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第二部
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夜を迎えてお風呂にも入った!もう寝るだけ!というときになってアデミル様があの小瓶を取り出した。忘れていてほしかった気もする。
「さて、シオリ。飲んでみるか?」
「は、はい……」
「無理強いはしない。嫌なら嫌と言ってくれ」
「い、いえ、飲みます!」
私はごくりと喉を鳴らすとその小瓶を受け取った。
「瓶の半分までだぞ」
「はい」
蓋を開け、すん、と匂いを嗅いでみる。甘ったるい何とも言えない香りがした。それを私は唇に当て、くいっと傾ける。
とろりとしたそれが口の中に入ってきてこくりと飲み下した。だいたい半分。こんなものか。味はなんだか砂糖を煮詰めて柑橘の香りをつけたようなそんな味がした。
蓋を締めてサイドチェストの上に置く。即効性があると言っていたがどの程度のものなのだろう。
「横になりなさい。楽にして。すぐに効いてくる」
「はい」
言われるがままにベッドに横になって力を抜く。
「アデミル様はこういうの飲んだことあるんですか?」
「いや、私は立場上こういうものは使わないようにしている」
「立場上?」
「我を失って女を抱いて孕ませてはことだろう?」
「ああ、そういう……」
私たちは使っていないがこの世界にも避妊具や避妊魔法はある。けれど我を忘れてしまえばそれをつけることもかけることも忘れてしまうかもしれないということか。
そして彼は辺境伯だ。二十五歳のときに辺境伯になったというから異例の速さの出世だ。獣人嫌いの国王はそれだけ早く彼を遠ざけたかったのだろう。
その彼が不用意に子供を作っては余計な火種になりかねない。そういうことだろう。
「……なんだか体がぽかぽかしてきました」
そうこう考えている内に体が温かくなってきた。
「効いてきたな」
ぽかぽかと感じていた熱は次第に腹の奥からずくずくと響く熱となって下肢に集まり始める。
「なんか、変な感じです……お腹の中が熱い……」
「ちゃんと効いている証拠だ」
ぼんやりと天井を眺めていたがアデミル様が不意に私のお腹を撫でて私はびくりと震えた。
「あ、あ……!」
それ、は突然やってきた。下肢が、入り口がぎゅうんっと熱くなって私は身を捩る。
「アデ、ミル様っ!触って……!」
私はアデミル様の手を取って下肢へと導くが、しかしアデミル様はもうしばらく待て、と素気ない。
「我慢だ、シオリ」
けれど私は初めてのそれにふるふると首を横に振ってやだ、と駄々をこねた。
「さわって、もうだめ、あ、あっ」
動いてくれないアデミル様の手を私は自らクロッチ部分に押し付けて腰を揺らめかす。それだけでも十分に気持ちが良いのにそれでは足りないと体が叫んでいる。
「あっ、あっ、だめ、やだ、アデミル様お願い、触ってえ!」
なのにアデミル様はまだ我慢だ、と言ってもう片方の手で私のお腹を撫でている。
その刺激だけでも強すぎるくらいだというのに。どうして。
「あっ、あ……!」
次第に思考が蕩け始めて何がなんだかわからなくなってくる。
するとそれを見計らったようにアデミル様が私の夜着を剥いで下着も脱がせてきた。
ああやっと与えられる、と思ったらアデミル様がとんでもないことを言い出した。
「自分で慰めてみろ」
「や……そんなの、できない……!」
「私の手を使っていいから」
「ひうっ」
くりっとアデミル様の指先が入り口を引っ掻いて私は身をのけぞらせた。たったそれだけなのに私には過剰過ぎる刺激だった。
だめだ、もうなにも考えられない……!
私は考えることを放棄して欲望のままにアデミル様の手を取った。
「あ、あー……!」
アデミル様の指をつぶんと中へと押し込んでにゅこにゅこと出し入れする。驚くほどに気持ちがいい。ああ、気持ちがいい、もっと、もっと……!
「アデミルさまっ、あでみるさまぁっ!」
はしたなく自ら腰を振って指を抜き差しする。でもこれじゃあ足りない。まだ足りないのだ。
「はやくっ、アデミル様のおちんちんちょうだい……!」
「ああシオリ、かわいいシオリ、いまあげような」
アデミル様が自らの夜着を脱いでペニスを取り出す。はやく、はやく……!私はたったの数秒がもう待てなくなっていた。
「挿れるぞ」
「はやくぅ……!」
脚で彼の腰を引き寄せるとアデミル様が私の中に入ってきた。
「あー!」
私はたったそれだけの衝撃で達してしまい、けれどそれだけではまだ満足できなくて腹の中のそれをきゅうきゅうと締め付けた。
「くっ……いつも以上に締まるな……」
「アデミル様っ、早く動いてぇ……!」
「ああ、こうか?」
どちゅんっと強く突かれてかはっと肺の空気を吐き出す。また少しイッた。
「あ、あっ、ああっ」
どちゅん、どちゅんっと何度も何度も強く突かれて次第にそのゆっくりさがもどかしくなってくる。
「もっと速くぅ……!」
「こうか?」
ごちゅごちゅと揺さぶられて私の中の快感がまたどっと溢れ出す。
「ひあっ、あっ、あんっ!」
だめだ、だめ、だめ、さっきからもう何度もイッてる。なのに体は貪欲にさらなる快感を求めている。いつものように痛みに変わらない。ずっと気持ちいいが続いている。
「あっ、あっ、あっあっあああっ!」
ひときわ大きな波が来てびくびくと震えながら達するとアデミル様も私の奥で熱を弾けさせた。
「はあ、はあ、あでみる、さま……」
「シオリ……」
そうしてようやく私たちはキスを交わして、そしてまた交わり始めたのだった。
翌朝、私はベッドから起きられず昼過ぎまで寝て過ごした。
あれから何回したのか記憶にない。けれど最後は気を失ってしまった私をアデミル様がきれいに拭いてくれて夜着を着せてくれたのは起きてから知った。
もう体中ギシギシしていて筋肉痛だしあそこは未だにアデミル様が挟まっているようなジンジンとした疼きが残っていたし体中にアデミル様の噛み跡やら吸い付いた後やらが残っていてひどい有様だった。
そしてそのアデミル様というとつやつやと元気いっぱいで、私を心配していたが私が寝てれば治りますからと追い払ったので今頃しょんぼりと仕事をしていることだろう。
昼を過ぎてようやく空腹で起き出す。
体を起こした途端にごぽぽ、と体の中からアデミル様の吐き出した精液が流れ出して下着を濡らした。さすがのアデミル様でもそこまでは拭うことはできないので当然と言えば当然なのだが私は慌ててタオルで拭くと下着を替えて洗顔と歯磨きを済ませるとミミアを呼んだ。
ミミアが今日着る服を持ってきてくれてそれに袖を通す。まだ足腰がガクガクしている。歩くと不自然な歩き方になってしまった。
お腹は空いているのだがなんとなく胃のあたりがムカムカする。馬鹿みたいに腹の中をあの巨根で突き上げられたせいだろう。軽い食事だけしてお菓子作りに取り掛かることにした。
今日はイチゴのロールケーキにした。
出来上がると私はアデミル様の執務室に顔を出しておはようございます、と笑いかけた。
「もう起きて大丈夫なのか」
アデミル様が手を止めて心配そうに見てくる。私は大丈夫ですよ、と笑い返してそして教会に行ってきますね、と言い添えた。
「なら私も行こう。これだけやるから少し待ってくれ」
「はい」
私たちは連れ立って教会に向かい、神様に祈りを捧げた。
「今日は酷く疲れてるね。まあお楽しみだったみたいだけど」
え、覗いてないですよね?
「誰が覗くものか」
よかったです。
「今日はロールケーキか。イチゴがたっぷりでいいね」
クリームにもイチゴを使ってみました!お気に召したならまた来週作ってきますね。
「そうしてくれたまえ」
ところで神様、聞きたいことがあるんですけど。
「なんだね」
私たちのふたりめの赤ちゃんはいつ来ますかね?
「またそういう話かい。だからあれはランダムだと……」
でも権限は神様ですよね。
「……」
私が突っ込むと神様は黙り込んだ。
そろそろふたりめがほしいなぁって思うんですけど。
「そう急がなくてもいいだろうに。きみはまだ若いんだから」
だめですよ、私が若くてもアデミル様もうすぐ五十歳ですよ?子供が成人するとき何歳だと思ってるんですか。
「アデンミリヤムが聞いたら傷つくだろうなあ」
くくっと可笑しそうに笑う声がした。
聞かれてないと分かってるから言えるんです。
「まあ考えておくよ」
次は女の子が良いです!
「嫁にやるときアデンミリヤムが泣くぞ」
そんなアデミル様も見てみたい。
すると神様がため息をつくのがわかった。
「きみはなんというか、本当に残念なアデンミリヤム馬鹿だねえ」
褒め言葉ありがとうございます!
「褒めてない」
ありがとうございます!
「はあ、まあいいよ。とにかく、子供についてはもう少し待ちなさい。言われてはいすぐに、というわけにはいかないんだよ。こちらの事情としてもね」
システム上の問題というやつですか?
「まあそんなものだ。できるだけ早めに処理するようにはしておくからきちんとすることはしておくように」
それは大丈夫です!ラブラブですから!
「今日の状態を見る限り心配はなさそうだけれどね。アデンミリヤムもそろそろいい年なのによくやるよ」
アデミル様は絶倫ですからね!いつも勝てません!私が先にへばります!
「そんな閨事情は聞きたくない。はい、またね」
ふっと体が軽くなって神様が帰ったことを知る。よし、ふたりめに関しては言質取ったぞ。
「今日は何を話していたんだ?」
アデミル様が近づいてきて微笑みかけてくる。
「ふたりめのあかちゃんが欲しいですってお願いしてました」
するとアデミル様は目を細めて笑みを深めた。
「そうだな、そろそろ良いかもしれないな」
けれど、と笑みを消してちょっとだけ私を責めるような目で見下ろしてくる。
「そういう話はまず私としてくれないか。私たちの家族の話だろう」
「あ!ごめんなさい、つい先走っちゃって……」
しゅんとするとアデミル様はまた笑って私の頭を撫でてくれた。
「まあいい。これからゆっくり話していこう」
「はい!」
「シオリは最終的に何人ほしいんだ?」
「ええと私はですね……」
そんなことを話しながら教会を後にしたのだった。
(続く)
「さて、シオリ。飲んでみるか?」
「は、はい……」
「無理強いはしない。嫌なら嫌と言ってくれ」
「い、いえ、飲みます!」
私はごくりと喉を鳴らすとその小瓶を受け取った。
「瓶の半分までだぞ」
「はい」
蓋を開け、すん、と匂いを嗅いでみる。甘ったるい何とも言えない香りがした。それを私は唇に当て、くいっと傾ける。
とろりとしたそれが口の中に入ってきてこくりと飲み下した。だいたい半分。こんなものか。味はなんだか砂糖を煮詰めて柑橘の香りをつけたようなそんな味がした。
蓋を締めてサイドチェストの上に置く。即効性があると言っていたがどの程度のものなのだろう。
「横になりなさい。楽にして。すぐに効いてくる」
「はい」
言われるがままにベッドに横になって力を抜く。
「アデミル様はこういうの飲んだことあるんですか?」
「いや、私は立場上こういうものは使わないようにしている」
「立場上?」
「我を失って女を抱いて孕ませてはことだろう?」
「ああ、そういう……」
私たちは使っていないがこの世界にも避妊具や避妊魔法はある。けれど我を忘れてしまえばそれをつけることもかけることも忘れてしまうかもしれないということか。
そして彼は辺境伯だ。二十五歳のときに辺境伯になったというから異例の速さの出世だ。獣人嫌いの国王はそれだけ早く彼を遠ざけたかったのだろう。
その彼が不用意に子供を作っては余計な火種になりかねない。そういうことだろう。
「……なんだか体がぽかぽかしてきました」
そうこう考えている内に体が温かくなってきた。
「効いてきたな」
ぽかぽかと感じていた熱は次第に腹の奥からずくずくと響く熱となって下肢に集まり始める。
「なんか、変な感じです……お腹の中が熱い……」
「ちゃんと効いている証拠だ」
ぼんやりと天井を眺めていたがアデミル様が不意に私のお腹を撫でて私はびくりと震えた。
「あ、あ……!」
それ、は突然やってきた。下肢が、入り口がぎゅうんっと熱くなって私は身を捩る。
「アデ、ミル様っ!触って……!」
私はアデミル様の手を取って下肢へと導くが、しかしアデミル様はもうしばらく待て、と素気ない。
「我慢だ、シオリ」
けれど私は初めてのそれにふるふると首を横に振ってやだ、と駄々をこねた。
「さわって、もうだめ、あ、あっ」
動いてくれないアデミル様の手を私は自らクロッチ部分に押し付けて腰を揺らめかす。それだけでも十分に気持ちが良いのにそれでは足りないと体が叫んでいる。
「あっ、あっ、だめ、やだ、アデミル様お願い、触ってえ!」
なのにアデミル様はまだ我慢だ、と言ってもう片方の手で私のお腹を撫でている。
その刺激だけでも強すぎるくらいだというのに。どうして。
「あっ、あ……!」
次第に思考が蕩け始めて何がなんだかわからなくなってくる。
するとそれを見計らったようにアデミル様が私の夜着を剥いで下着も脱がせてきた。
ああやっと与えられる、と思ったらアデミル様がとんでもないことを言い出した。
「自分で慰めてみろ」
「や……そんなの、できない……!」
「私の手を使っていいから」
「ひうっ」
くりっとアデミル様の指先が入り口を引っ掻いて私は身をのけぞらせた。たったそれだけなのに私には過剰過ぎる刺激だった。
だめだ、もうなにも考えられない……!
私は考えることを放棄して欲望のままにアデミル様の手を取った。
「あ、あー……!」
アデミル様の指をつぶんと中へと押し込んでにゅこにゅこと出し入れする。驚くほどに気持ちがいい。ああ、気持ちがいい、もっと、もっと……!
「アデミルさまっ、あでみるさまぁっ!」
はしたなく自ら腰を振って指を抜き差しする。でもこれじゃあ足りない。まだ足りないのだ。
「はやくっ、アデミル様のおちんちんちょうだい……!」
「ああシオリ、かわいいシオリ、いまあげような」
アデミル様が自らの夜着を脱いでペニスを取り出す。はやく、はやく……!私はたったの数秒がもう待てなくなっていた。
「挿れるぞ」
「はやくぅ……!」
脚で彼の腰を引き寄せるとアデミル様が私の中に入ってきた。
「あー!」
私はたったそれだけの衝撃で達してしまい、けれどそれだけではまだ満足できなくて腹の中のそれをきゅうきゅうと締め付けた。
「くっ……いつも以上に締まるな……」
「アデミル様っ、早く動いてぇ……!」
「ああ、こうか?」
どちゅんっと強く突かれてかはっと肺の空気を吐き出す。また少しイッた。
「あ、あっ、ああっ」
どちゅん、どちゅんっと何度も何度も強く突かれて次第にそのゆっくりさがもどかしくなってくる。
「もっと速くぅ……!」
「こうか?」
ごちゅごちゅと揺さぶられて私の中の快感がまたどっと溢れ出す。
「ひあっ、あっ、あんっ!」
だめだ、だめ、だめ、さっきからもう何度もイッてる。なのに体は貪欲にさらなる快感を求めている。いつものように痛みに変わらない。ずっと気持ちいいが続いている。
「あっ、あっ、あっあっあああっ!」
ひときわ大きな波が来てびくびくと震えながら達するとアデミル様も私の奥で熱を弾けさせた。
「はあ、はあ、あでみる、さま……」
「シオリ……」
そうしてようやく私たちはキスを交わして、そしてまた交わり始めたのだった。
翌朝、私はベッドから起きられず昼過ぎまで寝て過ごした。
あれから何回したのか記憶にない。けれど最後は気を失ってしまった私をアデミル様がきれいに拭いてくれて夜着を着せてくれたのは起きてから知った。
もう体中ギシギシしていて筋肉痛だしあそこは未だにアデミル様が挟まっているようなジンジンとした疼きが残っていたし体中にアデミル様の噛み跡やら吸い付いた後やらが残っていてひどい有様だった。
そしてそのアデミル様というとつやつやと元気いっぱいで、私を心配していたが私が寝てれば治りますからと追い払ったので今頃しょんぼりと仕事をしていることだろう。
昼を過ぎてようやく空腹で起き出す。
体を起こした途端にごぽぽ、と体の中からアデミル様の吐き出した精液が流れ出して下着を濡らした。さすがのアデミル様でもそこまでは拭うことはできないので当然と言えば当然なのだが私は慌ててタオルで拭くと下着を替えて洗顔と歯磨きを済ませるとミミアを呼んだ。
ミミアが今日着る服を持ってきてくれてそれに袖を通す。まだ足腰がガクガクしている。歩くと不自然な歩き方になってしまった。
お腹は空いているのだがなんとなく胃のあたりがムカムカする。馬鹿みたいに腹の中をあの巨根で突き上げられたせいだろう。軽い食事だけしてお菓子作りに取り掛かることにした。
今日はイチゴのロールケーキにした。
出来上がると私はアデミル様の執務室に顔を出しておはようございます、と笑いかけた。
「もう起きて大丈夫なのか」
アデミル様が手を止めて心配そうに見てくる。私は大丈夫ですよ、と笑い返してそして教会に行ってきますね、と言い添えた。
「なら私も行こう。これだけやるから少し待ってくれ」
「はい」
私たちは連れ立って教会に向かい、神様に祈りを捧げた。
「今日は酷く疲れてるね。まあお楽しみだったみたいだけど」
え、覗いてないですよね?
「誰が覗くものか」
よかったです。
「今日はロールケーキか。イチゴがたっぷりでいいね」
クリームにもイチゴを使ってみました!お気に召したならまた来週作ってきますね。
「そうしてくれたまえ」
ところで神様、聞きたいことがあるんですけど。
「なんだね」
私たちのふたりめの赤ちゃんはいつ来ますかね?
「またそういう話かい。だからあれはランダムだと……」
でも権限は神様ですよね。
「……」
私が突っ込むと神様は黙り込んだ。
そろそろふたりめがほしいなぁって思うんですけど。
「そう急がなくてもいいだろうに。きみはまだ若いんだから」
だめですよ、私が若くてもアデミル様もうすぐ五十歳ですよ?子供が成人するとき何歳だと思ってるんですか。
「アデンミリヤムが聞いたら傷つくだろうなあ」
くくっと可笑しそうに笑う声がした。
聞かれてないと分かってるから言えるんです。
「まあ考えておくよ」
次は女の子が良いです!
「嫁にやるときアデンミリヤムが泣くぞ」
そんなアデミル様も見てみたい。
すると神様がため息をつくのがわかった。
「きみはなんというか、本当に残念なアデンミリヤム馬鹿だねえ」
褒め言葉ありがとうございます!
「褒めてない」
ありがとうございます!
「はあ、まあいいよ。とにかく、子供についてはもう少し待ちなさい。言われてはいすぐに、というわけにはいかないんだよ。こちらの事情としてもね」
システム上の問題というやつですか?
「まあそんなものだ。できるだけ早めに処理するようにはしておくからきちんとすることはしておくように」
それは大丈夫です!ラブラブですから!
「今日の状態を見る限り心配はなさそうだけれどね。アデンミリヤムもそろそろいい年なのによくやるよ」
アデミル様は絶倫ですからね!いつも勝てません!私が先にへばります!
「そんな閨事情は聞きたくない。はい、またね」
ふっと体が軽くなって神様が帰ったことを知る。よし、ふたりめに関しては言質取ったぞ。
「今日は何を話していたんだ?」
アデミル様が近づいてきて微笑みかけてくる。
「ふたりめのあかちゃんが欲しいですってお願いしてました」
するとアデミル様は目を細めて笑みを深めた。
「そうだな、そろそろ良いかもしれないな」
けれど、と笑みを消してちょっとだけ私を責めるような目で見下ろしてくる。
「そういう話はまず私としてくれないか。私たちの家族の話だろう」
「あ!ごめんなさい、つい先走っちゃって……」
しゅんとするとアデミル様はまた笑って私の頭を撫でてくれた。
「まあいい。これからゆっくり話していこう」
「はい!」
「シオリは最終的に何人ほしいんだ?」
「ええと私はですね……」
そんなことを話しながら教会を後にしたのだった。
(続く)
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