ああ、ザハルの件があるから、イレーネは1人になるな、基本はザックかシグレと共にいろ」
「はい。王都でしたら、私の時空魔法で転移出来ますけど、歩いていくんですか?」
「うん、道中のモンスターの遭遇率を調べないと行けないからね」
「もし、危険なモンスターが出た場合は、その都度討伐して行くんですよ」
王都まで魔法で一瞬、歩いても問題が無ければ2日程で着く距離。それを依頼がなくても、モンスターの遭遇率を調べ、危険があれば道行く冒険者に注意喚起する。
だから、王都に行く時は余裕を見て早めにスノースノーを出るんだって。
ザハルさん達は、王都を拠点にしていたのは、私が転移魔法を使えていたから。
でも、私がいないなら、サンシェルに拠点を移したのかな……?
だとすれば、王都にいない可能性が高いかも!
「1人でも、大丈夫かも知れません」
「……いや、心配だから、ザックとシグレの傍にいてくれ」
この3ヶ月、フォルスさん達と行動して分かった事だけど、フォルスさんもラハルさんも心配性です。ラハルさんなんて、母親のような心配の仕方だった。お母様の記憶ないけど……
ザックさんは、お兄様のような感じです。
シグレさんは、まだ掴めません、不思議な感じの人です。
心配されるのは……
なんて言うか、凄く嬉しくて、恥ずかしくて、照れくさいです。
次の日 ギルド北の支部
「イレーネちゃあ~~ん!寂しいわぁ!」
うわっぷ!
サムアさんが抱きしめてきた。
これも、日常過ぎて今ではすっかり慣れました。
「サムアさん、ほんの1週間、留守にするだけですよ」
「ぐす。イレーネちゃん、王都で良い男が出来たら紹介してね♡お祝いするから!」
「え……で、出来ませんよ!私なんかと付き合いたいなんて奇特な人、いませんよ!」
「…………」
(ん?なんか視線を感じる?)
後ろを振り返ればフォルスさんが、とてもいい笑顔で微笑んでいた。
なんか、とても怖い気がするのは気の所為なのかな?
「イレーネちゃん、そんな風に、自分を卑下しちゃダメよ。あなたの事が好きな私が悲しいわ」
「私も、悲しいですね」
「ぼくも……悲しい」
「あ、ごめんなさい」
「謝らないの!ただ、私達がイレーネちゃんの事が好きだって知ってて欲しいの。分かった?」
「はい……」
「じゃ、行くぞ」
「イレーネちゃぁぁん!気を付けてねぇぇ~!!あんた達ぃ!しっかりイレーネちゃん守るのよ!傷付けたら承知しないから!」
筋肉質な男性が女性の言葉を使いながら、腕を振り回す勢いで手を振ってくれた。私も、振り返りながら手を振る。
スノーウルフの群れや、アイスバードの奇襲、ブルーワームの産卵を阻止、と様々な討伐以来があって、3ヶ月という日数があっという間に過ぎていった。
その中でブルーワームの産卵が、とても印象に残ってる。アロイス雪原の北の方に、いくつも重なった不思議な円が沢山ある場所があって。何体ものブルーワームが、そこに集まってきて、口から卵を吐き出すらしいの。
でも、それを許しちゃうと、ブルーワームが増えすぎて、町が危険にさらされるから、定期的にブルーワームの産卵時を狙って討伐を行うんですって。
ブルーワームは、平均Lvが110の大型モンスター。北の勇者でも、大量にいるブルーワームの討伐は大変で危険らしいので、産卵時は腕利きの冒険者も一緒に依頼をこなすんだそうで……圧巻でした。
貴重な体験でした。
そしてサムアさんとも打ち解けることが出来、女子トーク?に花を咲かせたりもしました。
私に似合う服を、わざわざ王都から取り寄せたり、美味しいお菓子を作ってきてくれたりと甲斐甲斐しく世話をしてくれ、前のパーティでは感じなかった優しさが、周りに溢れていて泣きそうになりました。
長かった冬が終わりを告げ、暖かな春が来る。
春だけは2回王都に行く必要があるそうです。1回は春の初めに報告のため、2回目は勇者王決定戦に参加するからだそう。
3年に1度の勇者王決定戦……
前回は東の勇者と一緒に参加し、フォルスさん達と戦った。
フォルスさん達の連携は、凄まじくザハルさん達では太刀打ちできる相手ではありませんでした。速攻で負けると思ってたのですが、意外とザハルさん達は頑張ってたのか良い所まで闘えたのを覚えています。
【実際はイレーネが、時空魔法とアイテムでサポートしまくったため、北の勇者が本気で闘っても、苦戦を強いられただけだった。
ザハル達の実力は、皆無である】
「では明日、王都に報告へ?」
「ああ、ザハルの件があるから、イレーネは1人になるな、基本はザックかシグレと共にいろ」
「はい。王都でしたら、私の時空魔法で転移出来ますけど、歩いていくんですか?」
「うん、道中のモンスターの遭遇率を調べないと行けないからね」
「もし、危険なモンスターが出た場合は、その都度討伐して行くんですよ」
王都まで魔法で一瞬、歩いても問題が無ければ2日程で着く距離。それを依頼がなくても、モンスターの遭遇率を調べ、危険があれば道行く冒険者に注意喚起する。
だから、王都に行く時は余裕を見て早めにスノースノーを出るんだって。
ザハルさん達は、王都を拠点にしていたのは、私が転移魔法を使えていたから。
でも、私がいないなら、サンシェルに拠点を移したのかな……?
だとすれば、王都にいない可能性が高いかも!
「1人でも、大丈夫かも知れません」
「……いや、心配だから、ザックとシグレの傍にいてくれ」
この3ヶ月、フォルスさん達と行動して分かった事だけど、フォルスさんもラハルさんも心配性です。ラハルさんなんて、母親のような心配の仕方だった。お母様の記憶ないけど……
ザックさんは、お兄様のような感じです。
シグレさんは、まだ掴めません、不思議な感じの人です。
心配されるのは……
なんて言うか、凄く嬉しくて、恥ずかしくて、照れくさいです。
次の日 ギルド北の支部
「イレーネちゃあ~~ん!寂しいわぁ!」
うわっぷ!
サムアさんが抱きしめてきた。
これも、日常過ぎて今ではすっかり慣れました。
「サムアさん、ほんの1週間、留守にするだけですよ」
「ぐす。イレーネちゃん、王都で良い男が出来たら紹介してね♡お祝いするから!」
「え……で、出来ませんよ!私なんかと付き合いたいなんて奇特な人、いませんよ!」
「…………」
(ん?なんか視線を感じる?)
後ろを振り返ればフォルスさんが、とてもいい笑顔で微笑んでいた。
なんか、とても怖い気がするのは気の所為なのかな?
「イレーネちゃん、そんな風に、自分を卑下しちゃダメよ。あなたの事が好きな私が悲しいわ」
「私も、悲しいですね」
「ぼくも……悲しい」
「あ、ごめんなさい」
「謝らないの!ただ、私達がイレーネちゃんの事が好きだって知ってて欲しいの。分かった?」
「はい……」
「じゃ、行くぞ」
「イレーネちゃぁぁん!気を付けてねぇぇ~!!あんた達ぃ!しっかりイレーネちゃん守るのよ!傷付けたら承知しないから!」
筋肉質な男性が女性の言葉を使いながら、腕を振り回す勢いで手を振ってくれた。私も、振り返りながら手を振る。
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