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カゲの再来
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アルムは駆け出す。息はとても荒く、肺が苦しかった。でも前へ前へ行く。絶対に止まってはいけないと自分に言い聞かせながら。村へ戻ると、どの家からも炎が出ている。
「火事なのか?!」
アルムは、あたりを見渡し、その時、気がついた。
村の人達がいないことに、火事が起こっているのにも関わらず、誰一人の声もしないのはおかしい。アルムは、自分の家に向かう。家の近くまで向かうと母らしき人の悲鳴が聞こえた。
「いやぁぁぁ…助けて!!」
「母さんだ!」
アルムは、更に加速して家まで走った。すると家の中の壁に母らしき人の影ともう一つの影が写っていた。
誰なんだ。家の中にあったもう一つの影は…。家の中に飛び込んでいくとやっと状況がわかった。
「本物のカゲ」
そう。今回の火事はカゲの起こしたものだった。
「くっ……母さんから…離れろぉぉ!!」
近くにあった斧でカゲに攻撃をする。だが攻撃が効いていいない。胴体部分に穴を空けるほど強く振ったが全く効果がない。
「!?…嘘だろ。」
カゲは、アルムには見向きもせず母に近づいていく。カゲの大きさは、台所のスペースのギリギリで鎧を着ている兵士の様な格好をしている。硬すぎる。
「母さん逃げて!俺がなんとかするから!」
アルムは必死に斧を振り続ける。母は目の前の光景に正気を失っている。アルムのことが見えていない。アルムの言葉が聞こえていない。カゲの暗黒の鎧に吸い込まれてしまいそうなくらいに…
「…………………………………………………………………」
母は言葉が出なかった。そして遂にカゲは母の首を掴み、持ち上げる。首を絞める。そして母を殺す………そいつは母を目の前で殺して見せた。とてもアルムには一瞬の光景だった。だが、記憶に残すにはあまりにも時間が長かった。
カゲはこっちを向くと凄まじいパワーでアルムを殴る。アルムは衝撃で家の外へ飛ばされた。しかし、痛みを感じないくらい、アルムの精神は憎悪と悔しさと悲しみと感情が混乱していた。アルムは倒れた身体を起こそうとするが身体がいうことをきいてくれなかった。
「クソ……なんでだよぉぉ」
小さい声からボリュームが上がり叫び声となる。カゲは少しずつその距離を詰めていた。10メートル以上あった距離は、秒単位で縮まっていく。アルムは…目を閉じる。
「うぉぉぉぉぉ!!」
闘志に満ちた声がした。いつも小さい頃から聴いていた声だった…。アルムの父だった。剣をその鎧に傷をあたえる。
「アルム、無事か!」
「父さん……」
アルムは嬉しかった。そして安心もした。
「アルムはこのまま逃げろ。北の方にシェルターがある。そこまで走れ!」
激しい戦闘の中でそれを伝える。
「父さん、俺も戦う!」
アルムは立ち上がり、斧を持つ。
「バカ野郎!!父さんはお前を優先的に守る義務がある。俺は、村一番の兵士だ!心配するな!」
父の覚悟にアルムは何かを感じた。心を押し殺し、北へ進む。途中、父との記憶が頭をちらつかせる。だが父は必ず帰ってくると信じた。だからこそ今シェルターへ向かったのだ。走っていると村中にカゲがいたことがわかった。最初は気が付かなかった。凄く憎い、殺したい。でも父の言葉がアルムの心から離れない。だから無視した。
「シェルターが見えた!」
アルムは安心した。しかし、横から衝撃波が飛んできた。
「う……まさか……」
衝撃で倒れたアルムが見上げた。そこには、血がついた剣を持っていた。まさに父の剣だ。きっと父を殺したんだろう。
「あぁぁぁぁぁぁ」
狂いそうだった。心のリミットが限界まで達していた。斧を無茶苦茶に振った。もちろん傷なんてできない。カゲは剣を振った。かわすことは出来たが衝撃波でまた飛ばされる。「………終わりなのかな。」
飛ばされた先は祠があった。何かが呼んでいる。アルムは…衝撃で少し開いた扉に入った。そこには機械仕掛けの剣が祀られていた。その時、何かが聞こえた。
「それを使えばいずれ来る災悪を防ぐことができるだろう。だがそれは再び災悪をもたらす。それでも使うか。」
暗闇の中で剣が呼びかける。
「………………………………」
アルムは何かを見た。しかし、口にすることはできない。
「それはこれからの未来…お前の滅び、もしくは世界の滅び、カゲの滅び。選ぶはお前の行動次第。そしてお前は運命に縛られるだろう。」
頭に直接語りかけるそれは、………だった。………………………言葉にできない。伝えられない。誰にも……………………………これはすべての終わり…なのだから。
アルムは剣を握る。
「あぁ…使う。」
機械仕掛けの剣は炎を出した。歯車がまわり変形する。刃はより長くなり、炎の光が刃と刃の間をギラギラと光輝いている。アルムは飛び出した。地面を滑りながら、つぶやく。「火力100%大炎熱」
剣は激しい炎を作り出しカゲに斬りかかる。カゲの鎧に傷がついた。しかしかすっただけだった。カゲは持っていた剣を黒くカゲに染める。そして激しい砂嵐を起こした。
「クソ、逃げる気か!?待て待て待てぇぇぇえ」
カゲは消えた。そして夜が来る。
村まで歩いていた。途中で父が倒れているのを見つけた。もちろん息はない。その手には父の頭に巻いてある布が握られていた。アルムはこれを形見にした。アルムは布を頭に巻いた。黒く塗られた布は父の想いを背負っている感じがした。
「火事なのか?!」
アルムは、あたりを見渡し、その時、気がついた。
村の人達がいないことに、火事が起こっているのにも関わらず、誰一人の声もしないのはおかしい。アルムは、自分の家に向かう。家の近くまで向かうと母らしき人の悲鳴が聞こえた。
「いやぁぁぁ…助けて!!」
「母さんだ!」
アルムは、更に加速して家まで走った。すると家の中の壁に母らしき人の影ともう一つの影が写っていた。
誰なんだ。家の中にあったもう一つの影は…。家の中に飛び込んでいくとやっと状況がわかった。
「本物のカゲ」
そう。今回の火事はカゲの起こしたものだった。
「くっ……母さんから…離れろぉぉ!!」
近くにあった斧でカゲに攻撃をする。だが攻撃が効いていいない。胴体部分に穴を空けるほど強く振ったが全く効果がない。
「!?…嘘だろ。」
カゲは、アルムには見向きもせず母に近づいていく。カゲの大きさは、台所のスペースのギリギリで鎧を着ている兵士の様な格好をしている。硬すぎる。
「母さん逃げて!俺がなんとかするから!」
アルムは必死に斧を振り続ける。母は目の前の光景に正気を失っている。アルムのことが見えていない。アルムの言葉が聞こえていない。カゲの暗黒の鎧に吸い込まれてしまいそうなくらいに…
「…………………………………………………………………」
母は言葉が出なかった。そして遂にカゲは母の首を掴み、持ち上げる。首を絞める。そして母を殺す………そいつは母を目の前で殺して見せた。とてもアルムには一瞬の光景だった。だが、記憶に残すにはあまりにも時間が長かった。
カゲはこっちを向くと凄まじいパワーでアルムを殴る。アルムは衝撃で家の外へ飛ばされた。しかし、痛みを感じないくらい、アルムの精神は憎悪と悔しさと悲しみと感情が混乱していた。アルムは倒れた身体を起こそうとするが身体がいうことをきいてくれなかった。
「クソ……なんでだよぉぉ」
小さい声からボリュームが上がり叫び声となる。カゲは少しずつその距離を詰めていた。10メートル以上あった距離は、秒単位で縮まっていく。アルムは…目を閉じる。
「うぉぉぉぉぉ!!」
闘志に満ちた声がした。いつも小さい頃から聴いていた声だった…。アルムの父だった。剣をその鎧に傷をあたえる。
「アルム、無事か!」
「父さん……」
アルムは嬉しかった。そして安心もした。
「アルムはこのまま逃げろ。北の方にシェルターがある。そこまで走れ!」
激しい戦闘の中でそれを伝える。
「父さん、俺も戦う!」
アルムは立ち上がり、斧を持つ。
「バカ野郎!!父さんはお前を優先的に守る義務がある。俺は、村一番の兵士だ!心配するな!」
父の覚悟にアルムは何かを感じた。心を押し殺し、北へ進む。途中、父との記憶が頭をちらつかせる。だが父は必ず帰ってくると信じた。だからこそ今シェルターへ向かったのだ。走っていると村中にカゲがいたことがわかった。最初は気が付かなかった。凄く憎い、殺したい。でも父の言葉がアルムの心から離れない。だから無視した。
「シェルターが見えた!」
アルムは安心した。しかし、横から衝撃波が飛んできた。
「う……まさか……」
衝撃で倒れたアルムが見上げた。そこには、血がついた剣を持っていた。まさに父の剣だ。きっと父を殺したんだろう。
「あぁぁぁぁぁぁ」
狂いそうだった。心のリミットが限界まで達していた。斧を無茶苦茶に振った。もちろん傷なんてできない。カゲは剣を振った。かわすことは出来たが衝撃波でまた飛ばされる。「………終わりなのかな。」
飛ばされた先は祠があった。何かが呼んでいる。アルムは…衝撃で少し開いた扉に入った。そこには機械仕掛けの剣が祀られていた。その時、何かが聞こえた。
「それを使えばいずれ来る災悪を防ぐことができるだろう。だがそれは再び災悪をもたらす。それでも使うか。」
暗闇の中で剣が呼びかける。
「………………………………」
アルムは何かを見た。しかし、口にすることはできない。
「それはこれからの未来…お前の滅び、もしくは世界の滅び、カゲの滅び。選ぶはお前の行動次第。そしてお前は運命に縛られるだろう。」
頭に直接語りかけるそれは、………だった。………………………言葉にできない。伝えられない。誰にも……………………………これはすべての終わり…なのだから。
アルムは剣を握る。
「あぁ…使う。」
機械仕掛けの剣は炎を出した。歯車がまわり変形する。刃はより長くなり、炎の光が刃と刃の間をギラギラと光輝いている。アルムは飛び出した。地面を滑りながら、つぶやく。「火力100%大炎熱」
剣は激しい炎を作り出しカゲに斬りかかる。カゲの鎧に傷がついた。しかしかすっただけだった。カゲは持っていた剣を黒くカゲに染める。そして激しい砂嵐を起こした。
「クソ、逃げる気か!?待て待て待てぇぇぇえ」
カゲは消えた。そして夜が来る。
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