五人の適合者

アオヤカ

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縛り

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クロスは静かに家の中を調べる。
「ここには人がいた。」
クロスは奥まで進む。階段を発見する。クロスは階段を登り、不自然な扉を発見する。他の部屋は閉まっているが、一つだけ開いている。クロスは拳銃を持つ。ゆっくりと扉を開ける。そこは死人の忘れ物がおびただしい数存在していた。血が飛び散り、黒い靄が残っている。カゲの仕業だろう。その時、クロスの脳裏にはバーナードの言葉が蘇る。
「殺人鬼のカゲ……。」
クロスは部屋を出る。早く全員に伝えるべきと考えたクロスは家を出ることにする。…………妙に何か変な気がする。
空間の違和感。生きている心地がしない。クロスは急いで階段を降りる。家を出るために扉を開いた。しかし、外には繋がっていない。
クロスも捕まってしまったのだ。
「…………。やられたな。」
クロスは歩く。クロスのいる場所は図書館のようになっている。広い空間はどこからでも攻撃を仕掛けられてもおかしくない状況だった。
クロスは本を読んだ。どれも古いものばかり。読めない文字のものまで存在する。ここは何処なのだろうか…。
しかし、さっきから異様な感覚がクロスを襲う。
敏感になりすぎているのかもしれない。
早く合流しなければ…。
クロスは歩く。扉を開き、別の扉をまた開く。無限に繋がっているような感覚がするぐらいに思える。カゲの姿はなく。煙のようなものが残っているのみ。
もう一度扉を開ける。すると広く暗い空間が現れる。
真ん中に椅子が置かれている。人形が座わっている。頭を抱えている。クロスは近づく、そして顔を覗き込んだ。
「……………………。…そうか。」
クロスは呟いた。そこにはクロの顔を模様した人形がいた。
「カゲの支配状況…か…。クロはこいつに支配されたのか。心を先に潰す。そして、体を破壊する。…か。」
つまり…この人形には魂が入れられている。体はきっとここに連れてこられる。魂に引き寄せられて…。
扉を開ける音が聞こえた。
クロスは銃口を向ける。
扉からはスーツを着た男が現れる。いや…、カゲだ。顔は黒く塗りつぶされている。口は裂けている。腹あたりから気味の悪い笑い声が響き渡る。殺人鬼のカゲは、攻撃してこない。
「クロを殺したのか?」
クロスは呟いた。
音が聞こえる。笑い声が微かに「違う」と聞こえた。
「殺してないのか?」
クロスは無意味な発言を繰り返す。
殺人鬼のカゲは笑う。裂けた口から大量の黒い煙を出しながら…。
「そうか。だが…これしかできないなら殺るしかないな。」
クロスの刀はカゲを斬りつける。
しかし、切り裂いた傷から大量の血を出しながらカゲは、笑う。その姿は今までにない恐怖をもたらした。
後ろにはもう一つの椅子が用意されていた。そこには人形が用意されていて、クロスの顔が模様されていた。
「俺の負けか…。」
クロスの目は死んでいる。その場に倒れ込んだクロスは刀をゆっくりと離した。
殺人鬼のカゲは笑う。そして、人形になった者にはその声が聞こえるのだった。
魂は人形に縛られる。カゲは人形を撫でる。ひたすら愛でる。人形は何も言えず、動かない。

愛は誰にも理解されなければそれは狂気である。
扉は閉まっていく。部屋は椅子を照らす光のみが見えていた。

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