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何故、妹は姉をざまぁするに至ったか㉙
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「おはよう」
目を覚ましたお姉様は、お父様から言われたことも全て忘れているようだった。私がお姉様に此処が乙女げぇむの世界だと告げた時と一緒だ。お姉様は私の事なんて欠片も見ていない。何も見ていなくて、私の言葉は届かない。
執事が何も覚えていない様子のお姉様を見て、何とも言えない表情を浮かべていた。
昨日、お父様とはお姉様の事を話した。外でこれが出てしまうのは公爵家として困るのだと、だけど表面上何も問題を起こしていないお姉様をどうこうするのはどうだろうかとお父様は悩んでた。お父様は家族思いの優しい人だ。そして公爵家当主としての厳しさも持ち合わせている。
私はそんなお父様に、六年後、お姉様がやはりこのままであるというのならば催しをしたいのだと再度告げた。その催しは私にとっての賭けだ。そしてお姉様がちゃんとここを現実だと理解してくれるための最後のチャンスと言えるかもしれない。
お父様はその言葉に頷いてくれた。現実だと認めず叫び、忘れるという異常な状態のお姉様を見てこのままではいけないと思ってくれているのだろう。ただ流石にお父様にも転生者だとか乙女げぇむだとかそういう話はできなかった。
お父様は王家と連絡を取り合って、お姉様の傍に専属の侍女をつけると言っていた。お姉様がああいう態度をとる事まで、デル兄様は知らない。取り乱してなかったことにしたりすることは言っていなかった。そのことも王家に伝えた上で、お父様は対応をするのだと言っていた。
あくまでお姉様がおかしくなっているというのは私やお父様の主観であるし、きちんと王家の手の者にお姉様のことを見てもらうことによって、王族の妻として相応しいのかも見極める機会になるだろうからって。王位を継がないとはいえ、デル兄様の体に流れるのは尊き血だ。その妻におさまるものが都合が悪い現実を一切認めないというのは問題しかないだろう。ただの平民であったらまだ問題はなかったかもしれない。でも私たちは貴族なのだ。
――ああ、お姉様。
どうしてお姉様は私たちをきちんと見ようとしないのでしょう。私たちのことを記号か何かのようにしか見ていなくて、私たちがどういう感情をお姉様に向けていようが、お姉様の思い込んでいる私たちしか見ない。
私はお姉様のことが大好き。それは紛れもない事実。
だけど、私を見ないお姉様の事は嫌いだ。
そんな矛盾した感情を私は抱えている。
私たちの言葉はお姉様に届く事はない。――学園で、お姉様が現実を見てくれるきっかけがあればいいのにと思うと同時に、私やお父様が言葉を尽くしても通じないのに、ぱっと出の人間がお姉様と距離を縮めることがあるかと思うと少しだけもやもやもした。
お姉様は、お父様が戸惑った目でお姉様を見ていても何も気にしない。ただいつも通り、評判通りのアクノール・カプラッドとしてそこにいる。
お姉様はしばらく滞在して、学園に戻っていった。
滞在中、お姉様に沢山話しかけたけど、やっぱりお姉様は私自身を見てなんていなかった。
お姉様が学園に戻ってしばらくして、お姉様の傍に王家からの侍女が侍るようになった。けれど、やはりその侍女に対してもお姉様は当たり障りのない態度しかしない。
高位の貴族令嬢としても、周りの人間についてはちゃんと考えなければならない。共にいる人のことも考えなければならない。――お姉様は誰とも自分から仲良くなろうとしなかった。けれど、来るものを拒もうともしてないというのも分かった。お姉様は悪役令嬢というのになりたくないらしいというのは知ってる。だから周りに優しくしようとしているのも知ってる。でも高位貴族の令嬢なら周りに気を配らなければならない。
ただ表面上だけの優しさではどうしようもない。貴族であるから派閥というものも当然ある。王太子殿下とデル兄様の仲は悪くない。寧ろ良い方らしい。しかしデル兄様を担ぎ上げて良い思いをしようとする人間がいないわけではない。デル兄様の婚約者であるお姉様はこのカプラッド公爵家の娘でもある。両方を狙っているものもいるのだ。
お姉様は当たり障りのない対応をしているらしい。それをいいことに押せばアクノール・カプラッドはこちらの望むままに動くのではないかと行動するものも出てこようとしてるそうだ。
まぁ、周りが対処をしているらしいけれど、お姉様は成績は優秀でもそのあたりが弱いらしい。これもこの世界をげぇむの世界だと思い込んでいる影響なのだろう。
お姉様の周りに取り巻きのような令嬢も出来ている。ウーログが言うには悪役令嬢に取り巻きがいるのはよくある事らしい。お姉様は友人を作ろうとは一切せず、ただ心優しい公爵令嬢として毎日を過ごしているようだ。
……私の言葉もお父様の言葉もお姉様には届かない。
お姉様が卒業までに現実を見てくれればいいけど……と感じながら私はお姉様をざまぁするための準備を着々と進めていくことにした。
目を覚ましたお姉様は、お父様から言われたことも全て忘れているようだった。私がお姉様に此処が乙女げぇむの世界だと告げた時と一緒だ。お姉様は私の事なんて欠片も見ていない。何も見ていなくて、私の言葉は届かない。
執事が何も覚えていない様子のお姉様を見て、何とも言えない表情を浮かべていた。
昨日、お父様とはお姉様の事を話した。外でこれが出てしまうのは公爵家として困るのだと、だけど表面上何も問題を起こしていないお姉様をどうこうするのはどうだろうかとお父様は悩んでた。お父様は家族思いの優しい人だ。そして公爵家当主としての厳しさも持ち合わせている。
私はそんなお父様に、六年後、お姉様がやはりこのままであるというのならば催しをしたいのだと再度告げた。その催しは私にとっての賭けだ。そしてお姉様がちゃんとここを現実だと理解してくれるための最後のチャンスと言えるかもしれない。
お父様はその言葉に頷いてくれた。現実だと認めず叫び、忘れるという異常な状態のお姉様を見てこのままではいけないと思ってくれているのだろう。ただ流石にお父様にも転生者だとか乙女げぇむだとかそういう話はできなかった。
お父様は王家と連絡を取り合って、お姉様の傍に専属の侍女をつけると言っていた。お姉様がああいう態度をとる事まで、デル兄様は知らない。取り乱してなかったことにしたりすることは言っていなかった。そのことも王家に伝えた上で、お父様は対応をするのだと言っていた。
あくまでお姉様がおかしくなっているというのは私やお父様の主観であるし、きちんと王家の手の者にお姉様のことを見てもらうことによって、王族の妻として相応しいのかも見極める機会になるだろうからって。王位を継がないとはいえ、デル兄様の体に流れるのは尊き血だ。その妻におさまるものが都合が悪い現実を一切認めないというのは問題しかないだろう。ただの平民であったらまだ問題はなかったかもしれない。でも私たちは貴族なのだ。
――ああ、お姉様。
どうしてお姉様は私たちをきちんと見ようとしないのでしょう。私たちのことを記号か何かのようにしか見ていなくて、私たちがどういう感情をお姉様に向けていようが、お姉様の思い込んでいる私たちしか見ない。
私はお姉様のことが大好き。それは紛れもない事実。
だけど、私を見ないお姉様の事は嫌いだ。
そんな矛盾した感情を私は抱えている。
私たちの言葉はお姉様に届く事はない。――学園で、お姉様が現実を見てくれるきっかけがあればいいのにと思うと同時に、私やお父様が言葉を尽くしても通じないのに、ぱっと出の人間がお姉様と距離を縮めることがあるかと思うと少しだけもやもやもした。
お姉様は、お父様が戸惑った目でお姉様を見ていても何も気にしない。ただいつも通り、評判通りのアクノール・カプラッドとしてそこにいる。
お姉様はしばらく滞在して、学園に戻っていった。
滞在中、お姉様に沢山話しかけたけど、やっぱりお姉様は私自身を見てなんていなかった。
お姉様が学園に戻ってしばらくして、お姉様の傍に王家からの侍女が侍るようになった。けれど、やはりその侍女に対してもお姉様は当たり障りのない態度しかしない。
高位の貴族令嬢としても、周りの人間についてはちゃんと考えなければならない。共にいる人のことも考えなければならない。――お姉様は誰とも自分から仲良くなろうとしなかった。けれど、来るものを拒もうともしてないというのも分かった。お姉様は悪役令嬢というのになりたくないらしいというのは知ってる。だから周りに優しくしようとしているのも知ってる。でも高位貴族の令嬢なら周りに気を配らなければならない。
ただ表面上だけの優しさではどうしようもない。貴族であるから派閥というものも当然ある。王太子殿下とデル兄様の仲は悪くない。寧ろ良い方らしい。しかしデル兄様を担ぎ上げて良い思いをしようとする人間がいないわけではない。デル兄様の婚約者であるお姉様はこのカプラッド公爵家の娘でもある。両方を狙っているものもいるのだ。
お姉様は当たり障りのない対応をしているらしい。それをいいことに押せばアクノール・カプラッドはこちらの望むままに動くのではないかと行動するものも出てこようとしてるそうだ。
まぁ、周りが対処をしているらしいけれど、お姉様は成績は優秀でもそのあたりが弱いらしい。これもこの世界をげぇむの世界だと思い込んでいる影響なのだろう。
お姉様の周りに取り巻きのような令嬢も出来ている。ウーログが言うには悪役令嬢に取り巻きがいるのはよくある事らしい。お姉様は友人を作ろうとは一切せず、ただ心優しい公爵令嬢として毎日を過ごしているようだ。
……私の言葉もお父様の言葉もお姉様には届かない。
お姉様が卒業までに現実を見てくれればいいけど……と感じながら私はお姉様をざまぁするための準備を着々と進めていくことにした。
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