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2話 収集屋
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ビルから移動し、無機質な街を歩いていく。
「君はどんな色が好きなのかな?」
赤色のワンピースを着る少女が問いかけてくる。
「どんな色があるのかわからないのでなんとも言えませんね。」
眼鏡をかけた少年は頭の中で考えていた。
「そういえばどうして黒と白以外の色があるってわかったんですか?」
少女は地下への階段を降りる。
「君はまず、敬語をやめたらどうだい?堅苦しいのは生きにくい証拠だよ?…で、なぜかって話だよね。」
アカは細い道を通る。
「ここを通るんですか?」
「また敬語だよ?」
アカは細い道をどんどん入っていく。
身体を横にして歩く。
「私はね。白と黒が様々な色でできていることを知ったんだよ。なぜ…その集合体のような色が存在しているのに他の色が、無いのか疑問だったんだよね。そして、運命的な出会いを果たしたってわけ。」
アカは奥の扉を開く。
「着いたよ。私達の仕事場。」
部屋は広い空間で本や資料、パソコンなど普通のオフィスのような場所だった。
「ここにいる人間は個性豊かだけど色が無い人間に私は興味がないからね。仲良くしてほしい。」
落ち着いた口調がずっと続いていた。
彼女は少女とは思えないくらいに大人ぽかった。
「そういえばあなたって何歳なんですか?」
シンは…恐る恐る聞いてみた。
「レディーに歳を聞くなんてなかなかやるね。まぁいいけどね。私は24歳になったばかりだよ。」
シンは…驚いていた。ワンピース姿があまりにも似合っているせいか成人しているとは思わなかった。胸も普通ぐらいだから…まぁそうか。
「えっと…17くらいかと思ってました。」
「け・い・ご!…お世辞はいいからこれに着替えて。」
アカは制服を渡した。
白のYシャツに黒いネクタイ。黒いズボン。
「…赤色は入ってないですね。」
「…赤色はね。私の専用色なの。君がこの先、専用色を手に入れれば服のデザインも変わるよ。」
アカはシンの肩をぽんと軽く叩く。
「私も仕事の服に着替えないとね。」
奥の部屋で着替えが終わるとアカの元に全員が並んでいた。
「じゃあ…紹介します。COLORのメンバーになったシン君です。仕事仲間としてこれからよろしく。」
二人の人間がシンを…見ている。
一人は男。もうひとりはアカさんよりは…若い女性。
どちらも自分の色を持っているみたいだ。
「新人を入れるのは構わないけどアカさんは…これいいのか?」
Yシャツの部分に三角に色の模様が描かれている。
「私は気にしねえけどこいつ使えるのか?」
女性の方は結構オラオラ系だった。
「まず男の方はアオって名前で、色の名前を使っているのは私と同じだね。女の子の方はミロ…一応色からとってるみたいね。専用色はアオは青色。ミロは緑色。」
どちらもかなりキャラが濃いみたいだ。
「あの…どうして色から名前をとっているんですか?」
アカは少し考えた。
「前の名前が嫌だったからかな。せっかくだから新しい名前がよかった…じゃだめかな?」
アカは素直に答えた。
生き方をしっかりと決めているように感じた。
「良いと思います。」
シンの言葉にアカは笑顔を見せた。
「とりあえず、色の情報が入ったから今から向かいます。きっと奴らもいると思うからシン君を護衛頼むよアオ。」
アオは…ため息を吐いた。
「アカさんが言うなら仕方ないな。今回だけにしてくれよ。」
「アカさん…色ってどうやって回収するんですか?」
アカは赤色のバラを見せる。
「Keyと呼ばれるパーツに色が眠っている。いわゆる世界で一つしかない最後の色だ。それを奴らに喰われると永遠にその色は回収することはできなくなる。だから慎重にやらなければならない。そして、それを最初に見つけた者がそれを所有する権利を与えられる。全ての色が、集まった時に世界へ開放するつもりでいる。…わかったかな?」
アカはシンを覗いて見ている。
「わ…わかりました。…それと近いです。」
シンとアカの距離はかなり近かった。
「おっと!これは危ないね!」
微笑むと少し離れた。
「それでは行きましょう。」
アカを先頭に現場に向かうのであった。
「君はどんな色が好きなのかな?」
赤色のワンピースを着る少女が問いかけてくる。
「どんな色があるのかわからないのでなんとも言えませんね。」
眼鏡をかけた少年は頭の中で考えていた。
「そういえばどうして黒と白以外の色があるってわかったんですか?」
少女は地下への階段を降りる。
「君はまず、敬語をやめたらどうだい?堅苦しいのは生きにくい証拠だよ?…で、なぜかって話だよね。」
アカは細い道を通る。
「ここを通るんですか?」
「また敬語だよ?」
アカは細い道をどんどん入っていく。
身体を横にして歩く。
「私はね。白と黒が様々な色でできていることを知ったんだよ。なぜ…その集合体のような色が存在しているのに他の色が、無いのか疑問だったんだよね。そして、運命的な出会いを果たしたってわけ。」
アカは奥の扉を開く。
「着いたよ。私達の仕事場。」
部屋は広い空間で本や資料、パソコンなど普通のオフィスのような場所だった。
「ここにいる人間は個性豊かだけど色が無い人間に私は興味がないからね。仲良くしてほしい。」
落ち着いた口調がずっと続いていた。
彼女は少女とは思えないくらいに大人ぽかった。
「そういえばあなたって何歳なんですか?」
シンは…恐る恐る聞いてみた。
「レディーに歳を聞くなんてなかなかやるね。まぁいいけどね。私は24歳になったばかりだよ。」
シンは…驚いていた。ワンピース姿があまりにも似合っているせいか成人しているとは思わなかった。胸も普通ぐらいだから…まぁそうか。
「えっと…17くらいかと思ってました。」
「け・い・ご!…お世辞はいいからこれに着替えて。」
アカは制服を渡した。
白のYシャツに黒いネクタイ。黒いズボン。
「…赤色は入ってないですね。」
「…赤色はね。私の専用色なの。君がこの先、専用色を手に入れれば服のデザインも変わるよ。」
アカはシンの肩をぽんと軽く叩く。
「私も仕事の服に着替えないとね。」
奥の部屋で着替えが終わるとアカの元に全員が並んでいた。
「じゃあ…紹介します。COLORのメンバーになったシン君です。仕事仲間としてこれからよろしく。」
二人の人間がシンを…見ている。
一人は男。もうひとりはアカさんよりは…若い女性。
どちらも自分の色を持っているみたいだ。
「新人を入れるのは構わないけどアカさんは…これいいのか?」
Yシャツの部分に三角に色の模様が描かれている。
「私は気にしねえけどこいつ使えるのか?」
女性の方は結構オラオラ系だった。
「まず男の方はアオって名前で、色の名前を使っているのは私と同じだね。女の子の方はミロ…一応色からとってるみたいね。専用色はアオは青色。ミロは緑色。」
どちらもかなりキャラが濃いみたいだ。
「あの…どうして色から名前をとっているんですか?」
アカは少し考えた。
「前の名前が嫌だったからかな。せっかくだから新しい名前がよかった…じゃだめかな?」
アカは素直に答えた。
生き方をしっかりと決めているように感じた。
「良いと思います。」
シンの言葉にアカは笑顔を見せた。
「とりあえず、色の情報が入ったから今から向かいます。きっと奴らもいると思うからシン君を護衛頼むよアオ。」
アオは…ため息を吐いた。
「アカさんが言うなら仕方ないな。今回だけにしてくれよ。」
「アカさん…色ってどうやって回収するんですか?」
アカは赤色のバラを見せる。
「Keyと呼ばれるパーツに色が眠っている。いわゆる世界で一つしかない最後の色だ。それを奴らに喰われると永遠にその色は回収することはできなくなる。だから慎重にやらなければならない。そして、それを最初に見つけた者がそれを所有する権利を与えられる。全ての色が、集まった時に世界へ開放するつもりでいる。…わかったかな?」
アカはシンを覗いて見ている。
「わ…わかりました。…それと近いです。」
シンとアカの距離はかなり近かった。
「おっと!これは危ないね!」
微笑むと少し離れた。
「それでは行きましょう。」
アカを先頭に現場に向かうのであった。
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