妃は陛下の幸せを望む。

池中織奈

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2巻

2-1

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「ひっく……ひっくっ……」

 十年前の、ある晴れた日。
 まだおさなかった私はお城のパーティーから抜け出して、中庭で泣いていた。
 六歳になった私は父に連れられ、その日生まれて初めてパーティーに出席した。
 ミリアム侯爵家の令嬢として相応ふさわしい振る舞いをしようと意気込んでいたのだが、少し年上の侯爵令嬢に「ここはマナーのなっていないお子様が来るところではなくてよ」と意地悪を言われてしまったのだ。
 さげすむような目でにらまれて、身がすくんだ。
 どうしていいかわからず、私は会場を飛び出してしまった。

「ふぇっ……うっ……」

 貴族令嬢たるもの、これくらいのことで泣いてはダメだとわかっていた。
 わかっていても、あふれる涙を止められない。
 私は人目を避けて庭のすみにうずくまっていた。
 その時、背後から声が聞こえた。

「誰かいるのか?」

 私は驚いて顔を上げる。
 すると、見たことがないくらい綺麗きれいな少年が現れた。
 あまりにも整った顔立ちに目を奪われて、涙が止まる。
 パーティーで言われた意地悪なんかどうでもよくなってしまった。
 心臓が激しく脈打つのがわかる。
 この国では珍しい漆黒しっこくの髪が、強く目に焼きついた。
 私は真っ黒な髪を持つ人を、それまで見たことがなかった。
 瞳は晴天を思わせる青色で、質のいい布を使った上等そうな服が、少年の美しさを引き立てている。

「どうしたんだ?」

 少年はそう問いかけてきた。声には、私を心配するような響きがある。

「えっと……」
「泣いていただろう? 何かあったのか?」
「……パーティーで……他の子に、意地悪なことを言われちゃったの。私……っ、い、一生懸命、頑張っていたつもりだったけど……っ。全然、できていないって……」

 わけを話していると、また涙がこぼれてきた。
 社交の場に相応ふさわしい振る舞いをしようと、一生懸命頑張っていたつもりだった。でも、初めてのパーティーに浮かれていて、マナーがおろそかになっていたのかもしれない。

「そうなのか……もしかして、パーティーは初めてか?」
「はい……」

 私が涙を流しながら小さく頷くと、彼は目の前にしゃがみ込んで優しく話しかけてきた。

「初めてのパーティーでそんなことがあったなんて、大変だったな。けれど貴族が集まる場ではよくあることでもある」

 彼の声は穏やかで、聞いていると、不思議と気持ちが落ち着いた。

「誰だって最初は上手くいかないものだ。次からは失敗しないように注意すればいい。そうやって人は学んでいくんだよ」
「そう、なの?」
「ああ。だからそんなに落ち込む必要はない。これから頑張ればいい。もう泣くな」

 そう言って、彼はハンカチを差し出した。
 私を安心させるような、優しい笑みを浮かべている。
 最初はその美しさに……そして次はその優しさに、私はどうしようもないほど心惹こころひかれた。
 ハンカチを受け取り、彼の目を見つめて口をひらく。

「……貴方のお名前は?」
「アースグラウンド・アストロラ。この国の王太子だよ」

 私の問いに、美しい少年は微笑んで答えたのだった。



   第一章


「レナ様、お目覚めの時間ですよ」

 侍女の一人であるカアラの声で目が覚める。私――レナ・ミリアムは、後宮の自室にあるベッドから体を起こし、ぐっと伸びをした。

「……ずいぶん懐かしい夢を見ていたわ」

 夢の内容を思い出しながらそうつぶやくと、カアラが大きな茶色の目を、興味深そうにこちらに向ける。

「どんな夢だったのですか?」
「昔のことよ。陛下と出会った時のことを夢に見たの」
「だから幸せそうな顔をなさっているのですね」

 カアラが私の着替えを用意しながら微笑む。
 私はあの日、アストロラ王国の王太子だったアースグラウンド様に恋をした。
 それからというもの、あの方の力になるために様々な努力をしてきた。
 外見をみがき、貴族令嬢としてのマナーを身につけ、少しでも多くの知識を得ようと勉強に励んだ。
 そうして十年が経ち――
 十六歳になった私はいま、国王となったアースグラウンド様の妃として後宮にいる。
 この国では、国王や王太子の伴侶はんりょを選ぶため、その候補となる令嬢たちを後宮に集める決まりがある。
 普段、後宮は閉鎖されており、正妃や側妃そくひを決める時にのみ建物がひらかれてきた。そこに各地から妃たちが集められ、その中から正妃や側妃そくひ相応ふさわしい者を選ぶという仕組みだ。
 王太子になればいつでも後宮に妃を集められるようになるのだが、たいていは王位を継いでから正妃を選ぶ。正妃と同時に側妃そくひを選ぶ場合もあれば、生涯側妃そくひを持たない場合もある。
 アースグラウンド様は前国王夫妻が急逝きゅうせいしたため若くして王座につき、それと同時に後宮に妃が集められることになった。
 私もそうして集められた妃の一人である。
 カアラが手渡してくれたガウンを羽織はおって椅子に座ると、部屋の扉をノックする音がした。

「レナ様、お茶をおれしましたわ」

 そう言って、侍女のフィーノとメルディノが部屋に入ってきた。その後ろには、同じく侍女のチェリもいる。
 いま入ってきた三人とカアラは、私が育てた侍女だ。
 私はおさない頃に、孤児だった彼女たちを引き取り、様々な能力を身につけさせた。陛下の力になるため、自分の手足として動いてくれる味方が欲しかったのだ。
 彼女たちは、普通の侍女としての仕事を完璧にこなすだけでなく、戦闘や諜報活動も得意としている。
 この後宮では、私の命令で情報収集をおこなったり、護衛をしたりしてくれていた。
 彼女たちとはおさない頃から共に過ごしてきたため、気心の知れた仲だ。
 私のためならなんだってできると言ってくれるこの子たちのことを、私は本当に信頼している。

「レナ様、お茶を召し上がっている間に、少しご報告してもよろしいでしょうか?」

 侍女たちの中で一番背の高いフィーノが、テーブルの上にお茶の入ったカップを置きながら言った。

「いいわよ。何か新しい情報でも手に入ったのかしら?」
「いえ……それが何も得られていなくて……」

 フィーノが悔しそうな顔をする。彼女の言葉に頷きつつ、チェリも口をひらいた。

「ベッカ様が処罰されて以来、いままで騒がしかったのが嘘のように、後宮内は静まり返っています」

 この国の後宮では、正妃の座をめぐる妃同士の争いが絶えず、命の危険にさらされることも珍しくない。
 数週間ほど前、私はパーティーで毒を盛られかけ、その後暗殺者に襲われた。
 暗殺者を差し向けたのは、妃の一人であったベッカ・ドラニア伯爵令嬢。
 ベッカ様は、陛下に近づこうとする妃に嫌がらせをしたり、下級貴族の妃をいじめたりしていた。
 さらに彼女は私を殺そうとしたばかりか、外部の男を後宮に引き入れて密通し、妊娠したら陛下の子供だといつわろうとしていたのだ。
 結局のところまだ妊娠していなかったようだが、ともあれそれらの悪事が明るみになり、ベッカ様は処罰された。
 ただ、彼女はパーティーで私の飲み物に毒を仕込んだことについては認めなかった。
 私はパーティーの夜以外にも何度か暗殺者の襲撃にあっていたのだが、その犯人もベッカ様ではないらしい。
 ベッカ様が犯人ではないとすると、疑わしいのは同じ伯爵令嬢であるリアンカ・ルーメン様だ。
 彼女はベッカ様と正妃の座をめぐって対立していたし、他の妃たちへのいじめもおこなっていた。正妃になることに、相当執着しているのだろう。
 だけどリアンカ様が毒を盛ったという証拠も、暗殺者をやとっていたという証拠もなかった。
 とはいえ、リアンカ様が正妃になるために何かしようとしているのは間違いない。
 もし、陛下が選んだ妃が力を持たない下級貴族だった場合、リアンカ様に潰されてしまうかもしれない。
 陛下が何不自由なく正妃を選べるようにするため、私は特にリアンカ様の動きに注意していた。だけど……

「……平和だわね」

 陛下やその部下がベッカ様の対応に気を取られている隙に、リアンカ様が目障めざわりな私を亡き者にしようと動き出す可能性は十分にあった。
 けれど、リアンカ様は動かなかった。

「平和なのはいいことではないですか」

 メルがそう言って笑う。

「ええ。確かにそうだけれど、こうも急に静かになると、少し不安になるわ。でもリアンカ様はエマーシェル様のことに感づいたわけでもなさそうだし……本当に大人しくしているだけなのかしら。それとも水面下で何かたくらんでいるのかしら」

 後宮には、エマーシェル・ブランシュ様という男爵令嬢がいる。
 およそ貴族令嬢らしくない純朴な少女であるものの、どうやら陛下は彼女のことを気に入っているらしいのだ。
 集められた妃の中から正妃を選ぶ過程で、国王や王太子は妃たちと体の関係を持つ。
 どうやらいまの陛下――アースグラウンド様は妃を抱くことを国王としての義務だと考えているらしく、夜伽よとぎの時には必要最低限の会話しか交わさず、妃と共に夜を明かすこともない。
 ところが、夜伽よとぎ以外では後宮に近づきもしなかった陛下が、ある時からエマーシェル様に会うために昼間に後宮を訪れるようになったのだ。
 私が気づいた時には、まだ他の妃たちはこのことを知らなかった。けれど知られてしまえば、エマーシェル様の身が危険にさらされるだろう。
 エマーシェル様は私のように護衛のできる侍女を連れていないし、そもそも彼女は警戒するということを知らないようで危なっかしい。
 だから私はエマーシェル様を守るため、陛下が会っているのは私だという噂を流すことにした。
 いまのところ私のたくらみは上手くいっていて、リアンカ様はもちろん他の妃たちも皆、その噂が嘘だと気づいていない。

「エマーシェル様のことはバレていませんわ。彼女の周囲にも変わった様子は見られません」
「大丈夫ですよ、レナ様。ベッカ様が処罰されたのを見て、リアンカ様も大人しくしているのかもしれませんし」

 侍女たちが口々に言う。
 彼女たちの言う通り、リアンカ様が慎重になっているという可能性はあるだろう。

「でも……リアンカ様は正妃になることをあきらめたりしないでしょうね」
「それは、そう思いますわ」

 私の言葉に、カアラが真面目な顔をして頷く。
 リアンカ様は、ベッカ様の件を受けて多少やり方を変えるかもしれないが、基本的に行動を改めることはないだろう。その証拠に、彼女は表立った動きは控えているものの、自分の味方の妃たちとはマメに会っている。
 何かをたくらんでいるかもしれないし、警戒することは決して無駄ではない。

「レナ様、もし何かあっても、私たちが絶対にレナ様を守りますわ」

 フィーノがそう言って笑ってくれる。

「ふふ、ありがとう。フィーノ」

 心からの言葉だとわかるからこそ、本当にこの子たちが好きで、大切だと改めて思う。

「貴方たちがいてくれるとはいえ、何が起こるかわからないのだから警戒はしておくべきだわ。暗殺者という手は使えないと証明されたようなものだし、いままでとは違う手段で何か仕掛けてくるかもしれないもの」

 ベッカ様が私に暗殺者を差し向けて失敗したことは、既に後宮中の妃たちの知るところとなっている。
 つまり、私を害するために暗殺者を送り込んでも、そう簡単にはいかないと知らしめたようなものだ。
 それを理解したうえで私を排除しようとする者がいるならば、もっと別の行動を取るはず。
 その別の行動がなんであるか、というのが問題だ。

「そうですね。そもそもあの程度の暗殺者で、私たちの大切なレナ様を殺せると思っているのが間違いですわ。まぁ、どんな手を使ったとしても、私たちがいる限り、レナ様を傷つけさせはしないのですけれど」
「レナ様のことは絶対に守ってみせます」

 フィーノに続いて、チェリもそう言ってくれた。

「ありがとう。私も貴方たちくらい強ければよかったのだけど……」

 貴族の令嬢には不要な力だろうけれど、私はある程度の護身術を身につけている。けれどこの後宮で身を守るには十分だとはいえない。もっと私に戦う力があったら、この子たちを危険な目にあわせることなく自分の身を守れるのに。
 そうした力があれば、陛下のことも守れただろうと思う。

「守るのは私たちの仕事ですから。レナ様は自分のやるべきことをやってください」
「そうですよ。レナ様にそんな力があったら、私たちのお役目がなくなってしまいますし」

 私の言葉に、フィーノとチェリが答える。
 ちょうどその時、ドアをノックする音が聞こえて、三人の侍女が入ってきた。
 私が妃になった際に、後宮側から新しく付けられた侍女たちだ。
 三人が私に一言ずつ挨拶あいさつすると、フィーノ、メル、カアラが彼女たちに仕事の指示をするために私のそばを離れた。
 その様子を眺めながら、フィーノにれてもらったお茶を飲む。茶葉の香りが口の中に広がると、ふっと肩の力が抜けた気がした。
 たとえ私に身を守る力があったとしても、一人で全てのことができるわけではない。だから、こうして侍女たちの力を借りているのだ。
 私の足りない部分を補ってくれる彼女たちには、感謝してもしきれない。
 彼女たちがいなければ、私は自分の目的を達成しようとする中で、もっともどかしい思いをしていただろう。
 私の目的とは、陛下を幸せにすることだ。
 そのために私は、陛下が心から愛する方に、正妃になってほしいと思う。
 人をいとしいと思うことは、とても幸せなことだ。
 私はそれを、陛下に恋することで知った。
 貴族社会では政略結婚が当たり前だけれど、もし陛下が自分の愛する人と生涯を共にできるなら、きっと陛下の人生は豊かで幸福なものになるだろう。
 陛下はエマーシェル様のことを気に入っているようだけれど、それが恋愛感情なのかどうかはまだわかっていない。
 私は早く陛下のお考えを知って、あの方の望む妃を正妃にするために行動したいと思っている。
 けれど後宮が荒れているままではそれも難しい。だから私はまず、陛下が自由に正妃を選べるような環境を整えようとしているのだ。
 陛下のお考えを探ることと、後宮を平和にすることを同時にできればいいのだが、なかなかそこまでは手が回っていなかった。
 陛下が正妃に望んでいる妃とは誰なのだろうか。
 私が聞いたところで陛下が答えてくださるとは思えないけれど、もし教えてくださるならば、私は喜んでその方を正妃にできるよう手助けするのに。
 そんなことを考えていると、どうしようもないほど陛下への思いがあふれてきて、胸がいっぱいになる。
 後宮に来て、陛下に何度も抱かれて、こんなにも私の心を動かすのは、やはり陛下だけだと感じた。
 私が冷静ではいられなくなるくらい激しい恋心を抱いてしまう相手は、陛下だけなのだ。

「レナ様、ぼーっとしていますが、どうしましたか?」

 物思いにふけっていると、すぐそばに控えているチェリが顔を覗き込んできた。

「陛下のことを考えていたの。あの方は結局のところ、誰を正妃にしたいと思っていらっしゃるのかしら?」

 陛下がエマーシャル様と昼間に会っていることを知ってから、陛下が彼女に恋しているのかどうか調べたり、彼女が正妃になることを想定してみたりした。
 もし陛下がエマーシェル様を正妃にと望まれたなら、正妃に必要な知識やマナーを教えて差し上げられるよう、準備もしてある。
 けれど、実際の陛下のお心を知ったうえで動いていたわけではないのだ。陛下と私の距離は決して近くはなく、その願いを知れるほどの仲ではない。

「さぁ……それは私にもわかりかねます。ですが、カアラがトーウィン様に探りを入れているので、そのうち何かわかるのではないでしょうか」

 トーウィン様というのは陛下直属の文官で、カアラに思いを寄せている青年だ。
 ひょんなことから彼と協力関係を結ぶことになって以来、頻繁ひんぱんに情報のやり取りをしている。
 そこで私は、ふとあることを思い出す。

「そういえば……最近陛下の様子が少し変なように感じるの」

 チェリにだけ聞こえるよう、小さな声で言った。
 思い返せば、ベッカ様が処罰されたあとくらいから、陛下の様子はおかしかった。ベッカ様が後宮を去ってから初めて陛下が私のもとを訪れた夜、私に何かを言おうとしていたけれど、結局何も言わなかったのだ。
 そして最近になって、ただ淡々と義務を果たすためだけに私のもとを訪れていたあの方が、自分から私に話しかけてくるようになった。
 今日は何をしていたのかとか、どんな紅茶が好きなのかとか、そんな他愛のないことばかりだけれど、いままでの陛下の態度からは考えられないことだ。
 陛下は私がエマーシェル様を守るために嘘の噂を流していることに気づいている。そのせいで私は、何かよからぬことをたくらんでいるのではないかと疑われてさえいたのに。
 私に話しかけてこられるのは、何かお考えがあってのことなのだろうか?
 余計なことで陛下のお手をわずらわせないためにも、あの方が何を思っていらっしゃるのか、わかればいいのだけれど……
 カアラがトーウィン様から何か聞いているかもしれない。そう思ってチェリに尋ねてみると、彼女はなんともいえない顔をした。
 どことなく喜んでいるようにも見える。

「チェリは心当たりがあるの?」
「はい、少し」
「……それは?」
「まだ断言できるわけではないので、確認してからご報告します」

 そう言われてしまった。
 確認してからとは言うものの、彼女の表情からして、既に何かを確信しているのではないかと思う。
 だけど、私の信頼する侍女がいまは言うべきではないと判断しているのだから、無理やり聞き出すのはやめた。
 とはいえ、ずっと陛下をおしたいしている私にもわからないことが、侍女にはわかっているようなのが少し悲しい。
 彼女よりは陛下の近くにいるはずなのに、あの方の態度が変化した原因を推測すらできないだなんて……
 もっと頑張らなければ。平和で落ち着いた日々もいいけれど、何も考えずにゆっくりしているわけにはいかない。
 ベッカ様が処罰されたことによる影響について考えなければならないし、陛下とエマーシェル様の関係についてももっと詳しく調べていく必要がある。
 今度、エマーシェル様に会いに行ってみようかしら?
 でも、陛下が私のもとに通っているという噂を流しているいま、私が動けば目立ちすぎる。
 彼女と私の仲が良いと、他の妃たちに誤解される可能性もあるだろう。


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