転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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412.代理戦2

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「おい、ブラスナ。連れて来たぞ。
さっさと始めろ。連絡もしただろう」

「おいおい、ジェイコブさんよぅ。突然、過ぎるだろうよ。
今日は大人しくしとけって。日を改めろよ」

言い争っているのは、ブラナスとジェイコブであった。
密談もへったくれもないほどの声であったため、
周囲にも十分に聞こえていた。
誠一に対してここで何かをしようとしていたことは
明白であった。
ブラスナがジェイコブを利用して、
それとなく漏らしているようにも誠一には思えた。

「いいからさっさとヤレ。おまえも指示を受けただろう。
逆らうつもりか?反逆罪で裁くぞ」
その言葉でブラスナの顔から余裕が消えた。
ジェイコブを睨みつける目には、殺気がこもっていた。
尚も言い争いは続くが、誰も止める者はおらずに続いていた。

「ふう、さてと、時間稼ぎはこのくらいでいいかな。
ジェイコブの旦那、もういいぞ。準備は整った」
ブラスナが殺気を解いて、誠一の方を向いた。

「一体、何を言っているんだ。
貴様のその無礼な態度、許せぬ。こちらを向けっ」

ブラスナの言葉と態度を一向に理解してないのは
この場でジェイコブだけであった。
誠一たちはブラスナに嵌められたことを理解した。

「流石に気づかなかったです。
ジェイコブさんは真に迫る演技でなく、真の態度と言葉でしたから」
誠一は苦笑した。
ブラスナは協力者であるジェイコブを最大限に利用して、
時間稼ぎを利用していた。
「それで、一体、何を準備していたんですか?」
誠一の態度に今度はブラスナが苦笑した。

「さあね、それをここで話したら面白くないだろう。
まっおまえのことは結構、気に入っていたぜ。
凡百の貴族どもより遥かにマシだしな。
ただ、おまえはこの世界で逆らってはいけないモノに
目をつけられて、標的にされた。諦めんだな」

ブラスナが右手に持つ剣を高々と上げると、
誠一の周囲には魔術師と弓兵が現れた。
その兵数、一斉に攻撃を受けたら全てを躱しきることは
できないだろう。

「降伏するか?
降伏されても扱いに困るから、止めて貰えると助かる。
今回、指示が曖昧なんだよ。
殺すのか捕縛するのか、その後、どうするのか良くわかんねーんだよ。
神様ってもの結構、適当だよな。
おっとこれは教団には内緒にしといてくれよ」

ブラスナが大盾を軽々と左手で持ち上げた。恐らく重戦士だろう。
最前線で敵の攻撃を一手に引き受けることを生業としているはずであった。

「困りました。あなたを後退させるのは骨が折れそうです。
できれば穏便に話し合いでなんとかなりませんか?」
誠一の提案をブラスナが一笑に付した。

「ないな。あの苦痛に耐える程、おれは強くないんでな。
啓示を受ける奴なんぞ、あいつらの奴隷と同じなんだよ。
おまえもそうだろう」

大盾に身を隠したブラスナが盾を前面に押し出して
誠一に向かって突撃した。
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