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587.狩猟祭12
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「あっあれは一体」
誠一は莉々絵の動きを見て、呻いた。
「神々の寵愛を受けし者であるおまえも
分かっているだろ。神を侮辱した者の末路だ。
我らが女神様は、狭量だ。
ほんの僅かなことも見逃さずに神罰を下す。
神は将来を見通すことはできないが、
現在、過去を見通すことはできるだろ。
神への反逆、侮辱を隠すことはできないんだよ」
莉々火は徐によたよたと立ち上がった。
その様に誠一は驚嘆してしまった。
あれ程の打撃を太腿に受けた人間が立ち上がれる訳がなかった。
「おいおい、啓示を受けたモノにとって、この程度、当たり前だろ」
莉々火は鎧を脱ぎ始めた。
誠一には何が起きているのか全く理解できなかった。
「なっ何をしている?」
「ははっはっ、新たな啓示が下ったんだよ。
おまえにこの場で抱かれろってな。
まあ、実際には女神様に非ざる汚い言葉だったがな」
莉々火を除いて、誰も動けなかった。
鎧を脱ぎ、服を脱ぎ、下着姿になった莉々火は
鼻水を垂らしながら泣いていた。
「莉々絵は見せしめだよ。
ここでお前が下着をひん剥いて抱かなければ、俺もああなる。
ほんとに糞ったれな女神様だぜ」
リリーというHNのプレイヤーの意図が誠一には掴めた。
品性劣化なこのやりように誠一は怒り心頭であった。
しかし、現実問題に神へ干渉する力が誠一には全くなかった。
「とっ取り敢えず、女神を刺激するような事を
口にすることは止めてくれ」
「ふん、それは何の解決にもならないな。
おまえはこの場で俺を抱かないし、
かりに抱かれたところで
後々、下劣な男どもの慰みモノになるだけだ。
だったら、最後に女神様に今までの不満を
ぶちまけた方がすっきりするだろ。」
「くそっ、何が『アルフレート・フォン・エスターライヒ狩猟祭』だ。
急にくだらないこと始めやがって。
おまえがあの色欲狂いの女神を
刺激したからこんなことになったんだぞ。
どう責任を取るんだよ。
知っているかあの女神、クランの女を適当な男共に犯させて、
興奮してんだぜ。何が全知の神サピエンツに連なる神だよ。
色欲に狂った悪神だろ、死んじまえ」
突然、莉々火が歯を摺り瞑ように歯軋りを始めた。
ぎょりぎょりと異様な音が周囲に響いた。
暫くするとその音は静まった。
代わりに莉々火の口から血がだらだらと流れ始めた。
そして、その場に倒れて、ピクリとも動かなくなった。
誰も動かず、何も言わず、静まりかえっていた。
遠くに木霊する鳥のさえずりと風に揺られて
擦り合う木々の葉音が誠一たちの耳に届くだけであった。
誠一は莉々絵の動きを見て、呻いた。
「神々の寵愛を受けし者であるおまえも
分かっているだろ。神を侮辱した者の末路だ。
我らが女神様は、狭量だ。
ほんの僅かなことも見逃さずに神罰を下す。
神は将来を見通すことはできないが、
現在、過去を見通すことはできるだろ。
神への反逆、侮辱を隠すことはできないんだよ」
莉々火は徐によたよたと立ち上がった。
その様に誠一は驚嘆してしまった。
あれ程の打撃を太腿に受けた人間が立ち上がれる訳がなかった。
「おいおい、啓示を受けたモノにとって、この程度、当たり前だろ」
莉々火は鎧を脱ぎ始めた。
誠一には何が起きているのか全く理解できなかった。
「なっ何をしている?」
「ははっはっ、新たな啓示が下ったんだよ。
おまえにこの場で抱かれろってな。
まあ、実際には女神様に非ざる汚い言葉だったがな」
莉々火を除いて、誰も動けなかった。
鎧を脱ぎ、服を脱ぎ、下着姿になった莉々火は
鼻水を垂らしながら泣いていた。
「莉々絵は見せしめだよ。
ここでお前が下着をひん剥いて抱かなければ、俺もああなる。
ほんとに糞ったれな女神様だぜ」
リリーというHNのプレイヤーの意図が誠一には掴めた。
品性劣化なこのやりように誠一は怒り心頭であった。
しかし、現実問題に神へ干渉する力が誠一には全くなかった。
「とっ取り敢えず、女神を刺激するような事を
口にすることは止めてくれ」
「ふん、それは何の解決にもならないな。
おまえはこの場で俺を抱かないし、
かりに抱かれたところで
後々、下劣な男どもの慰みモノになるだけだ。
だったら、最後に女神様に今までの不満を
ぶちまけた方がすっきりするだろ。」
「くそっ、何が『アルフレート・フォン・エスターライヒ狩猟祭』だ。
急にくだらないこと始めやがって。
おまえがあの色欲狂いの女神を
刺激したからこんなことになったんだぞ。
どう責任を取るんだよ。
知っているかあの女神、クランの女を適当な男共に犯させて、
興奮してんだぜ。何が全知の神サピエンツに連なる神だよ。
色欲に狂った悪神だろ、死んじまえ」
突然、莉々火が歯を摺り瞑ように歯軋りを始めた。
ぎょりぎょりと異様な音が周囲に響いた。
暫くするとその音は静まった。
代わりに莉々火の口から血がだらだらと流れ始めた。
そして、その場に倒れて、ピクリとも動かなくなった。
誰も動かず、何も言わず、静まりかえっていた。
遠くに木霊する鳥のさえずりと風に揺られて
擦り合う木々の葉音が誠一たちの耳に届くだけであった。
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