転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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328.竜公国8

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「お受けいたします」
シエンナが誠一に代わりエドワードの提案を受けた。

「シエンナっ!」
誠一がシエンナの方を向いた。真意を確かめたかった。
決闘という体裁を整える以上、罪人でなくこちらが傷つく恐れもあった。

「アル、決闘は私が受けるよ。
見たでしょ。あんな人を視線で殺せそうな憎悪を受けまま死なれたら、
どんな呪いを受ける事やら、恐ろし過ぎでしょ」

それは詭弁だ。魔術を学んできた者にとって、
呪いを行使することがいかに難しいことかは、
理解しているはずだった。

尚も何かを言おうとした誠一にロジェが囁いた。
「アルフレート君、受けなさい」

しぶしぶであったが、誠一はエドワードに返答した。
「受けます。日時が決まり次第、ご連絡をお願いいたします」

「明日、ここに来てくれ。ここの庭に鍛練場がある。
そこで行うこととする。グロウ、彼等を宿に案内しろ」
エドワードは軽く会釈をすると、部屋を後にした。

残されたアルフレートたちは、グロウに促されて、宿に向かった。
誠一は、心なしかグロウの表情が和らいでいたような気がした。

「うおっ、ここはっ!アル、アル、ここはあれだ!
竜公国の最高級ホテルじゃね」
建物を見たヴェルの興奮度が最大値まで引き上がっていた。

「ちょっと、この服装で入っていいのかな?大丈夫なの」
自分の服装を見たサリナの混乱度が最大値まで引き上がっていた。
最近、サリナが随分と話す様になり、誠一は嬉しく思っていた。

 正門を出入りする宿泊客に冒険者の出で立ちをした者は皆無であった。
しかし、グロウはそんなことはお構いなしにホテルのロビーに向かった。
周囲の視線も誠一たちに奇異の視線を送る者はなかった。
幾人かの者たちが興味深げに盗み見る程度であった。

 グロウを目にした従業員の1人がこのホテルに
そぐわない慌てっぷりで受付の奥に走っていた。
奥で叱責の声が聞えたが、出てきた者たちも相当に慌てていた。

「はぁはぁ、グロウ様、ご来訪時は前もってご連絡を
お願いいたします。我々にも準備がございます」
旅路で埃ぽい身なりの誠一たちに目を向けずに
グロウにクレームをつけた。

「気にするな。それよりさっさと部屋に案内せよ。
ロイヤルスイートを6室、いや5室だな。
アルフレートよ、今日はどの女と同衾するんだ?」

しゅるると喉を鳴らしているグロウであった。

「いや、同衾とかちょっと、その困ります」

「むっ情報と違うな。連れはおまえの側室候補との情報であったぞ。
まあ、いいがな。貴族にとって、婚姻も一つの戦略になり得る。
おい。6室にしろ。それとお前ら客人をさっさと迎え入れぬか。
エドワード陛下の客人であるぞ」

もしかしてグロウさんってポンコツなのか、そんな失礼な思いが
誠一だけでなく他のメンバーの脳裏にも過った。

無論、誰も思うだけでそんなことは口にしなかった。
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