五人の適合者

アオヤカ

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最強の兵隊

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一ヶ月の月日が経った。
帝国は10万以上の兵士に第二の適合武器を装備させた。
街は騒がしく、明らかに戦争が始まる雰囲気がじわじわと感じる。
白い部屋から見るアルムはカーテンを閉めた。


カゲの侵攻は進んでいるのが現状だった。様々なところでカゲの被害は増えていく一方で、避難する人々で帝国は溢れかえっていた。
「街もかなり物騒だな。」
アルムはため息を吐いた。
「でも……もうすぐ戦いは終わる。カゲの侵攻はこれでなくなる。平和は必ず来るんだ…。」
クロは筋トレをしていた。
「…。俺は前線に復帰できる。クロス…兄さんのように奴らを必ず滅ぼす。だから早くクロも怪我を治したらすぐに来い。…月姫や兄さんの様子はどうだ。」
アルムは剣を置いた。
「…クロス…は何も反応がないよ。…月姫は…ずっと元気がない…。」
アルムは暗い顔をした。
「そうか。…悪いな。俺が面倒を見てやりたいんだけどな。」
「…気にしなくていいよ。アルムはできることをすればいい。」
アルムは立ち上がり、部屋をあとにする。
長く続く廊下を歩いた。窓からの光が反射して地面を照らす。ふと、視界に靴が見えた。そのまま目線を上げる。
「アルム君か。どうやら治ったみたいだね。」
バーナードが軽く微笑む。
「バーナードさん…。」
アルムは下を向き通り過ぎようとした。
「待てよ。」
バーナードはいつもより低い声でアルムに話しかける。
「…今や旧型の適合者はほぼ必要なくなった。君は特別な力をもう一つ持っている。役には立つと思うが…君一人が戦争に行っても戦況など変わらんよ。………言ってしまえば作戦に不必要だ。君は前線に行っても何もしないでくれ。」
バーナードの目は本気だった。いや…曇っていた。
力を平等にして、力を持っていた一部の人間を排除する姿勢でいる。
「……バーナードさん。本当に勝てるんですか?この戦いは…。」
アルムは静かに言った。
「あぁ。第一特殊型だって倒せる最強の兵隊だ。抜け目はない。………何が言いたい?アルム君??」
睨んだ先には少年の悟った目だった。
「今までカゲだけが敵だと思ってました。でも本当の敵はカゲじゃない、人間ですよ。…バーナードさん。刃を向けるだけが敵意ではないんです。」
アルムはまた歩き始めた。
バーナードは笑った。腹を抱えて笑った。廊下に響くように…伝わるように不気味に笑った。
「お前に……何がわかる??何が言いたいんだ?弱い人間はいつも土俵にも上がれないのか?違うだろ?力は平等に与えられるものだッ!最初から手に入れたお前にはわからないだろうがなッ!」
クールなバーナードは感情を爆発させる。
血が煮えたぎるようにバーナードの感情は高くぶち壊れた。
アルムは暗い顔で建物から姿を消した。
カゲは元人間。原理はわからないが…カゲになってしまう。
それがわからない。なぜカゲはここ最近まであれほどいなかったのになぜ…増えたんだ。
それがわからない限り、この戦いは終わらない。
たとえ、強敵を倒せたとしても…。



………………こんなところにいたんですか?
報告では行方不明になっていたので死んだと思いましたよ。

………………………。

…そうですか。では作戦通りにやりましょう。人類全てを救うために…。

……………………………。

あの無能が進んで研究してくれたお陰で私は楽に仕事ができたんですよ。

楽しみですねぇ。一つの光も存在しない世界。無だけが支配する…究極の楽園。
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