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10 お勢のために生きるー豪士ー
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翌朝、俺が大広間で隊士たちと朝食をとっていると、
廊下でお勢さんが目で合図した。
こんなことは初めてだったから、戸惑った。
気づいた隊士もいたはずだ。
食事を中途に箸を置いた。
俺も食事しながら彼女のことを考えていたから、嬉しかったが。
廊下をお勢さんについていくと、
行く手に若い隊士が立って二人を見ていた。
特に俺を睨んでいる。
思い出した!
三番隊の古松と言うやつだ。
そして、そのまま俺とお勢のあとを、賄いまでついて来る。
俺は小声で、「あいつ、なんなんだ」とお勢に聞いた。
お勢はため息をついて言った。
「新しい警護役ですって」
そう言われれば、俺がいなくなったら代わりの警護役が要る。
くそッ!よりによってあんな奴が!
だが、土方さんの命令なら仕方ない。
賄いへ入ると、さすがに古松は廊下に立ったままついて来ない。
「なんであんな奴が警護役に!」
俺がつぶやくとお勢は言った。
「二番隊の吉岡さんと五番隊の大槻さんを、斬った見たい」
そうか、それで分かった。
俺はお勢さんの側にずっといて、土方さんの命令を忘れてたんだ。
むかついた。
忘れてたのは本当だが、本音は二人を斬りたくなかったんだ。
「あんた、お侍やめなさい!」
いきなりお勢さんが、とんでもないことを言い出した。
「侍やめたら、隊にいられない!」
お前にも会えなくなる!さすがにそれは口にしなかった。
「居られる!賄いの男衆はお侍じゃない!」
俺に賄いの手伝いやれってのか!
そんなこと、土方さんが許すわけないだろう。
それに刀を持たず、どうやってお勢さんを護るんだ。
「あんたの考え聞きたいの!いいの、悪いの!」
俺の考えじゃなくて土方さんの考えだろう!大事なのは。
「副長から了解をとった。承知なら今日から賄いへ来て!」
土方さんが一目置くだけのことはある!
お勢さんの行動力に俺は舌を巻いた。
俺に話す前に土方さんの了解を取ってたんだ。
あの古松という新しい警護役にも、お勢さんは好感を持っていない。
いいも悪いもない!
俺はお勢さんの言葉に飛びついた。
ただ、二つ問題があった。
刀を持たずにどうやって、難敵から彼女を護る!
もう一つは賄いに行っても、俺は何もできない!
包丁で大根を切ったこともない。
「刀のことなら心配ない!土方さんは豪士なら、
脇差だけで十分お前を護れると言ってた」
先日の土方さんの部屋のことを言ってるのだ。
俺は脇差だけで、近藤局長も総司さんも相手にする自信がある。
「じゃ、賄いで脇差を持っててもいいのか」
「土方さんの許しを得た!ただし、おおっぴらに差さないようにと言ってたけど」
問題は賄いの仕事だ。
いくら侍をやめたと言っても、どこへいくにもお勢さんの尻についていくことはしたくない。
隊士たちからバカにされるだろう。
だが、そんなことはどうでもいい!
そうじゃなくて、お勢さんと何か一緒のことがしたいんだ。
「お前と一緒をに居るだけじゃなく、何かを・・・したい」
お勢さんは嬉しそうに笑った。
「そう言ってくれると嬉しいよ。私もそれを考えてたんだ」
なんだそれは!
そんなものがあるのか!
「一から料理を教えるから、豪士さん板前にならない!」
そうか、その手があったか!
嫌も応もなかった。
絶対、あの古松にお勢さんを取られたくない!
「それも土方さんは許可してくれたのか」
「絶対、私を警護をする言う条件付きでね」
なら問題ない!
よし、命をかけてお勢を護る!
命をかけてお勢を愛する!
命かけて料理を覚える!
俺の人生が変わった!
嬉しかった。
これからは、愛するお勢のために生きる!
廊下でお勢さんが目で合図した。
こんなことは初めてだったから、戸惑った。
気づいた隊士もいたはずだ。
食事を中途に箸を置いた。
俺も食事しながら彼女のことを考えていたから、嬉しかったが。
廊下をお勢さんについていくと、
行く手に若い隊士が立って二人を見ていた。
特に俺を睨んでいる。
思い出した!
三番隊の古松と言うやつだ。
そして、そのまま俺とお勢のあとを、賄いまでついて来る。
俺は小声で、「あいつ、なんなんだ」とお勢に聞いた。
お勢はため息をついて言った。
「新しい警護役ですって」
そう言われれば、俺がいなくなったら代わりの警護役が要る。
くそッ!よりによってあんな奴が!
だが、土方さんの命令なら仕方ない。
賄いへ入ると、さすがに古松は廊下に立ったままついて来ない。
「なんであんな奴が警護役に!」
俺がつぶやくとお勢は言った。
「二番隊の吉岡さんと五番隊の大槻さんを、斬った見たい」
そうか、それで分かった。
俺はお勢さんの側にずっといて、土方さんの命令を忘れてたんだ。
むかついた。
忘れてたのは本当だが、本音は二人を斬りたくなかったんだ。
「あんた、お侍やめなさい!」
いきなりお勢さんが、とんでもないことを言い出した。
「侍やめたら、隊にいられない!」
お前にも会えなくなる!さすがにそれは口にしなかった。
「居られる!賄いの男衆はお侍じゃない!」
俺に賄いの手伝いやれってのか!
そんなこと、土方さんが許すわけないだろう。
それに刀を持たず、どうやってお勢さんを護るんだ。
「あんたの考え聞きたいの!いいの、悪いの!」
俺の考えじゃなくて土方さんの考えだろう!大事なのは。
「副長から了解をとった。承知なら今日から賄いへ来て!」
土方さんが一目置くだけのことはある!
お勢さんの行動力に俺は舌を巻いた。
俺に話す前に土方さんの了解を取ってたんだ。
あの古松という新しい警護役にも、お勢さんは好感を持っていない。
いいも悪いもない!
俺はお勢さんの言葉に飛びついた。
ただ、二つ問題があった。
刀を持たずにどうやって、難敵から彼女を護る!
もう一つは賄いに行っても、俺は何もできない!
包丁で大根を切ったこともない。
「刀のことなら心配ない!土方さんは豪士なら、
脇差だけで十分お前を護れると言ってた」
先日の土方さんの部屋のことを言ってるのだ。
俺は脇差だけで、近藤局長も総司さんも相手にする自信がある。
「じゃ、賄いで脇差を持っててもいいのか」
「土方さんの許しを得た!ただし、おおっぴらに差さないようにと言ってたけど」
問題は賄いの仕事だ。
いくら侍をやめたと言っても、どこへいくにもお勢さんの尻についていくことはしたくない。
隊士たちからバカにされるだろう。
だが、そんなことはどうでもいい!
そうじゃなくて、お勢さんと何か一緒のことがしたいんだ。
「お前と一緒をに居るだけじゃなく、何かを・・・したい」
お勢さんは嬉しそうに笑った。
「そう言ってくれると嬉しいよ。私もそれを考えてたんだ」
なんだそれは!
そんなものがあるのか!
「一から料理を教えるから、豪士さん板前にならない!」
そうか、その手があったか!
嫌も応もなかった。
絶対、あの古松にお勢さんを取られたくない!
「それも土方さんは許可してくれたのか」
「絶対、私を警護をする言う条件付きでね」
なら問題ない!
よし、命をかけてお勢を護る!
命をかけてお勢を愛する!
命かけて料理を覚える!
俺の人生が変わった!
嬉しかった。
これからは、愛するお勢のために生きる!
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