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2 副長土方の仲介 ーお勢ー
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警護のことで豪志さんと揉めてた私は、副長の部屋へ呼ばれた。
ヤバイ!物凄く危険な感じ。
女の私に切腹はないだろうが、何が起きるか分からない。
豪志さんは何も感じてないみたいだ。
度胸があるのか、単なる鈍感なのか。
夜、副長の部屋へ私と豪志さんだよ。
私が協力しないことを、豪志のやつが告げたんだろ。
床の間を背に土方さんが座り、前に私と豪志さんが並んで正座した。
私が右で、豪志さんが左。
位置なんかどうでもいいようだが、
これがこれから起きる事に重要な意味を持つんだ。
こうして改まって土方さんと向き合うと、見れば見るほど渋いいい男だ。
こいつは玄人向きイケメンだ。
きっと祇園や島原で大勢女を泣かせてるんだろう。
私たちをじっと見ていた彼が口を開いた。
「お勢は隊士ではないし、隊の使用人でもない」
豪志さんに言ってる。
「これをまずしっかりと頭へ入れて置け」
なに言い出すんだろ。
「では、お勢の立場は何か。・・・客人だ」
豪志さんが驚いたのが分かった。
そりゃそうだ。
賄いの女を客人と言えば、誰でも驚く。
豪志さんはまじまじと、私の顔を凝視している。
そんなに見るなよ!
「それも特別の客人だ」
それはちょっと言い過ぎだろ。
「九か月前の隊の発足時、
武骨な男の集団の俺たちは飯もろくに作れなかった。
金もなく食うものもない腹がすいて動けなくなった」
こんな話、警護のもめ事に関係あんのか。
きっと豪志さんも、おんなじ気持ちで聞いてると思う。
「最初は八木邸のお内儀が飯を作ってくれていたが、二十名を超えるとそうもいかず近所の女たちから賄い方を募った」
そうか、そんなことあったんだ。
これは私も初耳だ。
「ところが、壬生狼と恐れられてる俺たちに飯づくりのなり手などなく、
俺が直接民家へ頼みに行ったがだめだった。若い娘は隠れて顔も見せない」
面白い!最高に面白い話だねェ!
今をときめく新選組の鬼の土方が、
百姓や町人に飯炊き女のために頭下げて歩いてたんだ。
イケメン、お前見直したぞ。
「数十人に頼んだが、見事にすべて断られた」
当時は金がないから、仕出し弁当は食えんしな。
「進退窮まった俺たちは、追い詰められて守護職会津藩に泣きついた」
飯炊き女が欲しくて、
新選組が会津に頭下げるなんて信じらんない。
「そして、会津藩公用方から、江戸から大丸へ奉公に来ていたお勢を寄越してもらった。だから、お勢殿は会津から紹介された貴重な客人である」
その時、私はや~な感じがした。
おかしい!副長はこんな昔話をごだごた言うために、
人を呼ぶようなやつじゃない。
絶対なんかある!
それも物凄~くヤバイなんかだ!
ヤバイ!物凄く危険な感じ。
女の私に切腹はないだろうが、何が起きるか分からない。
豪志さんは何も感じてないみたいだ。
度胸があるのか、単なる鈍感なのか。
夜、副長の部屋へ私と豪志さんだよ。
私が協力しないことを、豪志のやつが告げたんだろ。
床の間を背に土方さんが座り、前に私と豪志さんが並んで正座した。
私が右で、豪志さんが左。
位置なんかどうでもいいようだが、
これがこれから起きる事に重要な意味を持つんだ。
こうして改まって土方さんと向き合うと、見れば見るほど渋いいい男だ。
こいつは玄人向きイケメンだ。
きっと祇園や島原で大勢女を泣かせてるんだろう。
私たちをじっと見ていた彼が口を開いた。
「お勢は隊士ではないし、隊の使用人でもない」
豪志さんに言ってる。
「これをまずしっかりと頭へ入れて置け」
なに言い出すんだろ。
「では、お勢の立場は何か。・・・客人だ」
豪志さんが驚いたのが分かった。
そりゃそうだ。
賄いの女を客人と言えば、誰でも驚く。
豪志さんはまじまじと、私の顔を凝視している。
そんなに見るなよ!
「それも特別の客人だ」
それはちょっと言い過ぎだろ。
「九か月前の隊の発足時、
武骨な男の集団の俺たちは飯もろくに作れなかった。
金もなく食うものもない腹がすいて動けなくなった」
こんな話、警護のもめ事に関係あんのか。
きっと豪志さんも、おんなじ気持ちで聞いてると思う。
「最初は八木邸のお内儀が飯を作ってくれていたが、二十名を超えるとそうもいかず近所の女たちから賄い方を募った」
そうか、そんなことあったんだ。
これは私も初耳だ。
「ところが、壬生狼と恐れられてる俺たちに飯づくりのなり手などなく、
俺が直接民家へ頼みに行ったがだめだった。若い娘は隠れて顔も見せない」
面白い!最高に面白い話だねェ!
今をときめく新選組の鬼の土方が、
百姓や町人に飯炊き女のために頭下げて歩いてたんだ。
イケメン、お前見直したぞ。
「数十人に頼んだが、見事にすべて断られた」
当時は金がないから、仕出し弁当は食えんしな。
「進退窮まった俺たちは、追い詰められて守護職会津藩に泣きついた」
飯炊き女が欲しくて、
新選組が会津に頭下げるなんて信じらんない。
「そして、会津藩公用方から、江戸から大丸へ奉公に来ていたお勢を寄越してもらった。だから、お勢殿は会津から紹介された貴重な客人である」
その時、私はや~な感じがした。
おかしい!副長はこんな昔話をごだごた言うために、
人を呼ぶようなやつじゃない。
絶対なんかある!
それも物凄~くヤバイなんかだ!
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