【完結】トラウマ眼鏡系男子は幼馴染み王子に恋をする

獏乃みゆ

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エピローグ (※R18)

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「ゆう……」
「ん、」

 始めはついばむようだった口づけが、少しずつ色を伴った深いものに変わっていく。
 悠斗の部屋のベッドの上で、唇を止めどなく食まれている。

 明日からは二泊三日の宿泊研修が始まる。クラスが異なる悠斗は、俺と一緒に過ごせる時間が少ないと元気をなくしていた。
 同情した俺が悪かったのかもしれない……付き合い始めて2ヶ月余り。手を繋いだり、キスしかしていなかったが、悠斗は言ったのだ。『もっとゆうくんに触れたい。そうすれば、研修中は我慢できる』、と。
 そうして、俺は先ほどから悠斗に覆いかぶさられている。二人で学校から帰ってきて、上着を脱ぐとすぐにベッドに横たえられた。
 もう、意識を飛ばしてしまいたい……恥ずかしすぎて心臓が止まりそうだ。泣きそうになっているのか、もう自分でもわからないが、涙の膜が張ってしまって、目の前の悠斗がぼやけてしまう。

「ふ、……ぁ、んん、……っ」
「ゆう…、はぁ、かわい……」

 悠斗は俺の唇を、お菓子か何かだと思ってるみたいだ。舌先で舐めたり、優しく噛んだり、今まで感じたことのない刺激を次々と与えられる。
 唇に全神経を集中させていたのに、頭を撫でていた悠斗の手が少しずつ移動していく。頭、頬、首、胸……と、そっと熱を灯していくように優しく撫でられて行く。
 その時、思わず体が跳ねてしまう。悠斗の指先が胸にある尖りを掠めたのだ。

「……ゆうくん、ここ、気持ちいいの?」
「んぁっ、や、そこ……変……っ」

 悠斗の長い指が、シャツの上から両胸の尖りを的確に刺激し始める。指先で撫でていただけの動きが、そのうちに人さし指と親指で摘むように動き始めた。

「ひぅっ……、あっ、ハルっ 待っ……」
「大丈夫だよ、いっぱい気持ちよくなって?
 僕にゆうくんの気持ちいい顔、いっぱい見せて?
 ね?」
「ん、うう~~~やだ、っ」

 悠斗がそっと顔の前にある俺の腕に触れる。
 キスが止んだ瞬間に、俺は顔を覆うように両腕を重ねて隠してしまった。
 さっきから、恥ずかしさが頭に大量の血液を運んでくるのだ。自分の口からは聞いたことがないような甘ったるい声が発せられて、本当は耳も塞いでしまいたいのに、そうしたら顔を隠せなくなってしまう。俺の手は今、自分の顔を隠すので精一杯なのだ。
 変な声は出るし、体はピクピクと自分の意思に関係なく跳ねてしまうし、絶対に顔もおかしな顔になっているはずだ。
 
「ゆーう」

 名前を呼びながら、悠斗が俺の腕に口づけを落としていく。それでも腕が開かれないので諦めたのか、ゴソゴソと悠斗が動く気配がする。
 腕と腕の隙間から、悠斗を覗こうとした瞬間……

「っあ!」

 悠斗が信じられないところに触れている。
 両足の付け根の間……キスや胸への刺激で、少しだけ芯を持ってしまったそこを、悠斗がやわやわと揉み始めた。

「あっ、ハルっ! そんなとこ…っ!」

 思わず両手で悠斗の手を押し留めようとしてしまう。気づいたときにはもう遅かった。

「はぁ、やっと見れた。
 すごい……ゆうくん……えっちな顔」
「あっ……やっ…」

 悠斗が体を寄せてくるものだから、腕を下げたまま身動きが取れなくなってしまう。

「あっ、あっ……や、」
「どうして?
 すごく可愛いよ?
 ほら、ゆうくんだけじゃないよ、僕だって……」

 身を起こした悠斗に手を取られ、そのまま悠斗の固くなったそれに触れる。
 制服のズボンを押し上げて、固く、熱くなっているのを手の平から感じてしまう。

 目の前に、息を荒げた悠斗がいる。
 興奮しているのは、いつもと違う顔をしているのは、俺だけじゃなかった。

 悠斗のこめかみには薄く汗が浮かんでいる。頬は赤くなり、目は潤んでいる。何かを堪えるような切ない表情は、確かに色気がある。
 俺も体を起こし、自由な方の手で悠斗の頬を撫でる。悠斗はその手に擦り寄せるように、頭を預けた。

「……可愛い……それに、……、
 ハルも、……えっちだね」

 きょとんと、悠斗が大きく目を開ける。そして、ふわりと微笑んだ。

「ふ、ふはっ
 うん。二人ともえっちだね」
「うん……あっ」

 悠斗から、再び深いキスが落ちてくる。今度は俺が懸命に舌を伸ばす。悠斗が撫でてくれて気持ちよかった場所を思い出しながら、なぞるように舌先で触れていく。
 悠斗の手が俺の背中を支えながら、反対の手で器用に俺のベルトを外す。俺も、力の入らない指先で、悠斗のベルトを外していった。
 
「わ……」

 悠斗とお風呂に一緒に入らなくなったのはいつからだったろうか。悠斗への想いに気づいてからは、確実に一緒には入っていない。だから、悠斗の成長を目の当たりにするのは、初めてだ。ボクサーパンツを押し上げる力強いものから、目が離せない。

「……おっきい……」
「…ふふ、ありがと? なのかな?」

 そ、とその先端に触れる。ピク、と悠斗の体が跳ねる。悠斗も……興奮してるんだ。俺に……?

「ハル……かわい、すき」
「!! ゆう……っ!」
「んんっ!」

 勢いよく後ろに押し倒され、そのまま噛み付くように口付けを落とされる。その間も悠斗の手は俺の体を撫で続けて、どんどんと体の熱を上げていく。重なった体から、互いに固く昂っていることが伝わる。悠斗が感じていることが嬉しくて、腰をより重なるように擦り付ける。

「っ! ゆう……っ 我慢できなくなる」
「……がまん?」
「……ゆう……、男同士ってどうやってセックスするか知ってる?」

 ごくりと唾を飲み込む。悠斗が目の前で真剣な顔をしている。
 悠斗と付き合って初めてキスをしてから、一人でも調べてみた。

 世間一般的には、男同士のセックスの仕方なんて、自分で調べてみない限りは知れることがない。でも、ネットであれば、たくさんの情報が出てくる。そうして、一人で調べてみたのだ。
 結果は……あまりに衝撃が強すぎて、詳しくは見れていない。後ろの孔に、悠斗のアレを挿れる……ということはわかったが、それ以上については、すぐにページを閉じてしまってよくわかっていない。
 
「……ここに…、悠斗のを挿れるんでしょ」

 自分の昂りの奥、後孔の辺りをそっと撫でる。悠斗から「ぐっぅ」と、何かを飲み込む音が聞こえた。

「……ゆうはそっちでいいの?」 
「そっち?」
「ゆうが俺を受け入れる側でいいの?」
「うん……そっちしか想像できなくて…」

 悠斗の動きが止まる。……あれ? 目、血走ってる……?

「……想像したの? はぁ、はぁ、……どこまで?」
「え、いや、その……抱き合うところまでは……っ!」

 パンツがずり下ろされる。「あ、」という間もなく、悠斗が上に覆い被さり激しく口付けされる。悠斗の舌が口内を動き回って、中の粘膜を執拗に撫でていく。
 いつの間にか悠斗も下半身を露わにしているようで、己の固いものと悠斗のものが直接擦り合わされるのを感じる。悠斗の二人のものを合わせて握る手に、俺も恐る恐る手を添える。ここまできたら、どうするかはなんとなくわかる。
 何度も角度を変えて唇を重ね合わせながら、腰元の手を二人で動かす。
 クチュクチュと耳を犯す水音が、口元から出ているのか、腰元から聞こえるのかもうわからない。

 呼吸もままならず、ぼうっとした頭で、ただ体を駆け巡る快感と悠斗の熱さだけが確かだ。
 二人の息がどんどんと上がっていく。

「っ はっ、ハル……っ!」
「っ~~、ゆう……っ!」

 熱が腹の上に弾けた。
 は、はぁ、と荒い息遣いが耳に入る。
 手には二人の熱がねっとりとこびりついて、互いにどれほど求め合っていたのかを実感する。

「はぁ、はぁ……ハル……すき…大好き…」
「……ゆう……愛してる。心から。」
「ん、」

 それからまた、何度もキスをして、何年かぶりに一緒にお風呂に入った。
 久々すぎて、長湯してしまったせいか悠斗は鼻血を出して倒れてしまって、その日は看病(?)しながら一緒に眠った。
 
 悠斗とちゃんと身体を繋げるのは、まだもう少し先の話になる。




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