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第5話 植物の聖獣
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ナイシャル様とナイシャル様の従者の方と一緒に船に乗り込んだ。何故か、ナイシャル様は私を優しい目で見つめてくるし、従者の方は私を姫様と呼ぶし……私は姫じゃなくて元巫女なんだけどな……
船の中は思ったよりも快適で、揺れもないし……
(あれ?)
船の後方で……見た事のある樹木が動いていた。
海の上なのに、移動する森……
「かめさん?」
「どうした?イル」
ナイシャル様も、私の目線を追って遠くの方に見える樹木を見た。最初は島だと思ったみたいだけど、船は移動しているのに、全然離れない樹木を見て警戒したみたいだった。
「ナイシャル様」
「魔物かも知れん。クルーにも、警戒を怠るなと指示を出せ」
「はっ」
「待って!」
「「?」」
アーキスさんが、ナイシャル様の指示を受けて船長さんの所に向かって歩いていくのを私は、彼のローブを掴んで引き止めた。
そう言えば、アーキスさんにもナイシャル様と同じように様付けで呼んだら、『姫様に敬称をつけて頂くなんて申し訳がありません!お願いですから、自分の事は呼び捨てでお願いします!』と言われまして……でも流石に、呼び捨ては出来ないとさん付けで呼ぶ事にさせて頂いて……ってそれどころじゃなかったね。
「姫様?」
「悪い子じゃない……たぶん、私を追ってきただけ」
「……魔物じゃないのか?」
ナイシャル様は心配そうな顔で私を覗き込み、より一層警戒を強めているのが分かる。「私を追ってきた」そう言ったから……余計に心配をかけてしまったんだと思う。
だから、ちゃんと説明しなければいけない。
「元々は、かめさんなの。私が植物の力に目覚めた時、近くにいたかめさんを巻き込んでしまって……変化しちゃったの」
そう……元々は、小さな普通のかめさん。
15歳になって少しして、私は巫女としての力に目覚めた。
何時ものように、霊水を汲みに行った帰り道……木々のざわめきが、いつもと少し違っていたんです。まるで、私を歓迎してるような……そんな気がしたんです。
そんな中、私の胸の辺りで翠色の何かが光って……その光は、徐々に強く溢れてきました。
そして、溢れた翠色の光は一面を明るく照らし空に昇って消えたんです。
光が治まって周りを見渡せば、辺りの木々が一様に成長し様変わりしていました。
そして……
足元には、小さなかめさん。
背中の甲羅には、小さな薬草が生えていました。
植物の力が、かめさんを変えてしまったんです。
それからかめさんは、私の後を追ってくるようになって……気が付いたら、人間の子供くらいの大きさに成長していました。流石に教会に隠れて育てるには限界があって……霊峰に逃がす事に。
でも、私が霊水を汲みに行く時は必ずどこからか現れて付いてきてくれた子なんです。
「だから、悪い子じゃないんです」
説明を終えたら…
2人は安心したように顔を見合せあい、私に視線を合わせて頷いてくれて……
「アーキス、船長には問題ないと伝えてこい」
でないと、討伐される可能性があるからな……と、ナイシャル様は言ってくれました。
「話を聞く限り、聖獣になったんだろうな」
霊獣は、霊力が宿った獣。長く長く生きて、霊力を持ち進化(変化)した動物。動物達の長、祖先といった存在だったもの。
幻獣は、霊獣を更に進化(変化)させた獣。その姿は既に既存の動物達とは異なっている。
聖獣は、精霊が力を与え存在が変化した獣。その姿は、力を与えた精霊により変わる。例として、植物の精霊が力を与えた場合、体のどこかに必ず植物が生えているといった感じ。
神獣は、女神様に使えている獣。霊獣、幻獣、聖獣の上に立ち、女神との連絡役の役割を持つと言われている。
「聖獣ですか」
「名はあるのか?」
「クレーテって呼んでます。あの、ナイシャル様……あの子どうなりますか?」
たった数日で、子供くらいの大きさに成長したクレーテは、今では一軒家位の大きさにまで成長しています。ナイシャル様が、島と勘違いするのも頷ける程です。
そんなあの子を、シャムス・サハラーァに上陸させるのは問題視されるかも……最悪、殺されちゃうかな?と思った私は、ナイシャル様に聞きました。
でも……
「ん?聖獣に手を出したら、国が滅ぶ」
「え?」
「聖獣は、精霊の力を備わっている。聖獣に手を出すという事は、精霊や巫女に手を出すという事と同義なんだ」
「そうなんですね」
「聖獣は、人に危害を加えない。こちらから手を出さない限りはな」
杞憂でした。ナイシャル様は、クレーテを国に入れても問題ないと言ってくれました。
……けど、ナイシャル様は一体何者なのでしょうか?
最初はシャムス・サハラーァの貴族の方だと思いました。来ている服やローブは、古く国民が着てるのと遜色ないですが、立ち居振る舞いが町の人とどこか違う気がしたので。
でも、こうしてみると……普通の貴族という感じでもありません。もっと上の、高位貴族なのかも知れません。
そうなると、私は結構不敬な態度をとってない?処罰されないか少し心配。これからは、キルシュ様と接した時のように、マナーを気にしないとダメなのかも知れません。言葉遣いにも気を付けないと……
そうして、海の上で数時間を過ごしていると……ナイシャル様に呼ばれました。シャムス・サハラーァが見えてきたと教えてくれたんです。
船の中は思ったよりも快適で、揺れもないし……
(あれ?)
船の後方で……見た事のある樹木が動いていた。
海の上なのに、移動する森……
「かめさん?」
「どうした?イル」
ナイシャル様も、私の目線を追って遠くの方に見える樹木を見た。最初は島だと思ったみたいだけど、船は移動しているのに、全然離れない樹木を見て警戒したみたいだった。
「ナイシャル様」
「魔物かも知れん。クルーにも、警戒を怠るなと指示を出せ」
「はっ」
「待って!」
「「?」」
アーキスさんが、ナイシャル様の指示を受けて船長さんの所に向かって歩いていくのを私は、彼のローブを掴んで引き止めた。
そう言えば、アーキスさんにもナイシャル様と同じように様付けで呼んだら、『姫様に敬称をつけて頂くなんて申し訳がありません!お願いですから、自分の事は呼び捨てでお願いします!』と言われまして……でも流石に、呼び捨ては出来ないとさん付けで呼ぶ事にさせて頂いて……ってそれどころじゃなかったね。
「姫様?」
「悪い子じゃない……たぶん、私を追ってきただけ」
「……魔物じゃないのか?」
ナイシャル様は心配そうな顔で私を覗き込み、より一層警戒を強めているのが分かる。「私を追ってきた」そう言ったから……余計に心配をかけてしまったんだと思う。
だから、ちゃんと説明しなければいけない。
「元々は、かめさんなの。私が植物の力に目覚めた時、近くにいたかめさんを巻き込んでしまって……変化しちゃったの」
そう……元々は、小さな普通のかめさん。
15歳になって少しして、私は巫女としての力に目覚めた。
何時ものように、霊水を汲みに行った帰り道……木々のざわめきが、いつもと少し違っていたんです。まるで、私を歓迎してるような……そんな気がしたんです。
そんな中、私の胸の辺りで翠色の何かが光って……その光は、徐々に強く溢れてきました。
そして、溢れた翠色の光は一面を明るく照らし空に昇って消えたんです。
光が治まって周りを見渡せば、辺りの木々が一様に成長し様変わりしていました。
そして……
足元には、小さなかめさん。
背中の甲羅には、小さな薬草が生えていました。
植物の力が、かめさんを変えてしまったんです。
それからかめさんは、私の後を追ってくるようになって……気が付いたら、人間の子供くらいの大きさに成長していました。流石に教会に隠れて育てるには限界があって……霊峰に逃がす事に。
でも、私が霊水を汲みに行く時は必ずどこからか現れて付いてきてくれた子なんです。
「だから、悪い子じゃないんです」
説明を終えたら…
2人は安心したように顔を見合せあい、私に視線を合わせて頷いてくれて……
「アーキス、船長には問題ないと伝えてこい」
でないと、討伐される可能性があるからな……と、ナイシャル様は言ってくれました。
「話を聞く限り、聖獣になったんだろうな」
霊獣は、霊力が宿った獣。長く長く生きて、霊力を持ち進化(変化)した動物。動物達の長、祖先といった存在だったもの。
幻獣は、霊獣を更に進化(変化)させた獣。その姿は既に既存の動物達とは異なっている。
聖獣は、精霊が力を与え存在が変化した獣。その姿は、力を与えた精霊により変わる。例として、植物の精霊が力を与えた場合、体のどこかに必ず植物が生えているといった感じ。
神獣は、女神様に使えている獣。霊獣、幻獣、聖獣の上に立ち、女神との連絡役の役割を持つと言われている。
「聖獣ですか」
「名はあるのか?」
「クレーテって呼んでます。あの、ナイシャル様……あの子どうなりますか?」
たった数日で、子供くらいの大きさに成長したクレーテは、今では一軒家位の大きさにまで成長しています。ナイシャル様が、島と勘違いするのも頷ける程です。
そんなあの子を、シャムス・サハラーァに上陸させるのは問題視されるかも……最悪、殺されちゃうかな?と思った私は、ナイシャル様に聞きました。
でも……
「ん?聖獣に手を出したら、国が滅ぶ」
「え?」
「聖獣は、精霊の力を備わっている。聖獣に手を出すという事は、精霊や巫女に手を出すという事と同義なんだ」
「そうなんですね」
「聖獣は、人に危害を加えない。こちらから手を出さない限りはな」
杞憂でした。ナイシャル様は、クレーテを国に入れても問題ないと言ってくれました。
……けど、ナイシャル様は一体何者なのでしょうか?
最初はシャムス・サハラーァの貴族の方だと思いました。来ている服やローブは、古く国民が着てるのと遜色ないですが、立ち居振る舞いが町の人とどこか違う気がしたので。
でも、こうしてみると……普通の貴族という感じでもありません。もっと上の、高位貴族なのかも知れません。
そうなると、私は結構不敬な態度をとってない?処罰されないか少し心配。これからは、キルシュ様と接した時のように、マナーを気にしないとダメなのかも知れません。言葉遣いにも気を付けないと……
そうして、海の上で数時間を過ごしていると……ナイシャル様に呼ばれました。シャムス・サハラーァが見えてきたと教えてくれたんです。
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