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遠藤くんのために言っておくと、性的な虐待は受けていないから。
さっき見てもらったように、私は貧相な体をしているから、性欲のはけ口としては魅力的ではないんでしょうね。何度も言うように、父親はお金だけは持っている人だから。女としての魅力に乏しい私でわざわざ性欲を解消するくらいなら、有り余っているものを有効活用した方が得策だ、という判断なんだと思う。
胸を踏みにじられたり、股間を蹴られたりしたことはあるけど、それらはあくまでも肉体的な苦痛を与えるための行為。それ以上の酷いことはされていないから、心配しないで。
もう察しはついていると思うけど、私が感情表現が下手なのは、間違いなく虐待の影響。
殴ったり蹴ったりしている最中に、父親は「なにへらへらしているんだ」という意味のことをよく言うのね。で、それを理由に、ますます激しく殴ったり蹴ったりする。私が感情を殺すようになったのは、不条理な制裁から我が身を守るため。
虐待されるおそれがない場面でも感情を出さないのは、癖になってしまった、という説明が一番分かりやすいかな。出すのが怖いような、出し方が分からないような、出すのが面倒くさいような……。ぴたりと当てはまる言葉を見つけるのは難しいけど、とにかくそんな感じ。
私としても、人並みに感情を出していきたいとは思っているんだけど、どうしてもそうなってしまう。コントロールしたくてもコントロールできない。
みんなの前でしゃべらないのも、それと同じ理由から。学級委員長の井内さんは、話を聞いているだけでもいい人なのが伝わってくる。転校当初によく話しかけてきた高木さんは、仲よくなれたら楽しい人だと思う。でも、感情を表に出さないのと同じで、癖になっているからしゃべれない。しゃべりたくても、無理なの。
じゃあ、どうして遠藤くんに話しかけたのかというと、私と同じ匂いを感じたから。
私ほど変だとは思わないけど、孤独な人なのかな、とは思った。孤独な人なら、今までたくさん出会ってきた。そのたくさんの人たちと比べて、遠藤くんに特別ななにかを感じたわけではない。それなのに声をかけたのは、そろそろ助けがほしかったのかもしれないし、無意識レベルでは特別なものを感じていたのかもしれないし、正真正銘たまたまなのかもしれない。はっきりとしたことは分からないけど――とにかく私たちは会話を交わして、遠藤くんからの提案があって、何度も一緒に遊ぶうちにだんだん仲よくなって、今に至っている。
最後に、飴について。どうして飴を舐める習慣がついたかというと、父親から食事を抜く虐待を受けていた時期があるから。これだけ言っておけば、それ以上の説明は必要ないよね。
案の定長くなってしまったけど、これでおしまい。以上が、私が遠藤くんに伝えたかったことの全て。
さっき見てもらったように、私は貧相な体をしているから、性欲のはけ口としては魅力的ではないんでしょうね。何度も言うように、父親はお金だけは持っている人だから。女としての魅力に乏しい私でわざわざ性欲を解消するくらいなら、有り余っているものを有効活用した方が得策だ、という判断なんだと思う。
胸を踏みにじられたり、股間を蹴られたりしたことはあるけど、それらはあくまでも肉体的な苦痛を与えるための行為。それ以上の酷いことはされていないから、心配しないで。
もう察しはついていると思うけど、私が感情表現が下手なのは、間違いなく虐待の影響。
殴ったり蹴ったりしている最中に、父親は「なにへらへらしているんだ」という意味のことをよく言うのね。で、それを理由に、ますます激しく殴ったり蹴ったりする。私が感情を殺すようになったのは、不条理な制裁から我が身を守るため。
虐待されるおそれがない場面でも感情を出さないのは、癖になってしまった、という説明が一番分かりやすいかな。出すのが怖いような、出し方が分からないような、出すのが面倒くさいような……。ぴたりと当てはまる言葉を見つけるのは難しいけど、とにかくそんな感じ。
私としても、人並みに感情を出していきたいとは思っているんだけど、どうしてもそうなってしまう。コントロールしたくてもコントロールできない。
みんなの前でしゃべらないのも、それと同じ理由から。学級委員長の井内さんは、話を聞いているだけでもいい人なのが伝わってくる。転校当初によく話しかけてきた高木さんは、仲よくなれたら楽しい人だと思う。でも、感情を表に出さないのと同じで、癖になっているからしゃべれない。しゃべりたくても、無理なの。
じゃあ、どうして遠藤くんに話しかけたのかというと、私と同じ匂いを感じたから。
私ほど変だとは思わないけど、孤独な人なのかな、とは思った。孤独な人なら、今までたくさん出会ってきた。そのたくさんの人たちと比べて、遠藤くんに特別ななにかを感じたわけではない。それなのに声をかけたのは、そろそろ助けがほしかったのかもしれないし、無意識レベルでは特別なものを感じていたのかもしれないし、正真正銘たまたまなのかもしれない。はっきりとしたことは分からないけど――とにかく私たちは会話を交わして、遠藤くんからの提案があって、何度も一緒に遊ぶうちにだんだん仲よくなって、今に至っている。
最後に、飴について。どうして飴を舐める習慣がついたかというと、父親から食事を抜く虐待を受けていた時期があるから。これだけ言っておけば、それ以上の説明は必要ないよね。
案の定長くなってしまったけど、これでおしまい。以上が、私が遠藤くんに伝えたかったことの全て。
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