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北の殺人鬼
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アルム達は帝国の領地ギリギリまで乗り物に乗せてもらい、そこから歩くことになった。
アルム達は長い旅に向けた支度をする。
一週間以上の食料や水、いくつかの服など。北は少し寒いと言われている。
地域によって極端に気候が変わるのもこの大陸の特徴らしい。クロスは模造刀の他にも武器を用意していた。
「クロスさんはその武器だけでも十分だと思うんですけど?」
アルムはクロスに質問をする。
「そうだな。だが、手数は大いに越したことはない…だろ?」
クロスは微笑む。
「そうですね。僕も準備はちゃんとします。」
アルムはもう一度荷物を確認するために鞄を開ける。
その時、クロのほうをチラッと見た。なんと、何も支度していない。
「クロ…」
アルムが呼びかけようとすると横から同じように呼びかける女の子がいた。
「クロ…支度しないの?かなりの長旅だけど…大丈夫なわけ?」
月姫が心配して聞く。
するとクロは手を広げると空間が歪み、そこから食べ物が手に落ちてきた。
「…………この能力が鞄の役割をしてくれるから……大丈夫。」
月姫も驚いていたがその場の全員が唖然とする。能力の常時発動ができる人間であるということだったのだ。
「驚いたな。能力を…そこまで扱えるのはお前が初めてだ。」
クロスは素直に感心する。
「……それでもまだ半分の力しか扱えてない…。」
クロはむしゃむしゃしながらそう言う。
「何か食べていますよね…」
天姫はクロのこと興味津々で見ていた。
「そろそろ出発だ。行くぞ。」
クロスは扉を開ける。外には乗り物が用意されていた。
荷物を乗せて武器を自分の座席に置く。
他の3人も同じように後ろに荷物を乗せる。
見送りにバーナードが来ていた。
「出発か?」
バーナードはクロスに話しかけた。
「あぁ。行ってくる。報告は無線でな。」
クロスは乗り物に乗り込む。
「………目的。」
バーナードはつぶやく。
「目……的…?」
頭では理解出来なかった。だが…本能が理解した。よくはわからない。だが…、わかる。理解できない中にわかる物が入っている。まるで得体もしれない物体の中にいつも見ている物が入っているみたいに………。
「あと…殺人鬼のカゲがいる可能性がある。気をつけろ。」
クロスは乗り物を走らせる。
街が通り過ぎていく。新しい仲間を連れて…なぜクロは一緒に来るのか忘れてしまった。…なぜだろう…。
アルムはクロスの意識が揺らいでいるのに気がついた。
「クロスさん。殺人鬼のカゲってなんですか?」
クロスはしばらく黙っていた。
「えっ…と…クロスさん?」
クロスは深い息を吐く。
「第一特殊型の影…最も強いランクのカゲだ。」
クロスはやっと喋る。
「他にも第二特殊型、第三…今のところは第五まで確認されている。つまり、一番古いタイプのカゲってことだ。帝国が確認できているのは、第一は5体ほどしかいない。その内の一体って訳だ。」
その言葉に乗り物内は静かになる。
「…それに出会したら……どうなるんですか?」
アルムは恐る恐る言葉にする。
「……死ぬだろうな。」
「クロスさんでも…ですか?」
クロスはアルムの方を見た。
「一応言っておくが、狼の王が第四特殊型だぞ。…それを聞いてどう思う?」
アルムは怖くなった。
「あの力で…第四…。…!?…あの!…鎧を着たカゲはどのくらいかわかりますか?」
アルムは思いつくようにそのまま言葉にした。
「…お前があったことがあるやつか。……第一だな。」
アルムは怒りが込み上げる。
「なら…殺人鬼のカゲも殺りましょう。絶対に…!」
月姫がアルムをチョップする。
「アルム!勝手に決めないで!君がやろうとしているのは自滅に辿り着くだけよ!」
アルムは月姫を睨みつけた。
「俺は殺らなきゃいけないんだ!それが自滅であろうとな!」
月姫は唖然とする。
「君は…。」
そこにクロスが遮る。
「アルム!いい加減にしろ!冷静になれ!」
クロスの強い口調でアルムは目を閉じる。
「…ごめんなさい。僕は何をしていたのか…。」
アルムは先程とは別人のように話す。
やはり、アルムには、人格が2つある。復讐に取り憑かれた時、本当のアルムの人格がやってくる。普段は本来持つ人格が優勢を保っているらしい。この先、復讐人格が現れる可能性が高いだろう。クロスは警戒することを誓った。
しかし、このことは仲間には伝えるべけではないだろう。
静かな車内でクロが食べ物を食べていた。
外は砂漠地帯を越え、草原が広がる。そして、雪が降る。
「どうやらここまでらしい。ここからは歩くぞ。」
クロスは乗り物から降りると重い荷物を背負う。
中からクロが出てきて空を見上げる。
「……………雪。…クロス。荷物預かるけど…。」
クロはクロスの鞄に触れると空間の歪みの中にしまい込んだ。
「…………楽になるはず…。」
クロは他の人の荷物も全てしまい込んだ。
「助かるよ。クロ…ありがとう。」
クロスは首を鳴らす。重い荷物から開放されて身体がとても楽になる。
「さぁ…行こうか。槍を取り返すために…。」
クロスが歩き出す。
全員が頷き、クロスについていく。雪は少しずつ積もっていく。
アルム達は長い旅に向けた支度をする。
一週間以上の食料や水、いくつかの服など。北は少し寒いと言われている。
地域によって極端に気候が変わるのもこの大陸の特徴らしい。クロスは模造刀の他にも武器を用意していた。
「クロスさんはその武器だけでも十分だと思うんですけど?」
アルムはクロスに質問をする。
「そうだな。だが、手数は大いに越したことはない…だろ?」
クロスは微笑む。
「そうですね。僕も準備はちゃんとします。」
アルムはもう一度荷物を確認するために鞄を開ける。
その時、クロのほうをチラッと見た。なんと、何も支度していない。
「クロ…」
アルムが呼びかけようとすると横から同じように呼びかける女の子がいた。
「クロ…支度しないの?かなりの長旅だけど…大丈夫なわけ?」
月姫が心配して聞く。
するとクロは手を広げると空間が歪み、そこから食べ物が手に落ちてきた。
「…………この能力が鞄の役割をしてくれるから……大丈夫。」
月姫も驚いていたがその場の全員が唖然とする。能力の常時発動ができる人間であるということだったのだ。
「驚いたな。能力を…そこまで扱えるのはお前が初めてだ。」
クロスは素直に感心する。
「……それでもまだ半分の力しか扱えてない…。」
クロはむしゃむしゃしながらそう言う。
「何か食べていますよね…」
天姫はクロのこと興味津々で見ていた。
「そろそろ出発だ。行くぞ。」
クロスは扉を開ける。外には乗り物が用意されていた。
荷物を乗せて武器を自分の座席に置く。
他の3人も同じように後ろに荷物を乗せる。
見送りにバーナードが来ていた。
「出発か?」
バーナードはクロスに話しかけた。
「あぁ。行ってくる。報告は無線でな。」
クロスは乗り物に乗り込む。
「………目的。」
バーナードはつぶやく。
「目……的…?」
頭では理解出来なかった。だが…本能が理解した。よくはわからない。だが…、わかる。理解できない中にわかる物が入っている。まるで得体もしれない物体の中にいつも見ている物が入っているみたいに………。
「あと…殺人鬼のカゲがいる可能性がある。気をつけろ。」
クロスは乗り物を走らせる。
街が通り過ぎていく。新しい仲間を連れて…なぜクロは一緒に来るのか忘れてしまった。…なぜだろう…。
アルムはクロスの意識が揺らいでいるのに気がついた。
「クロスさん。殺人鬼のカゲってなんですか?」
クロスはしばらく黙っていた。
「えっ…と…クロスさん?」
クロスは深い息を吐く。
「第一特殊型の影…最も強いランクのカゲだ。」
クロスはやっと喋る。
「他にも第二特殊型、第三…今のところは第五まで確認されている。つまり、一番古いタイプのカゲってことだ。帝国が確認できているのは、第一は5体ほどしかいない。その内の一体って訳だ。」
その言葉に乗り物内は静かになる。
「…それに出会したら……どうなるんですか?」
アルムは恐る恐る言葉にする。
「……死ぬだろうな。」
「クロスさんでも…ですか?」
クロスはアルムの方を見た。
「一応言っておくが、狼の王が第四特殊型だぞ。…それを聞いてどう思う?」
アルムは怖くなった。
「あの力で…第四…。…!?…あの!…鎧を着たカゲはどのくらいかわかりますか?」
アルムは思いつくようにそのまま言葉にした。
「…お前があったことがあるやつか。……第一だな。」
アルムは怒りが込み上げる。
「なら…殺人鬼のカゲも殺りましょう。絶対に…!」
月姫がアルムをチョップする。
「アルム!勝手に決めないで!君がやろうとしているのは自滅に辿り着くだけよ!」
アルムは月姫を睨みつけた。
「俺は殺らなきゃいけないんだ!それが自滅であろうとな!」
月姫は唖然とする。
「君は…。」
そこにクロスが遮る。
「アルム!いい加減にしろ!冷静になれ!」
クロスの強い口調でアルムは目を閉じる。
「…ごめんなさい。僕は何をしていたのか…。」
アルムは先程とは別人のように話す。
やはり、アルムには、人格が2つある。復讐に取り憑かれた時、本当のアルムの人格がやってくる。普段は本来持つ人格が優勢を保っているらしい。この先、復讐人格が現れる可能性が高いだろう。クロスは警戒することを誓った。
しかし、このことは仲間には伝えるべけではないだろう。
静かな車内でクロが食べ物を食べていた。
外は砂漠地帯を越え、草原が広がる。そして、雪が降る。
「どうやらここまでらしい。ここからは歩くぞ。」
クロスは乗り物から降りると重い荷物を背負う。
中からクロが出てきて空を見上げる。
「……………雪。…クロス。荷物預かるけど…。」
クロはクロスの鞄に触れると空間の歪みの中にしまい込んだ。
「…………楽になるはず…。」
クロは他の人の荷物も全てしまい込んだ。
「助かるよ。クロ…ありがとう。」
クロスは首を鳴らす。重い荷物から開放されて身体がとても楽になる。
「さぁ…行こうか。槍を取り返すために…。」
クロスが歩き出す。
全員が頷き、クロスについていく。雪は少しずつ積もっていく。
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